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副作用に弱い高齢卵巣がん患者へのカルボプラチン単剤療法は、従来の2剤併用療法に劣る

新たに卵巣がんと診断された副作用に弱い高齢者において、カルボプラチン単剤療法は従来のカルボプラチン+パクリタキセル2剤併用療法に比べて治療効果が著しく劣ることが、数カ国でのランダム化比較臨床試験で明らかになった。

JAMA Oncology誌のオンライン版に掲載された論文によると、フランスのCentre Hospitalier Lyon SudのClaire Falandry博士のチームは、単剤療法により無増悪生存期間および全生存期間が有意に短くなったため、試験を早期に終了したと、述べている。

はじめに、この試験チームは、毒性を減弱した化学療法に適した患者の選択において治療影響からの回復能力が判断材料になるとの示唆に基づいて、年齢中央値が80歳で、Geriatric Vulnerability Score(高齢者脆弱性スコア)が3以上の女性120人を試験に登録した。患者は、カルボプラチン単剤療法、または従来の3週間あるいは1週間ごとのカルボプラチン+パクリタキセル2剤併用療法に無作為に割り付けられた。

無増悪生存期間の中央値は、従来の3週間ごとの2剤併用療法群で12.5カ月、1週間ごとの2剤併用療法群で8.3カ月、カルボプラチン単剤療法群で4.8カ月であった。

試験が中止された時点で6サイクル完了していた患者の割合は、カルボプラチン単剤療法群で48%、3週間ごとの2剤併用療法群で65%、1週間ごとの2剤併用療法群で60%であった。6サイクル完了前に副作用のために治療を中止した患者の割合は、各群でほぼ同じであった。

治療に関連した死亡数は併用治療両群でそれぞれ3人(5%)であったが、治療に関連した有害事象は、標準的な3週間ごとの併用療法群(43%)が、カルボプラチン単剤療法群および1週間ごとの併用療法群(いずれも58%)よりも少なかった。

「治療からの回復能力に乏しい患者にはカルボプラチン単剤療法を検討するという現在の臨床現場の状況に反して、これらの結果は、新たに卵巣がんと診断された、副作用に弱い高齢女性患者であっても、カルボプラチン+パクリタキセル併用療法を提供すべきであることを示唆しています 」と、研究者チームは結論づけている。

ジョンズホプキンス医科大学(メリーランド州ボルチモア)のDeborah K. Armstrong博士のチームは、付随論説の中で、方法論的な問題は別として、「(本試験は、)高齢で副作用に弱い患者は卵巣がんに対する標準的な併用化学療法に忍容性がないという従来の認識に疑問を投げかけています。従来の2剤併用療法は実施可能であるだけでなく、予後の改善にも関連しています」と述べている。

Armstrong博士にコメントを求めたが、回答はなかった。

原典:https://bit.ly/3dSzOVh 、https://bit.ly/3nrEbK7 2021年4月22日付JAMA Oncology誌オンライン版 

翻訳有田香名美

監修喜多川 亮(産婦人科/総合守谷第一病院 産婦人科)

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