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成人AMLの診断・治療に関する新たな推奨―欧州白血病Net

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成人AMLの診断・治療に関する新たな推奨―欧州白血病Net

オハイオ州立大学

・急性骨髄性白血病(AML)に関する研究の進展を背景に、成人AMLの診断・治療に関する新たな推奨が提唱されている。
・これらの推奨は欧州白血病Net( European LeukemiaNet:ELN)が発表した。
・これらの推奨はELNが2010年に発表した推奨に置き替わる。
 
 
 
成人の急性骨髄性白血病(AML)の診断・治療に関し、専門家からなる国際委員会はエビデンスおよび専門家の意見に基づいた最新の推奨を発表した。
 
 
 
これらの推奨はEuropean LeukemiaNet (ELN)が発表し、学術誌Bloodに掲載された。この論文の統括著者は、オハイオ州立大学のがん研究者・顧問、およびWilliam Greenville Pace IIIによる寄付基金教授(がん研究)である特別大学教授のClara D. Bloomfield医師であった。
 
 
 
「これらのガイドラインは、AML治療、臨床試験の設計、およびAML患者の転帰予測に対し広く用いられている現行の推奨に関する重要な更新となります」と委員会の共同司会者である同医師は述べる。「これらのガイドラインは、新たな標準治療となり、AML患者の治療および臨床試験の設計に関し、ELNが2010年に発表した推奨に取って代わります」。
 
 
 
アメリカがん協会(ACS)によると、1年あたり米国人21,400人が成人AMLを発症し、そのうち10,600人が死亡すると推定される。
 
 
 
この最新の推奨には、改訂版ELN遺伝子分類、微小残存病変の状態に基づいた奏効カテゴリーの提案、および臨床試験用の病勢進行カテゴリーの提案が含まれる。
 
 
 
これらの推奨には、新規改訂された 骨髄系腫瘍と急性白血病における世界保健機構(WHO)分類を組み入れている。また、これらの推奨は学術誌Bloodに掲載された。
 
 
 
ELN推奨の更新は、AMLの分子的原因・ゲノム的原因に関する新たな見識、新規遺伝子検査法および微小残存病変を検出するための新規検査法、ならびに新規抗白血病薬の開発を背景として行われた、と同医師は述べた。
 
 
 
これらの新ガイドラインを作成した委員会には、一般に認められたAMLに関する臨床専門知識および研究専門知識を有する国際的メンバーが22人参加していた。同医師は、最新のELN推奨での特に重要な次の3点の変化について指摘する。
 
 
 
・遺伝的リスクカテゴリーは4カテゴリーでなく、現在は3カテゴリーとなっており、また、FLT3-ITD遺伝子変異がリスクマーカーとして加えられた点。
 
・「微小残存病変の所見が認められない完全寛解」が新たな奏効カテゴリーとして提唱されている点。この新カテゴリーは診断時に認められた遺伝子マーカーがもはや検出されないことを基準とする。「白血病が寛解したと言えるには、骨髄標本検査のみではもはや十分ではありません」と同氏は述べる。「遺伝子マーカーの消失も確認しなければならないのです」。
 
・「進行」は、臨床試験のみで用いられる暫定的な新規奏効カテゴリーであるという点。このカテゴリーの目的はさまざまな臨床試験において異なる定義で用いられる「進行」の定義を一致させることである。
 
本研究は、ドイツ研究振興協会、米国国立がん研究所(NCI)[grants CA180861、 CA016058]、およびそれ以外の数カ国の助成金から資金提供を受けた。
 
 
本研究に参加した他の研究者らは以下のとおり。Hartmut Döhner, University of Ulm, Ulm, Germany; Elihu Estey and Frederick R. Appelbaum, Fred Hutchinson Cancer Research Center; David Grimwade, King’s College London, UK; Sergio Amadori and Francesco Lo-Coco, Università di Roma “Tor Vergata,” Rome, Italy; Thomas Büchner, University of Münster, Münster, Germany; Hervé Dombret, Assistance Publique-Hôpitaux de Paris, Paris, France; Benjamin L. Ebert, Brigham and Women’s Hospital, Harvard Medical School; Pierre Fenaux, Hôpital Saint Louis, Paris, France; Richard A. Larson, University of Chicago; Ross L. Levine and Martin S. Tallman, Memorial Sloan Kettering Cancer Center; Tomoki Naoe, National Hospital Organization Nagoya Medical Center, Nagoya, Japan; Dietger Niederwieser, University of Leipzig, Leipzig, Germany; Gert J. Ossenkoppele, Vrije Universiteit University Medical Center, Amsterdam, The Netherlands; Miguel Sanz, University of Valencia, Valencia, Spain; Jorge Sierra,  Autonomus University of Barcelona, Spain; Hwei-Fang Tien, National Taiwan University Hospital, Taipei, Taiwan; Andrew H. Wei, The Alfred Hospital and Monash University, Melbourne, Australia; and Bob Löwenberg, Erasmus University Medical Center, Rotterdam, The Netherlands.

原文掲載日

翻訳三浦 恵子

監修林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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