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キザルチニブ、FLT3-ITD陽性の急性骨髄性白血病(AML)の生存を改善

一般によくみられる非常に悪性度の高いタイプの急性骨髄性白血病(AML)の成人患者において、治験薬キザルチニブ(商品名:ヴァンフリタ)と化学療法の併用が、化学療法単独よりも優れた全生存期間を示した。​​

デュークがん研究所の研究者Harry P. Erba医学博士が共同で実施した大規模な国際共同第3相試験では、本剤キザルチニブ(製造元:第一三共)と化学療法を併用した場合、全生存期間の中央値が31.9カ月であった。これは、標準化学療法とプラセボ投与群に無作為割り付けされた患者の全生存期間中央値(15.1カ月)の2倍以上であった。

この結果は、6月11日にウィーン(オーストリア)で開催された欧州血液学会で発表された。

急性骨髄性白血病(AML)は、成人の白血病の中で最もよく見られる病型の一つであり、全症例の約3分の1を占め、その5年生存率は約29%である。本試験の参加者は、FLT3-ITD陽性と呼ばれるタイプの急性骨髄性白血病であり、一般的に予後がより悪いとされている。

Erba医学博士は、「われわれは、この高リスク群の急性骨髄性白血病患者に焦点を当て、標準治療に加え非常に強力で高度な標的治療を追加することで、有意な生存利益を得ました」と述べている。

本試験では、FLT3-ITD変異を有する急性骨髄性白血病患者539人が登録され、化学療法とともに本試験薬またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた。患者は18歳から75歳であった。

寛解導入療法後の骨髄検査で急性骨髄性白血病の残存が認められた場合は、2サイクル目の化学療法が行われた。完全寛解または血球数の回復が不完全な完全寛解に至った患者には、キザルチニブまたはプラセボを併用した高用量Ara-Cという標準化学療法を最大4サイクル行い、その後キザルチニブまたはプラセボ単独で最大3年の継続療法を実施した。また、寛解に至った患者には骨髄移植を行うこともあった。

この経口剤は、本試験に資金を提供した第一三共株式会社が製造している。

Erba医学博士は、「特に予後が不良なこのタイプの急性骨髄性白血病患者にとって、今回の知見は心強いものです」という。「重要なことに、この治療にはおおむね良好な忍容性があることもデータが示しています」。

Erba医学博士とドイツのRichard Schlenk氏は、国際試験運営委員会の共同委員長を務めた。共同著者は、以下の運営委員会メンバー、本試験の治験医師、または本試験の資金提供者である第一三共の従業員らである。Pau Montesinos、Radovan Vrhovac、Elzbieta Patkowska、Hee-Je Kim Pavel Zak, Po-Nan Wang, Tsvetomir Mitov, James Hanyok, Li Liu, Aziz Benzohra, Arnaud Lesegretain, Jorge Cortes, Alexander Perl, Mikkael Sekeres, Hervé Dombret, Sergio Amadori, Jianxiang Wang, and Mark Levis

 

日本語記事監修:喜安純一(血液内科・血液病理/飯塚病院 血液内科)

翻訳担当者奥山浩子

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