免疫療法後の転帰改善をめざす微生物叢療法を評価する共同研究

セレス・セラピューティクス社、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、パーカーがん免疫療法研究所は本日、現在利用可能な免疫療法で治療したがん患者の転帰の改善を目的とするセレス社の微生物叢療法の可能性を評価するため、共同研究を行うことを発表した。

共同研究者らはパーカー研究所が支援し、MDアンダーソンで行う、進行した転移性メラノーマ患者対象のランダム化プラセボ対照試験を開始する予定である。本治験は、補助的な微生物叢療法を用いた場合の、患者の転帰に対する抗PD-1チェックポイント阻害薬 の影響力を評価する。セレス社は免疫療法の効果と安全性を向上させるためにSER-401を開発中である。これは合理的にデザインされた生きたバクテリア集団を構成している前臨床段階の経口微生物叢療法薬である。

公表された研究では、胃腸内の微生物叢のバクテリア構成が、チェックポイント阻害薬療法に対する反応に影響を及ぼす可能性があることを証明する前臨床および臨床のエビデンスを提供している。2017年11月2日のサイエンスに外科腫瘍学・ゲノム医学准教授Jennifer Wargo医師およびMDアンダーソンの同僚らによる研究が発表され、メラノーマ患者のチェックポイント阻害薬に対する反応に影響を及ぼす可能性を持つ腸内細菌叢の構成が示された。さらに本研究は、チェックポイント阻害薬に反応する患者に認められた好ましい微生物叢の特性を、マウスに移植できることを示した。研究の結果は、がん免疫療法の臨床上の利益を増大させるために、微生物叢療法の臨床試験を支持している。

セレス社はまた、事前に定義された金銭面の条件と共に独占的なオプションを得た。MDアンダーソンからチェックポイント阻害薬とバクテリアを併用する知的所有権の実施許諾である。

「MDアンダーソン、特にWargo医師の研究室は、微生物叢についてより良い理解を得るよう促し、免疫チェックポイント阻害薬に対する反応を誘導しています」「私たちは、重大な医学的ニーズを満たされずに生命を脅かす腫瘍に直面している患者の転帰を改善することを最終目標に、クリニックに対しても微生物叢療法を推進してがん患者の免疫療法を増加させるため、私たちの知見とMD アンダーソンおよびパーカー研究所両者の能力との連携に期待しています」。セレス社の社長、CEOおよび会長であるRoger J. Pomerantz医師は述べた。

「免疫療法は、メラノーマおよび他のがんに対して重要な進歩を示しています。しかし大部分の患者で、その反応は永く疾患をコントロールするのには適していません」「微生物叢を調節することは、チェックポイント療法の治療効果を改善する可能性を持つ有望なアプロ―チです」Wargo医師は述べた。

「パーカー研究所、セレス社そしてMDアンダーソンによるこの共同研究は、素早く次世代の治療を臨床試験へ進めることで免疫療法の裏付けを明らかにし、がん免疫療法に対するパーカー研究所が担う使命を示す良い実例になります」パーカーがん免疫療法研究所、研究担当副社長Fred Ramsdell博士は述べた。「もしこの新しい種類のアプローチによって微生物叢の改善が成功し、さらに重要なことにはがん患者が免疫療法に対しより良い反応を示すように導くことができれば、これはすべての分野に対し、画期的な出来事になるでしょう」。

翻訳担当者 白鳥 理枝

監修 東海林 洋子(薬学博士)、

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

皮膚がんに関連する記事

進行メラノーマにペムブロリズマブ投与後わずか1週間でFDG PET/CT検査が治療奏効を予測かの画像

進行メラノーマにペムブロリズマブ投与後わずか1週間でFDG PET/CT検査が治療奏効を予測か

米国がん学会(AACR)ペムブロリズマブの単回投与後のFDG PET/CT画像が生存期間延長と相関する腫瘍の代謝変化を示す 

ペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ)の投与を受けた進行メ...
MDアンダーソンによるASCO2023発表の画像

MDアンダーソンによるASCO2023発表

MDアンダーソンがんセンター(MDA)急性リンパ性白血病(ALL)、大腸がん、メラノーマ、EGFRおよびKRAS変異に対する新規治療、消化器がんにおける人種的格差の縮小を特集
テキサス大...
軟髄膜疾患のメラノーマに対する免疫療法薬の画期的投与法は安全で有効の画像

軟髄膜疾患のメラノーマに対する免疫療法薬の画期的投与法は安全で有効

MDアンダーソンがんセンター
髄腔内および静脈内への同時投与により一部の患者の転帰が改善
髄腔内(IT)の免疫療法(髄液に直接投与)と静脈内(IV)の免疫療法を行う革新的な方法は、安全であり、かつ、転移性黒色腫(メラノーマ)に起因する軟髄膜疾患(LMD)患者の生存率を上昇させることが、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者による第1/1b相試験の中間解析によって認められた。
FDAが転移/再発局所進行メルケル細胞がんにretifanlimabを迅速承認の画像

FDAが転移/再発局所進行メルケル細胞がんにretifanlimabを迅速承認

米国食品医薬品局(FDA) 2023年3月22日、米国食品医薬品局(FDA)は、転移性または再発の局所進行メルケル細胞がん(MCC)の患者を対象にretifanlimab-dlwr(販...