FDAが転移性腎細胞がんの有望な治療薬として、レンバチニブを画期的治療薬に指定

キャンサーコンサルタンツ

エーザイ株式会社は、同社の複合受容体チロシンキナーゼ阻害薬レンバチニブ(レンビマ)が、血管内皮増殖因子(VEGF)標的薬の投与歴がある進行性または転移性腎細胞がん(RCC)患者への治験用として、米国食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬(Breakthrough Therapy)の指定を受けたと発表した。腎細胞がんは腎臓がんでは最も多いがん種であり、進行性の患者では5年生存率が5~10%と予後が不良である。

FDAの画期的治療薬の指定は2012年に施行され、重篤あるいは生命にかかわる状態の治療において、有効な治療法がない医学的ニーズ(unmet medical needs)に対応する。この指定は、有望な薬剤が既存の治療法に対して実質的改善を示す可能性があるという予備的臨床試験結果に基づいて、その薬剤の開発と承認審査の促進を目的としている。

レンバチニブは第2相臨床試験の結果を基に画期的治療薬として指定されたが、その試験には、VEGF標的薬による治療後にレンバチニブ+エベロリムス(アフィニトール)の併用治療を受けた患者153人が参加した。

腎細胞がんについて

米国では毎年、61,000人以上が腎臓がんと診断される。腎臓がんで最も多いがん種は腎細胞がん(RCC)であり、腎臓内の非常に細い管(尿細管)の上皮に発生する。分子標的治療は、進行性腎細胞がん(身体の他部位に広がったがん)患者にとって重要な役割を担う可能性がある。腎細胞がん患者の約20~30%に診断時の転移があり、また限局性腎細胞がんの初回外科治療後に転移が認められる患者は40%にも上る。5年生存率が5~10%であり、これらの患者の予後は不良である。

レンバチニブについて

現在、レンバチニブは、放射性ヨウ素治療抵抗性甲状腺がん患者の治療において承認されている。レンバチニブはチロシンキナーゼ受容体(RTK)阻害剤であり、血管内皮増殖因子(VEGF)受容体VEGFR1~3のキナーゼ活性を阻害する。レンバチニブは、正常な細胞機能に加えてがん進行にも関連する他のRTK、すなわち線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体FGFR1~4、血小板由来増殖因子受容体アルファ(PDGFRα)、KIT、RETなども阻害する。


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翻訳担当者 岐部幸子

監修 林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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