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ベバシズマブが化学療法との併用で進行乳癌の無進行生存期間を改善

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ベバシズマブが化学療法との併用で進行乳癌の無進行生存期間を改善

米国国立がん研究所(NCI)

Bevacizumab Combined With Chemotherapy Improves Progression-Free Survival for Patients With Advanced Breast Cancer(http://www.cancer.gov/newscenter/pressreleases/AvastinBreast)
(Posted: 04/14/2005、Updated: 06/16/2005)

 

前治療を受けていない再発性あるいは転移性の乳癌(乳房から体のほかの部分に広がった)患者に対する、大規模無作為化臨床試験からの予備結果は、標準的な治療に併せてベバシズマブ (アバスチン)を受けた患者はアバスチンなしの同治療を受けた患者より癌の無進行期間がより長いことを示した

 


この臨床試験はNIH(米国国立衛生研究所)の一部であるNCIの提供でEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)主導による研究者のネットワークによって行なわれた。アバスチンを製造しているカリフォルニア・南サンフランシスコのGenentech社はアバスチンの医学開発のためNCIと結んだ研究協力と開発の同意(CRADA)のもとアバスチンを提供した。

 

E2100(注1)として知られるこの試験を監督するデータモニター委員会は最近の中間分析が公開されることを推奨した。なぜならこの試験が無進行生存期間(患者が癌の悪化なしに生存した時間の長さ)の延長というプライマリーエンドポイントを満たしたからである。

 

予備結果は次のようなことを示唆している。この試験でパクリタキセル単剤からなる標準的な化学療法に併せてアバスチンを受けた患者はパクリタキセル単独化学療法の患者と比較して平均で約5ヵ月癌の悪化が遅かった。この違いは統計的に有意であった。この試験の詳しい結果は2005年5月16日ASCO年次総会で発表された。無進行生存期間が標準化学療法とアバスチンの組み合わせでは10.97ヵ月であるのに対して標準化学療法単独では6.11ヵ月であり、無進行生存期間の改善が49%である。奏効率では標準化学療法単独では14%に対して標準化学療法+アバスチンでは28%であった。

 

「この試験は乳癌患者で抗血管新生療法の効果を示した最初のものであり、転移性癌患者の治療における大きな進歩を示しています。」と臨床試験の委員長であるインディアナ州インディアナポリスのインディアナ大学医療センターのKathy D.Miller医学博士は語った。抗血管新生剤は血管新生阻害剤とも呼ばれ血管新生すなわち血管の形成を阻害する物質である。抗癌治療で血管新生阻害剤は癌周囲の組織から固い腫瘍までの血管の成長を妨げる。

 

「最近の臨床試験では抗血管新生剤が結腸や肺の癌で良好な結果を持つことが示されています」とNCIデイレクターのAndrew C. von Eschenbach医学博士は述べた。「この試験は再発性または転移性の乳癌患者が彼らの化学療法にアバスチンを加えたときコントロールした状態で癌とともに生存できる期間が延長したことを示しています。これは癌によって起こる苦しみと死を最終的に失くす過程での重要な一歩です」

 

再発または転移癌に対して全身的な化学療法を受けていない再発性又は転移性の乳癌患者合計722例が2001年12月から2004年5月までの間にこの試験に登録された。患者は二つの治療群のどちらかに無作為に割り振られた。ひとつの患者グループはパクリタキセル単独の標準療法を受け、もうひとつのグループでは前者と同じパクリタキクセルの投薬にプラスしてアバスチンを加えた。

 

患者が以前にtrastuzumab(ハーセプチン)を受けているか、trastuzumabを受けることが不可能であった場合を除き、腫瘍がHER-2を過剰発現している患者はこの試験から除外された。

 

また血液凝固の病歴があった患者、あるいは血液の抗凝固剤を受けている患者と同様12ヶ月以内にパクリタキセルによる予防的化学療法を受けた患者も除外された。この試験では重篤な出血や血液の凝固はまれであった。パクリタキセルとアバスチンの組み合わせを受けた患者はパクリタキセル単独の患者より神経障害つまり末梢神経(脳と脊髄を除いた神経組織のどこか)機能障害や異常な高血圧、蛋白尿つまり尿中に異常な量の蛋白を含んだ状態、がやや多かった。他の副作用は二つの治療グループで同様であった。

 

すでに化学療法との組み合わせで転移性直腸結腸癌の治療に承認されているヒト化モノクロナール抗体(注2)のアバスチンは、血管内皮成長因子(VEGF)に結合して抑制するようにデザインされている。VEGFは腫瘍の血管新生で非常に重要な役割を持つたんぱく質である。

 

「進行癌に対する化学療法の前治療を受けた患者を対象に、企業が出資した以前の試験でカペシタビン(異なる化学療法薬剤)との併用でアバスチンの効果が示されなかったことは注目するべきです」とNCIの癌治療評価プログラムで乳癌試験の長であるJoAnne Zujewski 医学博士は述べた。「NCIが支援する複数のほかの臨床試験協力団体に支えられるECOGが、新たに診断された進行乳癌患者でこの試験を粘り強く続けたことは、この条件でこの薬剤が明らかに有効であったのですから幸運です」

 

2005年に米国で211,240人の女性が乳癌と診断されると推定される。乳癌は女性ではもっとも一般的に診断される癌でこの国の女性が癌に起因する死因の中で2番目に多い。米国で2005年に40,110人が乳癌で死ぬと試算されている。国内の女性で癌に関係した死因の15%に当たる。

 


注1)E2100:局所的に再発または転移した乳癌でファーストライン治療としてパクリタキセル対パクリタキセル+アバスチンの無作為化されたⅡ相/Ⅲ相比較試験。

注2)モノクロナール抗体は研究室で生産された物質で体の中に存在する特定の物質を探し出し結合することができる。「ヒト化」モノクロナール抗体は患者自身の免疫系によって破壊されることを避けるために人間の抗体の中にあるのと同じ配列を含む。

 

(内村美里人 訳・Dr.榎本 裕(泌尿器科) 監修)

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