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思春期および若年成人(AYA世代)のがん

目次           

・若年世代がんの種

・医師と病院を見つける

・治療の選択

・コーピングとサポート

・治療後のケア

・AYA世代を支援する組織         

[挿入:関連リンク:小児白血病治療が思春期・若年成人にも有効2019年2月

動画リンク:Fertility Issues for Adolescents and Young Adults with Cancer ]

若年世代がんの種類

米国では毎年約7万人の若年世代(15〜39歳)が新たにがんと診断されていて、米国でのがんと診断される全患者の約5%を占めています。0〜14歳でがんと診断される小児がん患者数の約6倍になります。

若年世代は、小児や高齢者よりも、ホジキンリンパ腫、精巣腫瘍、肉腫などの特定のがんを発症する可能性が高くなっています。しかし、特定のがん種の発症率は年齢によって異なることがわかっています。15歳から24歳の年齢群では、白血病、リンパ腫、精巣腫瘍、甲状腺がんが最も多くみらます。25〜39歳の間では、乳がんと黒色腫が最も多くみられます。

思春期および若年成人がんに、特異な遺伝子的および生物学的特徴がある可能性が、科学的に示唆されています。研究者は、若年性がんの生物学についてより理解を深め、有効な分子標的療法を特定できるよう取り組んでいます。

思春期および若年成人(AYA世代)にもっとも多くみられるがん種は以下のとおりです。

脳およびその他の中枢神経系腫瘍

乳がん

子宮頸がん

大腸がん

・胚細胞腫瘍 ・頭蓋外胚細胞腫瘍(小児)

       ・性腺外胚細胞腫瘍

白血病

肝臓がん

リンパ腫

黒色腫・皮膚がん

・肉腫

骨腫瘍

軟部肉腫

子宮肉腫

精巣腫瘍

甲状腺がん

がんは、AYA世代の疾病死因の第1位です。2011年には、事故、自殺、殺人に次いで、がんがAYA世代の多くの命を奪いました。

医師と病院を見つける

若年成人のがんはまれなので、罹患したがん種の治療を専門とする腫瘍医を見つけることが重要です。一部のがん種では、成人ではなく小児の治療レジメンで治療すると、若年成人の転帰が改善する可能性があることを研究は示唆しています。

脳腫瘍、白血病、骨肉腫、ユーイング肉腫などの小児および思春期によく発生するがんに罹患した若年世代の患者は、小児腫瘍医による治療を受けることもよくあります。多くの場合、これらの医師の多くは、小児腫瘍グループ (Children’s Oncology Group) に参加している病院と提携しています。

ただし、成人によくみられるがんを患う若年世代の患者は、NCI指定がんセンター、NCTN(NCI’s National Clinical Trials Network)またはNCORP (NCI Community Oncology Research Program) などの臨床研究ネットワークと提携する病院の腫瘍内科医によって治療されることも多くあります。

医師の探し方、およびセカンドオピニオンの受け方については、Finding Health Care Servicesを利用してください。診断や治療選択などについて、現在の担当医とは違う医師に求める「第2の意見」セカンドオピニオンは、複雑な医学的判断を行う必要がある場合、さまざまな治療選択肢がある場合、希少がんを患っている場合、罹患しているがん種を専門としない担当医より治療方針を提案された場合、同じがんを患う若年世代患者の治療経験が豊富ではない医師が担当医の場合、などに活用すると有効でしょう。

治療の選択肢

あなたの受ける治療は、がん種およびがんの進行状況(病期または悪性度)に基づいて決められます。年齢、全体的な健康状態、患者の希望などの要素も重要になります。

治療の選択肢には、臨床試験または標準治療の場合があります。

・標準治療(スタンダード・ケアとも言われる)は、特定のがん種に対して専門家が適切であると同意した治療法です。The A to Z List of Cancersから特定のがん種の治療に関する情報を検索できます。また、Types of Treatmentでは、化学療法、免疫療法、放射線療法、幹細胞移植、手術、分子標的治療などのついての治療に関する情報を提供しています。

・臨床試験または治験は、がんなどの疾患を治療する新しい方法を評価する、慎重に管理された試験です。臨床試験は、フェーズと呼ばれる一連の手順に沿って実施されます。各フェーズは、特定の医学的質問に答えることを目的としていて、新しい治療法が臨床試験で安全かつ効果的であることが示されると、標準治療になる可能性があります。臨床試験に関するよくある質問と答え、および臨床試験をがん種から検索できます。

治療の決定、特に臨床試験への参加を検討する際には、質問や懸念もあることでしょう。がん、臨床試験情報の入手や質問などについては、無料かつ内密に相談できる、がん情報サービス1-800-4-CANCER(1-800-422-6237)へお電話ください。

妊よう性温存オプション

治療があなたの妊よう性にどのように影響するかについて、医師と話をすることが大切です。治療を開始する前に、全ての妊よう性温存オプションについて理解し、生殖医療の専門家に相談しましょう。研究によると、医師と若年成人のがん患者との間の妊孕性温存について話し合われるようになってきましたが、依然として解決すべき課題があることがわかってきています。

MyOncofertility.orgLIVESTRONG Fertility などの組織も、若年成人や医療従事者に妊よう性温存のサポートとアドバイスを提供しています。 

コーピングとサポート

がんによって、あなたの経験していることが理解できないかもしれない、友人や家族から孤立してしまったように感じてしまうかもしれません。大人として、自立を始めたと思った矢先にそれがかなわなくなってしまったように感じるかもしれません。大学に入ったばかり、仕事を始めたばかり、または家族を持ったばかりかもしれません。多くの人が感情の激しい浮き沈みを経験します。がんは若い成人には比較的まれであるため、同じ年代のがん患者に出会うことはあまりないかもしれません。さらに、治療には自宅から遠く離れた入院が必要な場合があり、孤独に感じてしまうかもしれません。普通の生活を送りたいと願うため、がんの経験を健康な仲間には語らず、より孤独感を増すこともあるでしょう。

しかし、あなたは一人ではないのです。がんの治療は、がんという病気だけでなく精神的および心理的なニーズをサポートする専門家チームによって行われます。総合的なサポートプログラムを提供している病院もあります。サポートは、カウンセリング、若年世代がん患者にサービスを提供する組織が後援するリトリート、サポートグループなど、さまざまな形で提供されています。これらのサポートは、孤立感を和らげ、普通の感覚を取り戻すのに役に立ちます。

若いがん患者は、自らのがんの経験に基づいて知見を共有してくれる、他の若いがん患者とつながることが特に役に立つと述べています。

治療後

多くの若者にとって、治療の終了は嬉しい祝福するべきものですが、新たな試練をもたらすかもしれません。がんが再発するのではないか、治療後の生活に慣れることができるだろうかと心配になるかもしれません。がんの治療を終え、新しい生活に入り力を取り戻したと感じる若者がいる一方、調子が悪くなったと感じる若者もいます。ほとんどの若者は、治療後、新しい生活に慣れるのに思ったよりも時間がかかり、想像していたよりも困難だったと感じています‘。治療中に発生したほとんどの副作用は消えますが、倦怠感などの長期的な副作用はなくなるまで時間がかかる場合があます。その他の、晩期障害と呼ばれるこれらの副作用は、治療後数カ月または数年後になって発生しする場合もあります。

フォローアップ・ケアはすべてのがんサバイバーにとって重要ですが、若年成人には更に重要です。これらの定期的な検査によって、精神的に安定し、再発予防や治療を行うことが可能になります。治療を受けた病院でフォローアップ・ケアを受ける患者もいれば、晩期障害を診てくれる医療機関で専門医による診療を受ける患者もいるでしょう。どのようなフォローアップ・ケアを受けるべきか、そして受け入れをしている医療機関については、あなたの医療チームと相談してみてください。

医師と話し合うにあたって、2つの重要な文書があります。

・診断と治療に関する詳細な記録を含む治療サマリー。

・がん治療後に受ける心身のフォローアップ・ケアに対応する「がん治療後ケアプラン」または「フォローアップ・ケアプラン」。がん種と受けた治療によって、計画は通常個人ごとに異なります。

多くの若年成人がんサバイバーは、晩期障害のリスクを認識していない、または、過小評価していることが研究で明らかになってきています。サバイバーシップに関する問題、医師に尋ねたい質問については、follow-up medical care section(経過観察の医療ケア)を見てください。

AYA世代支援組織

ますます多くの組織が、AYA世代がん患者のニーズに応えています。一部の組織は、がんと向き合う、または同じ経験をした仲間とつながるよう支援しています。妊孕性やサバイバーシップなどのテーマに取り組んでいる組織もあります。また、NCIのリストから、精神的、生活、金銭面など幅広いOrganizations That Offer Support Services(サポートサービス提供機関)をNCIの組織リストより検索することもできます。あなたには一人ではないのです。

若年成人

ティーン・思春期

コーピング・サポート

妊孕性

サーバイバーシップ

翻訳為石万里子

監修吉原哲(血液内科・細胞治療/兵庫医科大学)

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原文掲載日

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