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EltronbopagのFDA承認

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EltronbopagのFDA承認

商品名:Promacta™

・慢性免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病患者の血小板減少症の治療について承認

販売制限プログラム「Promacta Cares」の詳細、臨床試験情報、安全性、投与量、薬物相互作用、禁忌などの全処方情報が参照できます。

2008年11月20日、米国食品医薬品局(FDA)はエルトロンボパグの錠剤(グラクソ・スミスクライン社製Promacta™)を、コルチコステロイド、免疫グロブリンまたは脾臓摘出術に対する反応が不十分な慢性免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病(ITP)患者の治療について承認しました。エルトロンボパグは、経口トロンボポエチン受容体作動薬で、骨髄内の巨核球を刺激して血小板を産生させます。この適応を裏付けるデータは、6週間以上投与を受けた患者に関する1件の対照臨床試験と、数ヶ月間投与した1件の単群応用試験から得られました。進行中および近頃終了した研究によって、エルトロンボパグの長期的な安全性と臨床的有用性が評価されます。

エルトロンボパグの安全性と有用性は、2件の二重盲検プラセボ対照臨床試験によって評価されましたが、これには少なくとも1度のITP治療歴があり、血小板数の基準値が30,000/mcL未満で脾臓摘出術が今後予定されている231人の成人慢性ITP患者が参加しました。片方の試験では、患者はプラセボ群または30、50、75mgのいずれかの量のエルトロンボパグ群に無作為に割り付けされました。もう片方の試験では、プラセボ群または50mgのエルトロンボパグ群に無作為に割り付けされました。エルトロンボパグとプラセボの錠剤は、6週間にわたって毎日投与されました。血小板数が200,000/mcLを超えた場合は、エルトロンボパグの投与は中止されました。投与中止後6週間は経過観察が行われました。

2件の試験における主要評価項目は「奏効率」で、血小板数の基準値から50,000/mcL以上増加した場合が定義とされました。50mgのエルトロンボパグ群の奏効率は、各試験で70%と59%だったのに比べ、プラセボ群の奏効率は11%と16%でした(各試験における治療差 p<0.01)。エルトロンボパグ奏効率は、脾臓摘出術歴の有無にかかわらず近似していました。全体で7人の患者(プラセボ群3人とエルトロンボパグ群4人)が、外科手術等により止血剤を投与されました。追加のITP療法はプラセボ群全員に必要でしたが、エルトロンボパグ群には不要でした。

エルトロンボパグは109人の患者を対象に非盲検の応用試験で投与されました。うち74人は最低3カ月、53人は最低6カ月、3人は最低1年の間、投与を受けました。血小板数の基準値の中央値は18,000/mcLでした。血小板数の中央値は経過観察3カ月、6カ月、9カ月後でそれぞれ74,000、67,000、95,000/mcLでした。

全体で313人の慢性ITP患者がエルトロンボパグを投与されました。臨床試験では、エルトロンボパグの肝毒性、中止後の血小板減少症の悪化(基準値と比較した場合)および出血のリスク、および白内障のリスクが確認されました。TPO受容体作動薬の潜在的なリスクには、長期的な治療における骨髄の網様体形成と骨髄線維症、および血小板の過度の増加による血栓症のリスクなどがあります。

肝毒性のリスクは、添付文書の囲み部分に警告されています。対照臨床試験では、エルトロンボパグ治療中に1人の患者の血清肝臓検査値がグレード4(NCIの有害事象に関する共通用語基準)の上昇を示した結果、基礎疾患の心肺疾患が悪化して死亡しました。プラセボ群では、グレード4の肝臓検査異常は発生しませんでした。全体の血清肝臓検査異常(主にグレード2またはそれ以下の重症度)は、エルトロンボパグ群の10%、プラセボ群の8%で報告されました。

対照臨床試験ではまた、エルトロンボパグ中止後の血小板減少症の悪化および出血のリスクが指摘されました。投与中止後、基準値を下回る血小板数の一過性減少が、エルトロンボパグ群の10%、プラセボ群の6%で確認されました。ITPの補助的投与を必要とする重篤な出血事象は、エルトロンボパグ中止後1ヶ月以内に3人の重症血小板減少性患者に発生しました。プラセボ群での報告はありませんでした。

対照臨床試験では、1日50mgのエルトロンボパグ群の5%およびプラセボ群の3%に白内障が発生または悪化しました。白内障は非臨床げっ歯類毒性試験でも確認されました。

プラセボ群に比べエルトロンボパグ群により頻繁に発生した最も一般的な有害事象は、悪心、嘔吐、月経過多、筋肉痛、錯感覚、白内障でした。これらの事象はエルトロンボパグ群の3~6%に発生し、軽度から中程度の重症度が一般的でした。

エルトロンボパグの推奨初期投与量は、ほとんどの患者の場合、1日1回50mgです。東アジア系の患者、または軽度から重度の肝機能障害を有する患者の初期投与量は1日1回25mgです。エルトロンボパグの投与量は、出血のリスクを軽減するため、血小板数が50,000/mcL以上に達するよう調整します。エルトロンボパグは血小板数を正常化させる目的で使用しないでください。PROMACTA CARESプログラムに参加している処方者のみがエルトロンボパグを処方できます。

 

この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

原文掲載日

翻訳横山加奈子

監修井上進常(小児腫瘍科/首都医校教員)

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