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乳がん検診推奨グレード(USPSTF)[2016年1月最新版]

* 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)の独立委員会で、検診や予防医療の研究レビューを行って米国政府の推奨グレードを作成します。

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乳がん検診推奨の概要 2016年1月最終更新版    

対象 推奨事項

グレード
推奨グレードの定義 参照)

50~74歳の女性 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、50~74歳の女性に対して、マンモグラフィによる乳がん検診を2年に1回受診することを推奨する。 B
40~49歳の女性

50歳未満の女性がマンモグラフィによる乳がん検診を開始するかどうかは、個人の判断に基づくべきである。見込まれる不利益よりも見込まれる利益を重視する女性は、40~49歳の間に2年に1回の検診を開始してもよい。

・乳がんリスクが平均的な女性では、マンモグラフィ検査による利益のほとんどは、50〜74歳の間に受ける2年に1回の検診から得られる。すべての年齢集団の中で、60~69歳の女性はマンモグラフィ検診によって乳がん死を回避できる可能性が最も高い。一方、40~49歳の女性はマンモグラフィ検診によって乳がん死のリスクが減る可能性はあるものの、回避できる死亡数は高齢女性の場合よりも少なく、しかも偽陽性結果とそれによって生じる不必要な生検の数はより多くなる。女性が40代前半から後半に移るにつれ、利益と不利益のバランスはおそらく改善していく。

・偽陽性結果および不必要な生検に加えて、定期的なマンモグラフィ検診を受けるすべての女性には、もし検診を受けなければ生涯を通じて健康を脅かすこともなく、または気づくことさえなかったであろう乳がん(「過剰診断」として知られている。非浸潤性および浸潤性を問わず)が診断され、治療されてしまうリスクがある。若年からのマンモグラフィ検診の開始およびより頻繁な検診は、過剰診断およびその後の過剰治療のリスクを増大させる可能性がある。

・親、兄弟姉妹、または子が乳がんである女性では乳がんリスクが高いため、40歳代からの検診開始によって平均的なリスクの女性よりも利益を得る可能性がある。

推奨グレード「C」の実施に関する情報は、「臨床的検討事項」の項を参照のこと。

C
75歳以上の女性 USPSTFは、75歳以上の女性においてマンモグラフィによる乳がん検診の利益と不利益のバランスを評価する上で、現在の証拠は不十分であると結論付けている。 I
すべての女性 USPSTFは、乳がんに対する一次検診の方法としての乳腺デジタルトモシンセシス検査(DBT)の利益と不利益を評価する上で、現在の証拠は不十分であると結論付けている。 I
高濃度乳腺を有する女性 USPSTFは、他の点ではマンモグラフィ検査陰性であるが高濃度乳腺を有することが判明した女性において、乳房超音波検査、MRI、乳腺トモシンセシス検査、また他の方法を補助的に用いた場合の利益と不利益のバランスを評価する上で、現在の証拠は不十分であると結論付けている。 I

上記の推奨は、次に述べる特徴を有する、症状のない40歳以上の女性を対象とする。乳がんを発症していない、または過去にリスクの高い乳線病変があるとの診断を受けてない女性。および既知の遺伝子変異(BRCA1もしくはBRCA2遺伝子変異、または他の家族性乳がん症候群など)、あるいは若年時の胸部への放射線照射歴を有するために乳がんリスクが高まっていない女性。

 

   *サイト注:参考「乳癌推奨グレード2009年版」はこちら

翻訳坂下美保子

監修斎藤 博(検診研究部/国立がん研究センタ−)

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原文掲載日

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