米FDAが1歳以上の神経線維腫症1型小児患者にセルメチニブを承認

米FDAが1歳以上の神経線維腫症1型小児患者にセルメチニブを承認

2025年9月10日、米国食品医薬品局(FDA)は、症状があり手術不能な叢状神経線維腫(PN)を伴う1歳以上の神経線維腫症1型(NF1)小児患者を対象に、セルメチニブ(販売名:KOSELUGO、AstraZeneca Pharmaceuticals LP社)の顆粒剤およびカプセル剤を承認した。FDAは既に、症状があり手術不能な叢状神経線維腫(PN)を伴う2歳以上の神経線維腫症1型小児患者を対象に、セルメチニブカプセル剤を承認している。
 
KOSELUGOの詳細な処方情報はこちらに掲載される。
 
この承認は、健康成人を対象とした相対バイオアベイラビリティ(BA)試験(試験89)において経口顆粒剤と既承認カプセル剤との間で十分なブリッジングが認められたこと、およびSPRINT第II相試験(カプセル剤、2歳以上)およびSPRINKLE試験(経口顆粒剤、1歳以上)において小児患者集団間の曝露量が一致したことに基づいている。製剤間の曝露量が類似していることは、2歳以上の小児患者から1歳以上の小児患者への有効性の外挿を裏付けている。
 
セルメチニブの処方情報には、心筋症、眼毒性、消化管毒性、皮膚毒性、クレアチンホスホキナーゼ上昇、ビタミンE濃度上昇および出血リスク上昇(KOSELUGOカプセル)、ならびに胚・胎児毒性に関する警告および注意事項が記載されている。警告および注意事項の発現率は、より多くの小児患者のデータを含めるように更新されたが、新たな安全性シグナルは認められなかった。
 
セルメチニブの推奨投与量は、体表面積に基づいて、病勢の進行または許容できない毒性が現れるまで、経口で1日2回25 mg/m2である。

  • 監修 中村泰大(皮膚悪性腫瘍/埼玉医科大学国際医療センター )
  • 記事担当者 仲里芳子
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  • 原文掲載日 2025/09/10

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