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コロナ最新研究:mRNAワクチンは免疫防御能を持続させる/コロナに有効な抗がん剤 ほか

本記事では、COVID-19に関する最近の研究を紹介する。これらの研究には、研究結果を裏づけるためにさらなる研究が必要なものや、専門家による査読をまだ受けていないものもある。

抗体が減少しても他の免疫防御能は持続

なぜファイザー/BioNTech社およびモデルナ社のmRNAワクチンは、感染予防に対して以上に、入院や死亡の回避に有効であるかが、新たな研究によって明らかになるかもしれない。ワクチン接種が完了した成人61人の血液サンプルを試験管で実験したところ、ワクチンによって作られた、ウイルスを直ちに中和できる抗体が6カ月後には減少していたことが明らかになった。しかし、後にウイルスと遭遇したときに新たな抗体を産生する、いわゆる記憶B細胞は増加しており、ウイルスの変異株を認識する能力が高くなっていたことが、月曜日にbioRxiv誌 (https://bit.ly/3zoCSAY) に掲載された査読前論文で明らかになった。研究リーダーであるペンシルバニア大学ペレルマン医学部のJohn Wherry氏は「免疫系にはバックアップがある」と述べている。B細胞による抗体の産生が始まるまでには数日かかるかもしれないが、その後、記憶B細胞が「活性化して疾患の重症化を防ぐ」という。

パンデミック期に特定のがん治療が有効であるという初期データ

特定の抗がん剤によって悪性腫瘍患者の新型コロナウイルス感染を防げる可能性が、予備試験から示唆されている。その薬剤はmTOR/PI3K阻害薬や代謝拮抗薬と呼ばれるもので、ウイルスが侵入して自己複製する際に利用する細胞の一部を標的とする。標的としては、細胞表面にあるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)と呼ばれる「入口」タンパク質がある。がん患者1,701人を対象とした研究では、潜在的な危険因子を考慮した上で、mTOR/PI3K阻害薬、またはACE2を減少させる代謝拮抗薬による治療を受けた患者は、他の薬物療法を受けた患者に比べて、ウイルス陽性となる割合が47%低かったことが明らかになった。木曜日にJAMA Oncology誌(https://bit.ly/38icqN6)に掲載された論文によると、イーライリリー社のジェムザール(一般名:ゲムシタビン)が特に有望とみられる。しかし、この研究はこれらの薬剤によって感染率が低下したことを証明しているわけではなく、がん患者をコロナウイルスから守る効果があるのかを確認するには、さらに多くの研究が必要である。

ワクチンを接種したLA在住者の4人に1人がCOVID発症

デルタ株が広がった2021年5月から7月にかけて、カリフォルニア州ロサンゼルス郡の在住者43,127人がSARS-CoV-2感染と診断された。ワクチン接種完了者は4人に1人だったが、これらの患者はワクチン未接種患者に比べて、入院(3.2%対7.6%)、集中治療(0.5%対1.5%)、呼吸補助器の必要性(0.2%対0.5%)の割合が低かった。この報告は公衆衛生局によるもので、火曜日に米国疾病管理予防センター(CDC)のMorbidity and Mortality Weekly Report (https://bit.ly/2XWWZIx) に掲載された。調査期間中、デルタ株の有病率は9%未満から87%以上に上昇したと著者は指摘している。7月25日の時点で、ワクチン未接種患者の入院率は29倍高かったことから、著者らは 「SARS-CoV-2デルタ株の流行が拡大している地域では、COVID-19ワクチン接種によってCOVID-19重症化が防げることを示しています」と推測した。

開発中のワクチンに関する、ロイターが作成した画像はこちら(https://tmsnrt.rs/3c7R3Bl)。

翻訳錦織大介

監修高光恵美(生化学、遺伝子解析)

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