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ペルツズマブとトラスツズマブ併用はHER2陽性胆道がんに有望

ペルツズマブ(販売名:パージェタ)とトラスツズマブ(販売名:ハーセプチン)による二剤併用抗HER2療法は、一部のHER2陽性進行性胆道がん患者で忍容性が高く有望な結果が得られることが、MyPathway試験のデータ解析により明らかとなった。

ヒューストンにあるテキサス大学MDアンダーソンがんセンター所属のMilind Javle医師は、ロイター ヘルスとのメールで、「HER2/neu遺伝子変異は、胆嚢がんの15%、胆管がんの5~10%にみられます。これらの変異はトラスツズマブとペルツズマブの重要な標的となりえます。胆道がんにおけるプレシジョン・オンコロジー(高精度ながん治療)の新たな成果です」と述べた。

Javle医師らは、現在進行中の非ランダム化、非盲検、第2a相マルチバスケット試験であるMyPathway試験の1群に割り付けられた患者のデータを調査した。

39人の患者の転帰が評価された。患者は、HER2陽性転移性胆道がんに対して、試験治療前に中央値で二次治療まで、最大で四次治療まで受けており、満足のいく治療の選択肢は他になかった。

患者には、ペルツズマブを840 mg(負荷投与)、その後3週間ごとに420 mg、およびトラスツズマブを8 mg/kg(負荷投与)、その後3週間ごとに6 mg/kgで静脈内投与した。Lancet Oncology誌掲載の報告によると、フォローアップ期間の中央値は8.1カ月であった。

RECIST(固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン)バージョン1.1に準拠して評価した結果、9人の患者が部分奏効を達成し、奏効率は23%であった。病勢コントロールは51%の患者で達成され、無増悪生存期間の中央値は4カ月であった。

また一方、6人の患者は無増悪生存期間が1年以上であった。研究者らは、「全体として、これらのデータは、二次化学療法レジメンで報告された転帰と比較して良好です」と述べている。

治療中に発現したグレード3~4の有害事象は、18人の患者(46%)にみられた。 最も多かったのは、アラニンアミノトランスフェラーゼおよびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの上昇であった。10人(26%)の患者に、治療中に発現した重篤な有害事象がみられた。

治療関連の心臓有害事象、グレード4-5または重篤な有害事象は認められなかったため、このアプローチは 「従来の細胞障害性薬による治療に比べて良好な忍容性を示した 」と研究者らは指摘している。

研究チームは、今回のデータによって、「二次治療以降の治療オプションとしてペルツズマブとトラスツズマブの併用療法の検討が支持され、このような疾患状況での本治療法や他のHER2標的レジメンの有効性をさらに検討するためにランダム化臨床試験が実施されていくでしょう」と結論づけている。

MyPathway試験は、F Hoffmann-La Roche-Gentech社から資金提供を受けた。また、同社は本論文の執筆にも資金提供した。

出典: https://bit.ly/3xwnSiA Lancet Oncology誌 オンライン版 2021年7月30日

翻訳錦織大介

監修斎藤千恵子(毒性学/ロズウェルパ―クがん研究所 病理学部)

原文掲載日

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