FDA、CLLの初回治療にTreanda®を承認
キャンサーコンサルタンツ
2008年3月
2008年3月20日、米国食品医薬品局(FDA)は、慢性リンパ性白血病(CLL)の初回治療にTreanda®〔トレアンダ〕(一般名 bendamustine〔ベンダムスチン〕)静注用を承認した。この結果は、無作為化多施設試験のデータに基づいており、2007年12月8~11日にジョージア州アトランタで開催された米国血液学会(ASH)の2007年総会で発表された。[1]
トレアンダは、アルキル化剤とプリン系代謝拮抗剤様活性の二つの機能を有する薬剤であり、現在米国において様々な疾患に対する第2-3相臨床試験が実施されている。トレアンダの長所の1つは、他のアルキル化剤との交差耐性を示さない点である。トレアンダは、ドイツにおいて長年販売されており、非ホジキンリンパ腫(NHL)、CLL、多発性骨髄腫、乳癌、および肺癌のような他の固形腫瘍患者の治療に臨床的に使用されている。
トレアンダのFDAによる承認につながった試験は、Binet分類B期とC期(RAI分類I~IV)の未治療のCLL患者301人を対象に行った多施設試験であった。症状を伴うため治療を要する患者を、トレアンダまたはクロラムブシルによる初回治療に無作為に割り付けた。本試験の結果は以下の表のとおりで、2007年のASHでの発表から更新されている。[2]
Treanda | Chlorambucil | |
患者数 | 153 | 148 |
全寛解率 | 59% | 26% |
完全寛解率 | 8% | <1% |
無増悪生存期間中央値 | 18ヶ月 | 6ヶ月 |
副作用 | 89% | 79% |
赤血球輸血 | 20% | 6% |
最も頻発した副作用は、好中球減少、発熱、血小板減少、悪心および貧血であった。Treandaの投与中止の原因として最も多かったのは、過敏症と発熱であった。
コメント:
本試験により、トレアンダがクロランブシルに替わってCLL治療に使用される可能性が大きいと考えられる。これは、他の試験により、NHLやその他の癌に対する初回治療に用いられるアルキル化剤として、クロラムブシルに替わりトレアンダが使用される可能性があるのと同様である。
参考文献:
[1] Knauf WU, Lissichkov T, Aldaoud A, et al. Bendamustine versus chlorambucil in treatment-naïve patients with B-cell chronic lymphocytic leukemia (B-CLL): Results of an international phase III study. Blood. 2007;110:609a, abstract 2043.
[2] FDA approves Treanda for the treatment of patients with CLL. ash@hematology.org
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