くすぶり型骨髄腫への早期介入が症候性骨髄腫への進行を防ぐ

くすぶり型骨髄腫への早期介入が症候性骨髄腫への進行を防ぐ

ダナファーバーがん研究所の研究者らによると、免疫療法をベースとした多剤併用療法による早期介入は、ハイリスクのくすぶり型骨髄腫が本格的な疾患(症候性骨髄腫)に進行するのを防ぐ可能性がある。

2016年12月5日にサンディエゴで開催される第58回米国血液学会(ASH: American Society of Hematology)年次総会において、ある第2相臨床試験の中間結果が発表される。試験報告の筆頭著者であるIrene Ghobrial医師によると、本研究の結果は、「ハイリスクなくすぶり型骨髄腫への早期の治療介入、というパラダイムシフトに向けた有望なスタート地点」になるようだ。Ghobrial医師は、ダナファーバーがん研究所 / ブリガム&ウィミンズがんセンター血液がん進行予防センターの共同治験責任医師も務めている。

同試験では、免疫療法薬であるエロツズマブとレナリドミドおよびデキサメタゾンの併用投与が行われたが、忍容性は良好であり、グレード3または4の毒性の発現率も低いことが分かった。一般に、骨髄に疾患を支持する所見があるか症候性骨髄腫発症のリスクにつながる他の病理学的兆候が認められる場合に、くすぶり型骨髄腫であるとされる。多発性骨髄腫は治癒不能の血液がんである。米国がん研究所によると、年間およそ30,000人が多発性骨髄腫と診断されており、2016年の推定死亡者数は12,650人である。

ハイリスク兆候が認められるくすぶり型骨髄腫患者は、50%の確率で2年以内に症候性骨髄腫に進行する。多くの臨床試験が、くすぶり段階における早期介入が安全であるかどうか、また、症候性骨髄腫への進行を防ぐかどうかを検証している。

Ghobrial医師は、治療を9サイクル完了した患者23人を含め、今日までに同試験に登録された患者50人中47人のデータを発表した。本併用療法により、上述の23人中82.6%で抗腫瘍効果を示し、34.8%で完全奏功および最良部分奏効が示された。

Ghobrial医師は、「これらの患者の多くは、追跡期間中央値である7ヶ月時点で寛解している。追跡を23ヶ月行った患者もいるが、いずれの患者においても症候性骨髄腫への進行は認められていない。」と述べた。

また、同医師は、「本早期の成績は、レナリドミドとデキサメタゾンを併用した過去のある試験の成績よりも良好であることを示唆するものである。中間結果には非常に期待がもてるが、標準治療 [早期介入] を確立する前にランダム化第3相試験を実施する必要がある。」とも話している。

本臨床試験報告の統括著者は、ダナファーバーがん研究所のKenneth C. Anderson医師とPaul Richardson医師である。

翻訳担当者 宮武洋子

監修 佐々木裕哉(血液内科・血液病理/久留米大学病院)

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