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ペムブロリズマブが膵神経内分泌腫瘍、カルチノイド腫瘍に有効

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ペムブロリズマブが膵神経内分泌腫瘍、カルチノイド腫瘍に有効

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)ESMO2017

多くの治療歴がある一部の患者で、ペムブロリズマブ単剤治療が臨床的効果

 

スペインのマドリッドで開かれた欧州臨床腫瘍学会年次大会ESMO 2017で報告されたKEYNOTE-028研究のカルチノイドおよびpNETコホートからのデータによると、ペムブロリズマブは、PD-L発現が認められた高悪性度の膵神経内分泌腫瘍(pNET)あるいはカルチノイド腫瘍を有する多くの治療歴がある患者に対して客観的奏効と病勢安定をもたらした。

 

PD-L1発現は、進行カルチノイド/神経内分泌腫瘍を有する患者において、より高い腫瘍悪性度に関係している。

 

第1相および開発治療プログラムの筆頭著者であるラトガースがん研究所(米国ニュージャージー州ニューブランズウィック市)のJanice M. Mehnert氏は、PD-L1陽性進行固形腫瘍を有する患者におけるペムブロリズマブの安全性と有効性を評価したマルチコホート第1b相 KEYNOTE-028研究(NCT02054806)のpNETとカルチノイドの各コホートから得られた結果を発表した。

 

PD-L1陽性カルチノイド腫瘍あるいは高分化あるいは中程度に分化したpNETを有する患者、標準治療が奏効しなかったECOG PSが1以下の患者が登録された。PD-L1の陽性基準は、QualTekを使った免疫組織化学的検査による修正割合スコアあるいはインターフェースパターンを1%以上とした。

 

ペムブロリズマブは、2年間、または進行、忍容できない毒性、あるいは同意の取り下げが確認されるまで、2週間ごとに10 mg/kgで投与された。治療効果は、最初の6カ月間は8週間ごとに、その後は12週間ごとに評価された。

 

主要評価項目は研究者レビューによるRECIST v1.1に基づくされる客観的奏効率(ORR)であった。

 

ほとんどの患者はペムブロリズマブで病勢安定を達成

 

PD-L1検出を評価可能な腫瘍サンプルでスクリーニングされた患者276人のうち、36%が陽性で、そのうち16人がpNETを有し、25人がカルチノイド腫瘍を有しており、腫瘍部位による内訳は、肺9人、消化管7人、その他9人であった。患者の年齢中央値は、pNETおよびカルチノイドコホートでそれぞれ61歳、63歳であった。pNET患者およびカルチノイド腫瘍患者のそれぞれ38%、76%はECOG PSが1であり、pNET患者およびカルチノイド腫瘍患者のそれぞれ50%、44%が、転移性疾患のために2種類以上の前治療を受けていた。

 

追跡期間中央値は、pNETコホートでは20.1(4.5から30.4)カ月で、カルチノイドコホートでは18.9(2.0から33.3)カ月であった。客観的奏効は、pNET患者1人(6%)(95%信頼区間[CI] 0%、30%)カルチノイド患者3人(12%)(95%CI 3%、31%)で確認された。

 

pNET患者14人(88%)およびカルチノイド腫瘍患者15人(60%)は、病勢安定(SD)を達成した。奏効した患者の奏効期間は、pNET患者1人では17.6カ月、肺カルチノイド、消化管、他部位の患者ではそれぞれ、6.9カ月、9.2カ月、11.1カ月であった。

 

pNET患者のうち、11人(69%)で治療関連有害事象(TRAEs)が報告され、pNET患者の38%で倦怠感、25%で下痢がみられた。カルチノイド腫瘍患者のうち17人(68%)でTRAEsが発生し、患者の28%で下痢、20%で倦怠感がみられた。

 

カルチノイド患者8人(32%)でグレード3以上のTRAEsが生じ、3人に下痢、2人にAST上昇、2人にALT上昇がみられた。

 

pNET患者においてグレード3以上のTRAEsは報告されなかった。

 

カルチノイドコホートにおいて、γグルタミン酸転移酵素が増加したグレード4の非治療関連有害事象1人、および治療に関連がない原因不明の死亡1人が報告された。

 

結論

本研究著者らのまとめによれば、ペムブロリズマブは、多くの治療歴があるカルチノイドあるいはpNET腫瘍患者において、概して忍容性良好であり、一部の患者において臨床的に意義のある抗腫瘍効果を示した。

 

試験結果について議論した、ロンドンおよび英国サリー州王立マーズデン病院の顧問腫瘍内科医Ian Chau医師は、神経内分泌腫瘍における新しい標的への移行は、臨床試験で有望な進展を示している。と述べた。今回の報告は、抗PD1抗体前向き試験の初めての結果である。Chau氏は、PD-L1 がNETsに対するペムブロリズマブ感受性を示す良いバイオマーカーになるどうかについては疑問が残る、とした。

 

開示

この研究は米国ニュージャージー州ケニルワースのMerck & Co., Inc社の支援を受けた。

原文掲載日

翻訳中野駿介

監修高濱隆幸(腫瘍内科/近畿大学医学部附属病院)

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