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トリフルリジン+ティピラシルは既治療の転移性胃がん患者に有効

TAGS研究では全生存期間の中央値が2カ月延長

少なくとも2種類の化学療法による前治療を受けた転移性胃がん患者を対象に、トリフルリジン+ティピラシル+ベストサポーティブケア(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較する第3相試験が行われ延命効果が示された。トリフルリジン+ティピラシルが多くの前治療を受けた患者に対し、効果的な治療の選択肢であることが明らかとなった。TAGS研究(LBA-002)の結果は20回記念ESMO世界消化器がん学会 (2018年6月20~23日、スペインバルセロナ)で発表された。

 

トリフルリジン+ティピラシルは経口の配合剤であるが、最近、難治性の転移大腸がん患者の治療薬として承認された。またトリフルリジン+ティピラシルは日本の薬剤抵抗性胃がん患者対象の第2相試験で有望な臨床効果を示した。これらの結果により、TAGS研究者らは多くの前治療を受けた転移性胃がんに対するトリフルリジン+ティピラシルの効果と安全性を評価するNCT02500043研究を、早急に始めることになった。

 

TAGS研究は、18歳以上で組織学的に確認されておりかつ切除不能で転移のある胃がん(胃食道接合部を含む)患者が登録している国際共同第3相試験である。患者には良好なECOG PS(*パフォーマンスステータス、患者の全身状態を表す)が求められた。また患者はフルオロピリミジン、白金製剤、タキサンあるいはイリノテカン含有の治療法など、少なくとも2療法の化学療法による前治療を受けていた。

 

まず患者をトリフルリジン+ティピラシル(各28日サイクルの1~5日目および8~12日目に35 mg/m2を1日2回)とBSC群、およびプラセボとBSC群に2:1の割合でランダム化した。さらに患者らを地域(日本と他諸国)、ECOG PS(0と1)、ラムシルマブによる前治療の有無によって層別化した。

 

研究チームは2016年2月から2018年1月の間、507人の患者をトリフルリジン+ティピラシル投与群(337例)とプラセボ群(170例)にランダムに割り付けた。患者および特性の基本特性は投与群間で均等であり、すべての患者が白金製剤、イリノテカンとタキサンのいずれかあるいは両方を、そして1例を除きフルオロピリミジンを投与されていた。

 

データ中断時点の2018年3月31日、全生存期間(OS)の中央値は、トリフルリジン+ティピラシル投与群が5.7カ月、プラセボ群が3.6カ月であり、ハザード比(HR)は0.69(95%信頼区間0.56、0.85片側 p = 0.0003)だった。また12カ月全生存率はトリフルリジン+ティピラシル投与群が21.2%、プラセボ群が13.0%だった。

 

無増悪生存期間(PFS)はトリフルリジン+ティピラシル投与群が2.0カ月、プラセボ群が1.8カ月(HR 0.57; 95% CI 0.47, 0.70; 両側p < 0.0001)。4および6カ月PFS率はトリフルリジン+ティピラシル投与群がそれぞれ26.8%、14.6%に対し、プラセボ群がそれぞれ7.7%、6.4%であった。

 

トリフルリジン+ティピラシル投与群の79.4%(335人中266人)およびプラセボ群の57.7%(168人中97人)にグレード 3以上の有害事象が発生した。トリフルリジン+ティピラシル投与群で認められたグレード3あるいは4の血液学的副作用は好中球減少(38.1%)、白血球減少(21.0%)、貧血(18.6%)、リンパ球減少(18.9%)であった。トリフルリジン+ティピラシルで治療し、グレード3あるいは4の好中球減少を認めた患者の38.1%のうち1.8%が熱性好中球減少を示した(グレード3以上)。新たな安全性のシグナルは認められなかった。

 

研究チームは、OS中央値が2.1カ月改善したことにより死亡リスクが31%低下し延命効果が得られたことは、トリフルリジン+ティピラシルは多くの前治療を受けた転移性胃がん患者にとって効果的な治療の選択肢であることを証明していると結論した。

 

参考文献

翻訳白鳥理枝

監修野長瀬祥兼(腫瘍内科/近畿大学医学部附属病院)

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原文掲載日

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