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Tagraxofusp、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍に対して奏効率90%

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの試験責任医師主導による非盲検、多施設共同第2相試験において、希少かつ非常に悪性度が高く、しばしば致死的な血液疾患である芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)の患者に対してtagraxofuspによる治療は奏効率が高かったことが報告された。この疾患には、承認されている治療が今のところ存在しない。

試験の結果は今週のNew England Journal of Medicine誌の電子版で発表された。本試験は芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)患者に特化した最大の前向き、多施設共同、多サイクル臨床試験であり、白血病科のNaveen Pemmaraju医師(准教授)、Hagop Kantarjian医師(科長)およびMarina Konopleva医師(医学博士、教授)の主導で実施された。

「芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)の成人患者では、治療歴の有無にかかわらずtagraxofuspは臨床的奏効が得られました」とPemmaraju医師は述べた。「初回治療患者での90%をはじめとして高い奏効率がみられました。これらの知見は、この疾患に対する治療がなかった患者に希望をもたらすものです」。

主要評価項目は患者の72%で達成され、奏効率は90%であった。これらの患者のうち45%が、続いて幹細胞移植を受けた。18カ月目の生存率は59%、24カ月目の生存率は52%であった。これまでに治療を受けていなかった患者では奏効率が67%、全生存率中央値は8.5カ月であった。

BPDCNはリンパ節や皮膚など複数の臓器に影響を及ぼし、しばしば白血病を呈したり急性白血病になったりする。これまで患者は診断後に化学療法を受けてきたが、予後は不良で奏効率は低い。治療には通常、他の血液腫瘍に対して承認された化学療法や幹細胞移植が行われる。しかし、患者の大多数は年齢中央値が68~72歳の高齢者であり、多くの患者は強化化学療法を受けることができず、はじめに化学療法を必要とする幹細胞移植を受けることができない。

年齢中央値70歳の患者47人が7施設での試験に登録され、再発/難治性の疾患に対する一次治療としてtagraxofuspを投与した。これらの患者のうち、32人が一次治療としてtagraxofuspを投与され、15人がこれまでの標準治療を受けた。追跡期間中央値は13.8カ月であり、治療は疾患の増悪または容認できない副作用が生じるまで継続された。主要評価項目は、治療歴のない患者の完全奏効と臨床的完全奏効の複合割合であった。副次的評価項目は奏効期間であった。

Tagraxofuspは、BPDCNや他の血液腫瘍で発現する細胞表面受容体CD-123を標的とする新規の分子標的治療薬である。本薬剤はまた、慢性骨髄単球性白血病(CMML)や骨髄線維症を有する患者などを対象とした他の臨床試験でも研究中である。Tagraxofuspは、成人患者および2歳以上の小児患者におけるBPDCN治療に対して米国食品医薬品局により12月に承認された。

薬剤の副作用には、アルブミン低値、肝酵素値上昇、および毛細血管漏出症候群と呼ばれる、ときに重篤になるものがある。安全性評価項目は、症状を早く特定し有害事象を減らすために設定された。

皮膚科のMadeleine Duvic医師も本試験に参加した。他の参加機関は以下のとおりである。Dana-Farber Cancer Institute; and Veristat, Boston; Stemline Therapeutics, New York; Moffitt Cancer Center, Tampa, Fla.; City of Hope National Medical Center, Duarte, Calif.; Ohio State University, Columbus; Winship Cancer Institute of Emory University, Atlanta; Duke University Medical Center, Durham, N.C.; Roswell Park Cancer Institute, Buffalo, N.Y.; S.C. Spence Consulting, Westwood, Mass.; and Boston University School of Medicine。

本試験はStemline Therapeutics社の助成を受けた。試験責任医師3人はStemline Therapeutics社から支援助成金および顧問料を受けた。

翻訳太田奈津美

監修野﨑健司(血液・腫瘍内科/大阪大学大学院医学系研究科 )

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