Rapamune〔ラパミューン〕(sirolimus〔シロリムス〕):薬物モニタリングに関する推奨事項

移植および腎臓疾患に携わる医療従事者、医療機関の臨床検査科主任向け

原文

2010年1月11日 Wyeth社は、シロリムスの治療薬物モニタリング(TDM)で用いる免疫測定法の実施時における変更事項に関連して、ラパミューン添付文書への変更事項を医療従事者に通達した。同法によって得られるTDMの結果は、測定方法や検査機関に左右される。また、その結果は経時的に変動する可能性がある。したがって、各医療機関で用いる測定方法の詳細な情報に基づいて、目標治療範囲への調整を行う必要がある。 シロリムス全血中濃度は、クロマトグラフィーや免疫測定法によって測定できる。これらの2種類の方法は直接的には代替可能ではなく、シロリムス全血中濃度の測定値は使用する測定方法の種類によって異なる。そのため、1人の患者をモニタリングする際に異なる測定方法を使用した場合、ラパミューンの用量を不適切に調整してしまう可能性があり、その結果、薬物曝露量が少なすぎると同種移植拒絶反応、曝露量が多すぎると有害な副作用などが起こりうる。 Wyeth社は、ラパミューン投与中の患者を管理する医療従事者に対し、以下の事項について検討するよう推奨した。1)どの測定方法が当該医療機関の臨床検査科で用いられているのか。2)使用される測定方法に何らかの変更があるかどうか。3)臨床検査科の基準値に変更があるかどうか、当該医療機関や関連施設においてシロリムスの推奨用量範囲に後日変更があったかどうか。これらの情報を用いることで、最適な臨床結果を得るために目標濃度を適切に調整できる。 シロリムス投与中の患者を治療する医師は、臨床検査科と連絡を取り、シロリムス濃度を測定するための測定方法に変更があったかどうかを検討することが重要である。

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