2007/01/23号◆特集記事「癌死亡者数が2年連続で減少」

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NCI Cancer Bulletin2007年01月23日号(Volume 4 / Number 4)
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特集記事

癌死亡者数が2年連続で減少

多くの癌研究者が重要な傾向であると述べているが、米国内の癌死亡者数が2003年~2004年(死亡データを入手可能な最新年)で3,000名以上減少した。また、癌死亡率も着実に低下し続けている。

2003年の556,902名から2004年の553,888名への死亡者数減少は、年間の減少数が今までで最多の年であること、および死亡者数(死亡率ではなく)が2年連続で減少した年であることを示している。

NCI主任のJohn E. Niederhuber医師は、「1991年以降の癌死亡率低下を示す我々のSEERデータとともに、癌死亡者数におけるこの減少は、非常に希望を与えるものであり、また現実的な進歩をはっきりと示すものです」と述べている。

新規の死亡者数は、米国癌協会(ACS)発行の年次報告書である癌統計2007(Cancer Statistics 2007 http://caonline.amcancersoc.org/misc/cancerstats2007.pdf)に掲載されている。同報告書には、最新の死亡データ、最新年度の癌発症率、および死亡推定が含まれている。前年度の公表では、2002年~2003年にかけて癌死亡者数が369名減少したと報告されているが、このような統計が報告されるようになって以来、初めて報告された癌死亡者数の減少である。

この新たな報告によって、強い楽観志向が生まれている。

ACSの最高責任者であるJohn R. Seffrin医師は、「実際の癌死亡者数がこのように2年連続で、しかも1年目よりも急激に減少したことは、前年度の減少が偶然ではなかったことを表している」と述べている。

さらに、米国臨床腫瘍学会の会長であるGabriel N. Hortobagyi医師は、「死亡率が低下した時期もあったが、人口増加が持続している間に癌死亡者数が減少しているという事実は、非常に希望を与えるものである」と続けている。

死亡者数の減少は、主に、過去数十年間にわたる喫煙者数の減少、癌スクリーニング率の向上、および奏効率が近年急速に向上してきた治療レジメンによる。スクリーニングの効果は、結腸直腸癌で最も明白であり、2003年~2004年において男女の癌死亡者数が大幅に減少した。

NCI Surveillance Research Programの副主任であるBrenda Edwards医師によると、NCI後援のCancer Intervention and Surveillance Modeling Networkが共同研究を実施中であり、リスクファクターの低減および予防、スクリーニング、および死亡傾向のある疾患に対する治療の効果、ならびに乳癌、結腸直腸癌、肺癌、および前立腺癌の発症率について、十分な理解を得ようとしているとのことである。

Ahmedin Jemal医師によってまとめられたACS Department of Epidemiology and Surveillance Researchの報告では、癌は2004年に死亡した全米国人のうち約23%の原因となっており、その数値を上回る原因としては心疾患のみであると記載されている。また、Jemal医師らは、「癌のいくつかの発症部位を除いて、癌の発症率および死亡率は、白人よりもアフリカ系アメリカ人で依然として高い」と記している。

Hortobagyi医師は、いくつかの癌に対する治療での進歩が、スクリーニングの進歩に比べて遅れているが、新しい標的薬剤で始まっている発展様式とともにあらたな変革が始まるであろう、と楽観的である。

同医師は、この標的薬剤発展の流れは、初期相の治験で薬剤が有効であろうということを示す「生物学的シグナル」から始まる、と説明している。その後、同薬剤を用いて、疾患進行の遅延、および治療歴のある転移性疾患における生存期間の延長を証明するような大規模試験に広がり、最終的に、早期疾患を対象とした治療目的の試験へと移行する。

同医師は、「われわれは、乳癌や結腸直腸癌などを対象としてきたが、その他の癌も対象としていきたい」と述べている。

—Carmen Phillips

翻訳担当者 斉藤 芳子 訳、、

監修 平 栄(放射線腫瘍科)

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原文掲載日 

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