「ファースト・イン・ヒューマン」で注目のNCI免疫療法研究 | 海外がん医療情報リファレンス

「ファースト・イン・ヒューマン」で注目のNCI免疫療法研究

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

「ファースト・イン・ヒューマン」で注目のNCI免疫療法研究

米国国立がん研究所(NCI)ブログ~がん研究の動向~

近くディスカバリーチャンネル・スペシャルで放映される番組「ファースト・イン・ヒューマン」はNIHクリニカルセンターで行われているいくつかのがん免疫療法に関する画期的な研究を特集しており、われわれは非常に楽しみにしている。8月10、17、24日に放映される予定の3部構成のシリーズで、NCI研究者らとスタッフが主導する養子細胞移植(以下ACT)として知られる免疫細胞療法の臨床試験を紹介している。

 

免疫療法は、がん研究の最も刺激的な分野の1つであり、ここ数年の進歩はまさに注目に値する。米国食品医薬品局(FDA)は6種類の免疫チェックポイント阻害剤を承認し、ホジキンリンパ腫、肺がん、メラノーマをはじめとして、次々に適応を拡大している。さらに文字通り何百という臨床試験が現在行われており、新たなチェックポイント阻害剤の開発によりその数は拡大するであろう。

 

ACT療法も追いつき始めている。特にCAR-T細胞療法として知られる治療法である。実際に、FDAは異なる種類の血液がん患者を対象に2種類のCAR-T細胞治療薬を審査中であり、今年末までには承認される可能性が高い。

 

「ファースト・イン・ヒューマン」はNCIがん研究センター(CCR)の研究者らにより主導された初期段階の臨床試験を特集している。研究者は、メラノーマ患者に対する腫瘍浸潤T細胞療法の初の試験を実施したACT先駆者であるSteve Rosenberg医学博士、白血病患児を対象にCAR-T細胞療法の試験を主導しているTerry Fry医師、さらにCCRの研究者であるStephanie Goff医師、Jennifer Kanakry医師、Lauren Wood医師もいる。

 

NCIは長く免疫療法の動向の先頭に立ち、研究者らは免疫療法の可能性を押し広げ続けている。例えば次のようなものである。

 

・CCR外科のRosenberg博士らと実験的移植・免疫学科James Kochenderfer医師は、異なる数種のACTの開発と試験を行い、メラノーマやリンパ腫、肉腫などの進行がん患者に対する有望な結果をすでに報告している。

 

・CCR分子生物学研究室の Ira Pastan医師と Robert Kreitman医師は、免疫毒素の開発に貢献してきた。腫瘍細胞特異的な抗体と毒素を結合させたもので、いくつかは血液がんや膵臓がん患者を対象にした初期段階の臨床試験で使用されている。

 

・CCR腫瘍免疫学・生物学研究室のJeff Schlom博士とCCR尿生殖器悪性腫瘍科のJames Gulley医学博士は、前立腺がんおよび他のがん種に対するワクチン療法の先頭に立ってきた。これらのワクチンの1つは現在、進行期前立腺がん患者対象の第3相試験を含む数件の異なる臨床試験で使用されている。

 

・リンパ系腫瘍科Tom Waldmann医師は、サイトカインIL-15を共同発見し、この有望な免疫治療薬のヒトを対象とした最初の試験を主導した。

 

進行中の本研究に加え、NCIはCancer Moonshotの後援を受けてImmunotherapy Clinical Trials Networkを構築している。これは有望な免疫療法の臨床試験を調整し、優先順位の決定を支援する。NCIと全米のがんセンターの研究者らがこのネットワークに参加し、より多くの患者にとって免疫療法が治療の選択肢の1つになるように進歩をさらに加速させるはずである。

 

ACTに関してもっと知りたい人々に対して、NCIはこの刺激的な治療法を検討し解説する情報を提供している。

 

 

免疫細胞療法(日本語)

 

CAR-T細胞療法:がんを治療するように患者の免疫細胞を遺伝子操作すること(英語)

 

CAR-T細胞療法を多発性骨髄腫に拡大する(英語)

 

細胞免疫療法はヒトのがんに共通する突然変異を標的とする(英語)

 

がんコミュニティのすべての人々に、「ファースト・イン・ヒューマン」を見ることをお勧めする。そして、NCIの研究者とNIHクリニカルセンターで日々患者のケアに携わる医療スタッフにより行われている優れた仕事が及ぼす影響を確かめてほしい。

 

実現し始めたこれらの治療法を開発するための長年の努力を目撃することは有意義であり、番組を見てこの仕事が国中で認知され注目されるのは特に嬉しいことである。

 

原文掲載日

翻訳白鳥 理枝

監修野﨑健司(血液・腫瘍内科/大阪大学大学院医学系研究科 )

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  2. 2ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  3. 3BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  4. 4コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  5. 5若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  6. 6リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  7. 7乳がん検診におけるマンモグラフィの検査法を比較する新...
  8. 8治療が終了した後に-認知機能の変化
  9. 9アブラキサンは膵臓癌患者の生存を改善する
  10. 10免疫療法薬の併用はタイミングと順序が重要

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他