米FDA、切除不能/転移肝細胞がんの1次治療にニボ+イピ併用を承認
2025年4月11日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移を有する肝細胞がん(HCC)成人患者に対する一次治療として、ニボルマブとイピリムマブ(販売名:オプジーボおよびヤーボイ、Bristol-Myers Squibb社)の併用療法を承認した。
オプジーボの全処方情報はこちらに掲載される。
有効性と安全性
有効性は、切除不能または転移性の肝細胞がん(HCC)患者668人を含むランダム化(1:1)非盲検試験CHECKMATE-9DW(NCT04039607)で評価された。組織学的に肝細胞がんと診断され、Child-Pugh分類A、ECOGパフォーマンスステータスが0または1で、進行疾患による全身療法の治療歴がない患者が登録された。患者は、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法群(ニボルマブ1mg/kg+イピリムマブ3mg/kgを3週間毎に最大4回静脈内投与し、その後ニボルマブ480 mgを4週間毎に単剤で静脈内投与)、または対照群(治験担当医師が選択したレンバチニブまたはソラフェニブの投与)に無作為に割り付けられた。
主要有効性評価項目は、割り付けられた全患者の全生存期間(OS)であった。追加の有効性評価項目は、RECIST v1.1に基く盲検下独立中央審査の評価による奏効率(ORR)であった。OS中央値は、ニボルマブ+イピリムマブ群で23.7カ月[95%信頼区間(CI): 18.8, 29.4]、レンバチニブまたはソラフェニブ群で20.6カ月(95% CI: 17.5, 22.5)、ハザード比は0.79(95% CI: 0.65, 0.96;p値< 0.0180)であった。各群のORRは36.1%(95% CI: 31.0, 41.5)と13.2%(95% CI: 9.8, 17.3)であった(p値 < 0.0001)。
最もよくみられた副作用(>20%)は、発疹、そう痒症、疲労、および下痢であった。
ニボルマブの推奨用量は、ニボルマブ1 mg/kgとイピリムマブ3 mg/kgを3週間毎に最大4回静脈内投与し、その後ニボルマブを単剤で240 mgを2週間毎、または480 mgを4週間毎に静脈内投与する。
- 監修 泉谷昌志(消化器内科、がん生物学/東京大学医学部附属病院)
- 記事担当者 為石万里子
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- 原文掲載日 2025/04/11
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