癌の新治療に対する新連邦健康イニシアチブ

プレスリ・リース 速報
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NCI(米国国立癌研究所)プレス・オフィス (301) 496-6641
CMS(プレス・オフィス(202) 690-6145
癌治療改善のための新しい連邦衛生健康イニシアチブ 
患者は新規癌治療の迅速な開発と提供から利益を得る

原文へ 2006年2月14日

米国食品医薬品局(FDA)は、国立衛生研究所の一施設である米国国立癌研究所(NCI)およびCenters for Medicare & Medicaid Services (CMS、メディケア・メディケイド*注・サービス・センター)は、Oncology Biomarker Qualification Initiative(OBQI)-バイオマーカーの開発と評価を通じた癌治療の開発の改善と癌患者の転帰改善の共同研究-に関する合意について本日発表した。

バイオマーカーは、血液検査、組織検査やその他の生体サンプルと同様,疾患または治療効果の生物学的指標であり、動的画像検査で測定することができる。このイニシアチブは、これら3つのHealth and Human Services (HHS、保健福祉省)の部門が、癌治療の開発と評価を迅速化のする方法としてのバイオマーカーに共同で焦点を当てた初めてのものである。

「われわれは、患者に対する新しい癌治療の開発と提供を迅速化するこの取り組みに高揚している。」と、HHSの長官であるMike Leavitt氏は言う。「これら3つの機関の科学、規制、および提供に関する専門知識を一つにすることで、われわれは、患者に対してより迅速に個別化しねらいを定めた癌診断、癌治療と予防をもたらすことができる。」

その共同研究は、治療の効果を評価し、また患者にとってより適合する治療を見極めるためにどのようにバイオマーカーが利用できるかの科学的理解を開発する。たとえば、OBQIは、下記のような状況で特定のバイオマーカーが使用できるのかという問題に取り組む。

1つまたは2つ治療を受けた後に、患者の腫瘍が治療に反応するか評価する

腫瘍が縮小していない場合でも、死滅しているかをより確実に判断する

治療後に、どの癌患者が腫瘍再発の高いリスクにあるかを特定する

患者の腫瘍が特定の治療に反応する可能性があるかを判断する

試験中の治療が、腫瘍治療に有効であるか効果的に評価する

OBQIの目標は、臨床試験期間の短縮、薬剤開発プロセス中の期間や消費される資源を削減し、薬剤承認と薬剤費保険負担の関係を改善し、癌患者に対する薬剤の安全性を増し,薬剤の適切な選択を図るというような方法で、新しい技術、期待される技術を評価するために使用することができるような特定のバイオマーカーを検証することである。

「約4年前、NIHは、21世紀の医学研究のために『ロードマップ』造りに着手した。OBQIのようなプログラムは、疾患の生物学的に重要な発見に結びつくのみならず、科学的共同研究のモデルともなるため、そのビジョンの中核となるだろう。」とNIHのディレクターであるElias A. Zerhouni医師は言う。

「臨床バイオマーカーの理解が深まったことは、医薬品開発プロセスを改革するためのFDAのプログラムであるクリティカル・パス・イニシアチブ(治療計画イニシアチブ)の下、われわれの最も緊急とする目標の一つである診断と治療の発展をより的を絞りやすくさせることに役立つだろう。」と食品医薬品局のFDA  代理局長であるAndrew C. von Eschenbach医師は言う。「われわれは、新しい技術の使用を標準化する手助けとなるパートナーシップが、薬剤の開発プロセスを改善するために必要不可欠であると信じる。つまり、われわれは個別化した医薬品を患者により早くもたらすことができるようになり、そして最終的には転帰の改善をもたらすことができるようになる。」

OBQIの下、バイオマーカー研究は、4つの主要領域に焦点が当てられる:

治療がどのように作用しているか、より詳細に見るため画像技術の標準化と評価を行う

個別化した治療を可能とするため、診断的測定に対する科学的根拠の開発を行う

バイオマーカーを使用するために新しい臨床試験デザインの設立を行う

重要な経験が、一つの試験から別の試験へと受け継がれることを確実にするデータ蓄積を行う

研究機関の科学者や産業界の科学者と共同で作業することで、専門的な組織と同じようにOBQIチームは、臨床試験を通じた主要なバイオマーカーの情報の開発を促進することができる。

「特定の癌に対するバイオマーカーを特定することとそれらを臨床的に評価することで、研究者らは、標的とした薬剤開発におけるバイオマーカーの利用と治療選択前にどの治療が患者に対して効果のある可能性が高いか判断するための根拠を得るだろう。」とNCIの副所長であるAnna D. Barker博士は言う。「特定の薬剤が患者に対して作用するか否か判断するために数週間から数ヶ月待っているよりは、リアルタイムで治療反応をモニターするためにバイオマーカーが利用できる。」

最初に実施されるOBQIのプロジェクトは、フルオロデオキシグルコースを用いた陽電子放射断層撮影(FDG-PET)の使用の正当性を裏付けることと標準化することである。PETスキャンは、癌における生化学的変化を特徴付けるために使用される。共同研究の下、研究者らは、非ホジキンリンパ腫に対する治療を受ける患者の臨床試験において、FDG-PETが腫瘍反応性の予測因子となるか判断するためFDG-PET画像技術を使用する。このタイプの科学的根拠に基づいた研究結果から得たデータは、FDAとCMS双方にとって、薬剤開発業者と作業する際に、こうした評価方法の役割の共通の理解に役立つであろう。

「多大に期待される新規の科学的知見と,新しい薬剤が患者にとって確実に有益であるかということの間にはたくさんの段階がある。」とCMSの役員であるMark B. McClellan医学博士は言う。「この共同研究の、癌患者に対するより一層のねらいを定めた治療決定の結果は、メディケア・メディケイドが人々により良いケアをより素早くもたらす一助となる根拠となるであろう。」

向こう数ヶ月の間に、OBQIチームは、その他の癌のバイオマーカーを特定し臨床的に適格とするために多くのイニシアチブをデザインすることになるだろう。その新しいイニシアチブは、たくさんの関係筋から科学者らを一箇所に集め、FDAの治療計画とNIHのロードマップ・イニシアチブを通じて確認された当局の政策を公表することになる。OBQIはまた、NCI-FDA間の Interagency Oncology Task Force (IOTF、省庁間癌対策チーム)の作業も代表する。IOTFとは、NCIとFDAの間の臨床研究の効率化を図るためと新しい癌治療の科学的評価を高めるための共同研究である。CMSと並んで、その2つの機関は、新しい癌治療薬と診断法の進歩を促すためと、それら薬剤や診断法をできる限り安全にかつできる限り高い対費用効果で患者に届けるまでの期間を短縮するために知識とリソースを共有する。

FDA治療計画(FDAクリティカル・パス)

治療計画とは、最も緊急とする医薬製品開発問題を特定かつ優先するためのFDAの第一級イニシアチブであり、米国国民の健康利益における迅速な改善のための絶好の機会である。治療計画の主要目的は、より正確でより低コスト、より短期間で、いかに新しい医薬品の安全性と有効性が立証できるかについての答えを探るための新しいツールを作り出すことで、それにより基礎科学の発見がより迅速に新しく優れた医学治療に変換されることを確実にすることである。

NIHロードマップ

NIHロードマップとは、個々のNIH機関単独では取り組めないが機関全体としてならば医学研究の発展に可能な限り最大の影響を与えることを行うことができるバイオメディカル研究における重要な機会とギャップを追求するためにデザインされた一連の新しいイニシアチブであり、新しい科学知識を公衆衛生のための目に見える利益に変換するための役割を果たすであろう変化の触媒となるものである。NIHロードマップに関する詳細は、Webサイトwww.nihroadmap.nih.govにて閲覧可能。

食品医薬品局に関する詳細は、次のサイトへ。 http://www.fda.gov

米国国立癌研究所に関する詳細は、次のサイトへ。 http://www.cancer.gov 

メディケア・メディケイド・サービス・センターに関する詳細は、次のサイトへ。 http://cms.hhs.gov 


*注: 米国の公的健康保健制度。
メディケアは、65歳以上の高齢者や一部の身体障害者のための公的医療保険制度。メディケイドは65歳未満の低所得者層、身体障害者を対象にした公的医療保険制度。


ウルフ 訳・Jobim 監修 

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