イミキモドのFDA承認

原文 2004/ 07/15掲載 2013/07/03更新

商品名:Aldara®

・表在型基底細胞癌の治療に対して承認(2004/7/15)

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がFull prescribing information(英文)で参照できます。

2004年7月15日に、FDAはイミキモド(Aldara®塗り薬、3M Pharmaceuticals社製) の新しい用法の承認を発表しました; この製品は現在、光線性角化症と外性器疣の治療の承認済みです。 FDAは、Aldaraを皮膚癌の一種である表在型基底細胞癌(sBCC)の治療に承認しました。

このタイプの皮膚癌は、生検後に医療者が診断し、他のタイプの基底細胞癌を含む他の皮膚癌とは異なるものです。

通常、表在型基底細胞癌(sBCC)は手術による摘出によって治療されます。一般的に、手術によるsBCC治療が効果的である可能性は大きいので、手術が医学的にそれほど適切でない場合のみ、イミキモドはsBCCの治療に使用されるべきです。イミキモドでsBCCの治療を受けた患者は、治療後に皮膚癌が完全寛解したのを確証するため定期的な経過観察による追跡がなされるべきです。

イミキモドの安全性と有効性はおよそ364人の患者で、2つの二重盲検対照試験を行い評価されました。 これらの試験では、イミキモドでsBCCの治療を受けた患者(139/185)の75%は治療を終えた12週間後に臨床的にもsBCCに対する再生検においても再発した確証はありませんでした。 182人の患者での他の長期試験では、治療を終えた2年後に、患者の79%はsBCCの再発の徴候はありませんでした。

皮膚癌は体のどこにでも発生しますが、最もよく見られるのは日光に暴露している皮膚です。 最も一般的なタイプの皮膚癌は基底細胞癌で、毎年少なくとも80万人の米国人が罹患します。通常、表在性タイプの基底細胞癌は腕か、脚か身体の胸や背中などの部位に起こります。 現在、FDAは、体、首、腕、脚のsBCCの治療のためにイミキモドを承認していますが、顔のsBCCの治療に対しては承認していません。

sBCCの治療にイミキモドを使用しているほとんどの患者が治療部位の発赤、膨張、損傷、水ぶくれ、皮膚の剥がれ、かゆみ、焼灼感などの皮膚反応を経験しました。

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HAJI 翻訳
平 栄(放射線腫瘍科)監修 
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この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

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