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MDアンダーソン研究ハイライト SITC2022特集:大腸がん

がん免疫療法学会(SITC)2022特集

新しい免疫療法の組み合わせにより、非炎症性腫瘍におけるT細胞浸潤が促進される(抄録番号:657

チェックポイント阻害薬は、マイクロサテライト安定型の大腸がんや膵臓がんの患者では、T細胞の浸潤が悪いこともあり、有効ではなかった。NT-17(efineptakin alfa)はインターロイキン-7の長時間作用型で、ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体)と併用することでT細胞浸潤を増加させることができる。Aung Naing医師が主導した第2相試験では、マイクロサテライト安定型の大腸がんまたは膵臓がんの患者を対象に、NT-17とペムブロリズマブの併用療法を評価した。評価可能な53人の患者において、本併用療法によって、治療前と比べて治療後の生検でT細胞浸潤が有意に増加していた。iRECISTガイドラインに基づく奏効率(ORR)は9.4%であった。肝転移はこれらのがん患者で多く見られ、免疫療法が効きにくいが、今回の試験に登録された肝転移を有する患者では、本併用療法により25.6%の疾患制御率(DCR)を達成した。また、他の部位に転移を有する患者では、ORRは28.6%、DCRは71.4%を達成した。本結果は、NT-17が免疫学的に活性の低い腫瘍においてT細胞浸潤と免疫療法反応を促進することを示唆しており、さらなる評価が必要であるとしている。Naing医師は、11月11日に最新の試験結果を発表する予定である。

PVRIGチェックポイントを標的とすることで、マイクロサテライト安定型の進行大腸がんにおいて早期の抗腫瘍効果を示す(抄録番号659

進行したマイクロサテライト安定型大腸がん(MSS-CRC)患者に対する現在の治療選択肢は、効果が限られており、ほとんどの患者は肝転移も有するため、利用可能な免疫チェックポイント阻害薬に反応しないことが分かっている。Michael Overman医師らは、転移性MSS-CRC患者を対象に、ニボルマブ(抗CTLA-4抗体)とPVRIGを標的とする新規チェックポイント阻害薬COM701の併用を新たに第1相試験で評価した。本治療法は良好な安全性プロファイルを有し、忍容性も良好であった。評価可能な22人の患者において、本併用療法は9%の奏効率(ORR)を達成し、これは標準治療による一般的な奏効率よりも高いものであった。また、探索的な解析では、肝転移を有する患者において、12%のORRと29%の病勢制御率という、有望な初期結果が示された。トランスレーショナルデータによると、この併用療法は腫瘍の微小環境において強力な免疫活性化をもたらすことが示されており、本試験のような設定でのCOM701のさらなる試験が計画されている。Overman医師は、11月10日に本結果を発表する予定である。

 

監訳:中村能章(消化管悪性腫瘍/国立がんセンター 東病院)

翻訳担当者河合加奈

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