DecitabineのFDA承認

商品名:Dacogen

原文  2013/07/02更新

・骨髄異形成症候群(MDS)の治療に対して承認

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2006年5月2日、FDAは骨髄異形成症候群(MDS)患者の治療にdecitabine注射剤(DacogenR MGI Pharma社)を承認した。治療の対象は既治療および未治療の、FAB分類すべての新規MDSおよび二次性MDS(不応性貧血、環状鉄芽球を伴う不応性貧血、芽球増加を伴う不応性貧血、移行期の芽球増加を伴う不応性貧血、および慢性骨髄単球性白血病)の患者ならびにIPSS分類の中等度リスク1、中等度リスク2、および高リスク群の患者である。

FAB分類の5タイプすべてを含むMDSで、IPSS分類の高リスク、中間リスク1、および中間リスク2群の成人患者170名を対象とした非盲検多施設無作為比較試験により安全性および有効性が証明された。

decitabine投与ならびに支持療法に患者89名を、支持療法に81名をそれぞれ任意に割り付けた。decitabine群の患者は3日間連続8時間毎に3時間かけて15 mg/m2の静脈投与を受けた。患者の臨床反応および毒性に応じ6週間毎にこの投与サイクルを繰り返した。支持療法は血液および血液製剤輸血、予防的抗生物質、ならびに造血成長因子から構成された。

MDS International Working Group基準をもとに反応を分類した。反応している期間、患者は赤血球および血小板の輸血を受けないことを前提条件とした。調査対象となった全体症例数中の全奏効率(CR+PR)はdecitabine投与群では17パーセント、支持療法群では0パーセントであった(p<0.001)。

decitabine投与群の奏効期間中央値は288日間、奏効までの所要期間中央値は93日間であった。奏効したdecitabine投与群で反応の見られた患者は、1名を除き全員が4サイクル目までに奏効を示した。decitabine投与によって急性骨髄性白血病や死に至るまでの期間の中央値が有意に延びることはなかった。

FAB分類を問わないMDS患者を対象とした更に2つのdecitabine使用非盲検単独群多施設試験に計164名の患者が登録された。これら2試験の全奏効率はそれぞれ26パーセント(N=66)と24パーセント(N=98)であった。

decitabineの主な毒性は好中球減少、血小板減少、貧血、および熱性好中球減少という症状で表される骨髄抑制である。その他主な有害事象には嘔気、嘔吐、下痢、便秘、発熱、浮腫、高血糖、低マグネシウム血症、低カリウム血症、関節痛、背痛、咳、頭痛、不眠、発疹、点状出血、および蒼白などがある。

安全性について年齢および性別による差異は認められなかった。肝機能あるいは腎機能障害を持つ患者を対象とした試験は実施されなかった。これらの臨床試験には非白色人種患者が参加したが、なんらかの結論を引き出すためにはその数は不十分であった。

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Chihiro 訳
林 正樹 (血液・腫瘍内科 社会医療法人敬愛会中頭病院)監修 
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この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

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