[ 記事 ]

ISA101ワクチン+ニボルマブがHPV関連がんに奏効

免疫療法の併用療法が初期の単剤療法臨床試験と比較して高い奏効率を示す

MDアンダーソンがんセンターニュースリリース 2018年9月27日

第2相臨床試験において、腫瘍特異的ワクチン+免疫チェックポイント阻害剤の併用療法は、治癒不能なヒトパピローマウイルス(HPV)関連がん患者の3分の1で腫瘍を縮小させた。この臨床試験は、テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らが主導し、JAMA Oncology誌に発表した。

「この有望な奏効率は、過去の臨床試験におけるPD-1阻害剤単剤療法による奏効率の約2倍です。実際、こうした結果から、この併用療法に関するより大規模なランダム化臨床試験が実施されることになります」と試験責任医師であるBonnie Glisson医師(MDアンダーソンがんセンター胸部・頭頸部腫瘍内科教授兼アベル―ハンガー財団特別教授)は述べた。

「腫瘍上のHPV抗原に特異的なワクチンは、過去に強力な免疫応答を引き起こしたことがあるとはいえ、単独で抗腫瘍活性を示したことがありません」とGlisson医師は述べた。

「ワクチンは免疫系を活性化しますが、おそらく免疫抑制的腫瘍微小環境によりその効果が抑制されるのでしょう。PD-1の阻害がある免疫抑制機構に作用することで、ワクチンで活性化したT細胞ががんを攻撃できるのではと私たちは考えます」とGlisson医師は述べた。

Glisson医師らはISA101ワクチン(強力な発がん作用を有するHPV16型が産生する主要ペプチドを標的とする)+ニボルマブ(T細胞上のPD-1の活性化を阻害する免疫チェックポイント阻害剤)の併用療法を実施した。

再発HPV16型関連がん患者24人のうち、22人は中咽頭(喉の後部)がん患者、1人は子宮頸がん患者、1人は肛門がん患者であった。
 • 8人(33%)で抗腫瘍効果がみられ、そのうち2人は完全奏効を示した。8人はいずれも中咽頭がん患者であった。奏効期間中央値は10.3カ月であった。
 • 全生存期間中央値は17.5カ月、無増悪生存期間は2.7カ月、および参加患者の70%は12カ月まで生存した。
 • 抗腫瘍効果がみられた8人のうち5人では依然として効果が認められている。

「こうした患者にとっての17.5カ月という全生存期間中央値は有望なもので、PD-1阻害に対するISA101の関与を検証するランダム化臨床試験をさらに後押しします」とGlisson氏は述べた。

HPVはほぼ全ての子宮頸がん、ならびに大部分の中咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、外陰がん、および膣がんを引き起こす。その16型と18型はがんリスクを増加させる主要な遺伝子型である。16型と18型がこうしたがんを引き起こすことから、免疫療法は強力な治療法候補とされてきた。再発HPV関連がんに対するPD-1阻害剤単剤療法に関する過去の臨床試験3件における奏効率は16~22%であったことが指摘された。

患者2人でグレード3または4の副作用である血中酵素濃度上昇が認められた。これによりニボルマブ投与が中止された。「私たちはこの2つの治療法のそれぞれから予測された副作用を認めました。しかし、この併用療法による相乗的副作用の徴候がなかったことが励みになりました」とGlisson医師は述べた。

「私たちが合理的な免疫療法の併用療法を開発するにあたり、この知見は重要になります」とGlisson医師は述べた。この臨床試験は、ワクチン+PD-1阻害剤の併用療法に関する最初のものである。

子宮頸がんと中咽頭がんに対するワクチン+PD-1阻害剤の併用療法に関するランダム化臨床試験が計画中である。

「この単一群臨床試験はMDアンダーソンがんセンターによる研究者主導型試験でした」とGlisson医師は指摘した。

この臨床試験は、MDアンダーソンがんセンターのムーンショット計画™(科学的発見をがん患者の生命を救う臨床へ進展させる共同活動)と米国国立がん研究所からの支援助成金(P30 CA016672)による支援を受けた。Charles W. Stiefel夫妻とアベル―ハンガー財団特別教授職による慈善的支援も受けた。

ブリストル·マイヤーズスクイブ社はニボルマブを、ISA Pharmaceuticals社はISA101ワクチンを提供した。

Glisson氏の共著者は以下のとおりである。Erminia Massarelli, M.D., of City of Hope National Medical Center, Duarte, Calif.; William, M.D., Faye Johnson, M.D., Ph.D., Merrill Kies, M.D., Renata Ferrarotto, M.D., and Hai Tran, PharmD., of MD Anderson Thoracic/Head and Neck Medical Oncology; Ming Guo, M.D., of Pathology; Lei Feng and J. Jack Lee, Ph.D., of Biostatistics; Young Uk Kim, Ph.D., and Chantale Bernatchez, Ph.D., of Melanoma Medical Oncology; Cara Haymaker, Ph.D., Tomas Zecchini Barrese, M.D., Jaime Rodriguez Canales, M.D., and Ignacio Wistuba, M.D., of Translational Molecular Pathology; Michael Curran, Ph.D., of Immunology; Lerong Li and Jing Wang, Ph.D., of Bioinformatics and Computational Biology; and Sjoerd H. van der Burg, Ph.D., and Cornelis Melief, Ph.D., of Leiden University Medical Center, Leiden, the Netherlands. Melief氏はISA Pharmaceuticals社社員でもある。

翻訳渡邊岳

監修小宮武文(腫瘍内科/トゥーレーン大学)

原文を見る

原文掲載日

【免責事項】

当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。
翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

関連記事