イレッサ 初回治療が、EGFR変異陽性で全身状態不良な進行NSCLC患者に有益 | 海外がん医療情報リファレンス

イレッサ 初回治療が、EGFR変異陽性で全身状態不良な進行NSCLC患者に有益

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

イレッサ 初回治療が、EGFR変異陽性で全身状態不良な進行NSCLC患者に有益

キャンサーコンサルタンツ
2009年3月

イレッサ(ゲフィチニブ)による初回治療は、上皮増殖因子受容体(EGFR)突然変異を有し、全身状態(活動度:PS)がきわめて不良な進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対し有益であることが、日本の研究者らにより報告された。本研究の詳細は、Journal of Clinical Oncology誌2009年3月20日号に掲載されている。[1]

 

イレッサの経口投与は、プラチナ製剤およびタキサン系薬剤を含む治療が無効となった進行NSCLC患者に対する単剤療法として、米国において承認されている。イレッサは、選択的EGFRチロシンキナーゼ阻害薬である。上皮増殖因子受容体は、NSCLCを含むヒトの固形腫瘍の多くに発現、過剰発現し、ときに調節不能な状態となっている。この受容体が活性化すると、アポトーシスを阻害し、細胞増殖、細胞接着、浸潤能、運動能を増大させることにより、腫瘍増殖を促進すると考えられている。肺腺癌や気管支肺胞上皮癌に奏効する場合が多く、非喫煙者や女性でより奏効の可能性が高い。さらに、EGFRの特異的突然変異を有する患者において奏効する可能性がより高い。

 

今回の研究では、PSスコア不良(PS3~4の患者22人を含む)の進行NSCLC患者30人が登録された。患者の年齢は20~74歳で、EGFR突然変異を有していた。患者はイレッサ250ミリグラムを1日1回経口投与され、癌の進行または耐えられない毒性が発現するまで治療を継続した。(重度の毒性が認められた場合、2日に1回の投与も可能とされた。)

 

結果は、全奏効率66%、病勢コントロール率90%であった。さらに79%においてPSスコアの改善がみとめられ、治療開始時のPSスコア3~4であった22人中、68%の患者は、PS 0~1に改善した。無増悪生存期間中央値は6.5カ月、生存期間中央値は17.8カ月、1年生存率は63%であった。治療に関連した死亡はみとめられなかった。

 

研究者らは、以下のように結論した。「本研究は、PSスコアがきわめて不良なEGFR突然変異陽性患者において、イレッサによる初回治療が有益であることを示した初めての報告である。推定余命の短いこのような患者に対して、支持療法以外の標準治療は存在しないため、バイオマーカーとしてEGFR突然変異の検査を行うことが、本患者集団において推奨される」。

 

コメント:イレッサは、EGFR突然変異陽性、かつPS不良なNSCLC患者に対する初回治療として妥当な選択肢であると考えられる。

 

参考文献:[1] Inoue A, Kobayashi K, Usui K, et al. First-line gefitinib for patients with advanced non-small cell lung cancer harboring epidermal growth factor receptor mutations without indication for chemotherapy. Journal of Clinical Oncology. 2009; 27: 1394-1400.

 


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳近江屋 芽衣子

監修久保田 馨(胸部腫瘍医/国立がんセンター中央病院)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  2. 2光免疫療法:近赤外線でがん細胞が死滅
  3. 3非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  4. 4COX-2阻害薬と抗PD1免疫療法薬併用でIDO1発...
  5. 5BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  6. 6若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  7. 7コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  8. 8がん治療の悪心・嘔吐管理に関するASCOガイドライン...
  9. 9ペムブロリズマブ、欧州にて局所進行・転移性尿路上皮が...
  10. 10CDK4/6阻害薬に耐性を示す乳がんが複数出現

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他