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AMN107(Tasigna、nilotinib)とBMS354825(Sprycel、dasatinib)/グリベックで反応の見られないCMLの患者にAMN107(nilotinib)で奏効

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グリベックで反応の見られないCMLの患者にAMN107(nilotinib)で奏効
2005/5/4

American Association of Cancer Research (AACR)の2005年の年次総会で最近発表された結果によれば、標的薬AMN107は、グリベック(imatinib mesylate)に反応しない慢性骨髄性白血病(CML)の患者に抗癌反応を示しました。

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慢性顆粒球性白血病とも呼ばれる慢性骨髄性白血病(CML)は白血球の癌です。年間およそ4,600人のアメリカ人がこの癌により影響を受けています。骨髄は、幹細胞と呼ばれる、初期の血液を形成する細胞を含んでいて、幹細胞は3つの血球タイプへ成長し、成熟します: 組織に酸素を運ぶ赤血球、 血液の凝固を助ける血小板、感染と戦う白血球です。CMLの場合には、多くの若い顆粒細胞(一種の白血球)が成熟せず、結果としてこれらの細胞の超過蓄積を起こしています。その後、これらの白血病細胞は、これらの部位に通常存在する他の血球の形成や機能を抑制し、骨髄と血液に群がります。さらに、白血病細胞は、体内でそれらの機能を適切に発揮できないので患者は感染に罹りやすくなります。

 

慢性骨髄性白血病は、慢性期から始まり、そのあいだは臨床的問題はほとんどありません。しかし、治療を怠っていると、慢性期は、急成長し悪性の癌による急性期へと進行します。これらの段階は移行期および急性転化期と呼ばれます。これらの急性期に入りかけている患者は、長期生存の見込みは少なくなります。これまでに、CMLの患者に対する唯一の治療は同種幹細胞移植でした。 しかし、副作用と同様に治療に関連した死亡数も、同種幹細胞移植を受けた患者においてかなり多くなりえます。したがって、研究者は、もっと問題なく許容される効果のある治療を探すことに専念してきました。

 

フイラデルフィア染色体陽性CMLは、フイラデルフィア染色体に関する遺伝子異常により癌細胞の成長が絶えず活性化されているCMLの殆どを占めています。

 

グリベックは生物学的薬剤で、この遺伝子の突然変異をもつ癌細胞に結合し、制御できない癌細胞の成長を遅くしたり止めたりします。 さらにグリベックは癌の成長や発現に関する数々の生物学的な経路で作用します。グリベックはCMLの成人や小児患者の治療のためにFDAによって承認され、標準治療オプションになりました。 不運にもグリベックで治療を受けた患者の少数は抗癌反応が見られず、研究者達はそんな患者のグループのため新しい薬剤を検討しています。

 

AMN107は、フイラデルフィア染色体陽性の患者と同じ変異を対象とする薬です;しかし、AMN107がその対象に結合する方法はグリベックとは異なります。 M.D.アンダーソンがんセンターからの研究者達は、CMLの患者によるAMN107を評価する臨床試験を最近始めました。この試みは進行中ですが、中間結果が示されました。この試験は、グリベックに反応しなかった100人の患者で行われ、AMN107により治療されました。 慢性期CMLの患者の90%以上、そして移行期又は、急性転化期のCMLの患者の70%以上は、彼らの血球レベルが正常に戻ったことを意味する血液学的寛解を見せました。 研究者は、AMN107がグリベックに反応しないCMLの患者に著しい抗癌作用をもたらすかもしれないと決断を下しました。 しかしながら、血液学的反応率が生存データにどのように影響を与えるか判断するために、長期の追跡経過が必要です。また、今後の臨床試験は臨床の設定におけるAMN107の潜在的な役割を決定するのに必要です。グリベックに応答していないCMLの患者はAMN107あるいは他の新しい治療方法を評価する臨床試験に参加するリスクとベネフィットに関し患者の医者と相談したいと思うかもしれません。 進行中の臨床試験に関し、国立癌研究所(cancer.gov)およびwww.cancerconsultants.comの2つの情報源があります。

 

Reference: Giles F, et al. AMN107 Rescues Gleevec-Resistant Patients in Clinical Trial Conducted by Researchers at UT M. D. Anderson. Proceedings from the 2005 annual meeting of the American Association of Cancer Research. Anaheim, CA. Presented Tuesday, April 19, 2005. Abstract #3971.

 

(HAJI 訳・平 栄(放射線腫瘍科) 監修)

 

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