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手術や放射線療法で転移が限定的な肺がん患者の生存期間が延長

新たな手法を試した初のランダム化比較試験で、全生存期間が2倍以上の41.2カ月に

MDアンダーソン ニュースリリース 2018年10月21日

一次治療として化学療法を行った後に進行を認めない4期肺がん患者にとって、転移巣を放射線または手術で取り除くことが生存期間を大幅に延長することになる。テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者が主導した研究がこのような結果を示した。

そのような地固め療法は、がんが原発臓器外に転移した後は意味をなさないと考えられることが多かった。この地固め療法の第2相臨床試験結果は、サンアントニオで開催されている第60回米国放射線腫瘍学会(ASTRO)で発表されている。

この臨床試験は、多くの後ろ向き研究や小規模な単群試験が効果の可能性を示唆したことからMDアンダーソンの研究者が設計し、遠隔転移を伴う非小細胞肺がん患者のうち転移巣が3つ以下の患者を対象とした。

一次治療として化学療法か標的療法を受けて進行が認められなかった患者が、手術か放射線療法単独、または、手術か放射線と化学療法の併用により転移巣を積極的に治療する群と、標準治療である化学療法か経緯観察を行う群に無作為に割り付けられた。

38.8カ月経過時点で追跡調査したところ、地固め治療を受けている患者の全生存期間中央値は41.2カ月であったのに対し、標準治療を受けている患者の全生存期間中央値は17カ月であった。

「この全生存期間の差は、無増悪生存期間が大幅に延長したこれまでの結果から予測された差を上回りました」とMDアンダーソンの放射線腫瘍学准教授で臨床試験責任医師であるDaniel Gomez医師は述べた。「41カ月というのは、転移したがん患者の一般的な生存期間よりも長いです」。

「この結果は、こういった患者に対して放射線や手術が効果的だということを強く示唆しています」とGomez医師は述べた。「しかし、この臨床試験については、とりわけ免疫療法が肺がんで用いられる前に開始されたことを鑑みて、当施設で実施中のLONESTAR試験のような複数のより大規模な臨床試験での検証が行われています」。

無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目として94人の患者を登録することを計画していた当初の試験は、中間解析で試験治療により有意な無増悪生存期間の延長が認められたことから 、49人の患者を登録した時点で早期中止となった。この結果は2016年に発表されたが、その時点で全生存期間の分析はできなかった。

このASTROでの発表は全生存期間を報告した初めての試験となった。また、他の結果についても最新の結果が発表された。無増悪生存期間は地固め群が14.2カ月以上を示していたのに対し、標準治療群では4.4カ月であり、試験治療による効果は最新の結果でもしっかりと認められた 。いずれの群においても、新たなグレード3以上の副作用は認められなかった。

本試験では、標準治療で進行した患者は地固め療法として手術または放射線を受けられるというクロスオーバーの許容が規定されていた。探索的分析は、クロスオーバーで地固め治療を受けた患者の生存期間が、全身療法のみを行った患者と比較して延長したことを示した。

「ここでの注意点は、進行時に地固め療法の適応と考えられる患者が半数に満たなかった ということです」とGomez医師は述べた。「しかし、これらの結果は、転移が限定的な場合、遅かれ早かれ放射線または手術をすることが有益かもしれないことも示しています」と語った。

米国国立がん研究所によると、2018年には234,030人が肺がんと診断され、全がんの約13.5%を占めると推定されている。また、肺がんによる死亡は154,050人で、がんによる死亡の約25.3%を占めると推定されている。肺がんは依然としてがんによる死亡原因の第一位である。非小細胞肺がんは症例の約85%を占める。

Gomez医師によると、肺がん患者の約半数が診断時には転移しており、診断時に転移巣が3つ以下の患者の割合はそのうちの20〜50%と見積もっているという。低く見積もったとしても、地固め療法は数万人の患者に適用できる可能性がある。

Gomez医師以外の研究者は以下のとおりである。
Chad Tang, M.D., of Radiation Oncology; Jianjun Zhang, M.D., Ph.D., George Blumenschein, M.D., Ferdinandos Skoulidis, M.D., Don Gibbons, M.D., Ph.D., Anne Tsao, M.D., and John Heymach, M.D., Ph.D., all of Thoracic/Head and Neck Medical Oncology; Mike Hernandez, Rong Ye and J. Jack Lee, Ph.D., of Biostatistics; Jose Karam, M.D., of Urology; Stephen Swisher, M.D., of Surgery; Boris Sepesi, M.D., of Thoracic Surgery; Ross Camidge, M.D., Ph.D., Robert Doebele, M.D., Ph.D., Laurie Gaspar, M.D., and Brian Kavanagh, M.D., of the University of Colorado School of Medicine; and David Palma, M.D., and Alexander Louie, M.D., of London Health Sciences Center, London, Ontario, Canada.

翻訳関口百合

監修田中文啓(呼吸器外科/産業医科大学)

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