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Eribulin MesylateのFDA承認

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Eribulin MesylateのFDA承認

商品名:Halaven(ハラヴェン)

原文 2013/07/03更新

・アントラサイクリン系およびタキサン系抗癌剤を用いた少なくとも2種類の治療レジメンによる前治療歴のある転移性乳癌への治療用として承認。

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物相互作用および禁忌などの全処方情報は閲覧可能です。

2010年11月15日、FDAは、アジュバント設定、または転移設定で、アントラサイクリン系およびタキサン系抗癌剤による治療歴を有し、転移疾患の治療のため少なくとも2種類の化学療法レジメンを終了した転移性乳癌患者の治療薬としてEribulin mesylate (HalavenTM 注射剤、エーザイ(株)製)を承認しました。Halavenは、非タキサン系微小管ダイナミクス阻害剤であり、海洋生物クロイソカイメンから単離したハリコンドリンBの合成類縁化合物です。

承認は、国際多施設共同非盲検無作為化第3相臨床試験であるE7389-G000-305試験結果に基づいて行われました(EMBRACE試験)。本試験では、治験医師の選択による単剤療法施行群と比較して、Eribulin投与群のほうが、全生存期間を統計学的に有意に延長したことが明らかになりました。

E7389-G000-305試験において、転移性乳癌患者762人がEribulin投与群(508人)、治験医師の選択による単剤療法群(対照群、254人)に2:1の比率で無作為に割り付けられました。無作為化は、地理的地域、HER2/neuの状態、カペシタビンでの治療歴によって層別化されました。患者は転移性疾患の治療のため少なくとも2種類の化学療法レジメンを受け、最終化学療法終了後6カ月以内に疾患の進行が観察される必要がありました。患者は、アジュバント設定か転移設定のどちらかでアントラサイクリン系およびタキサン系抗癌剤ベースの化学療法による前治療歴がなくてはなりませんでした。

Eribulinは21日サイクルで、第1日目と8日目に1.4mg/m2の用量で、静脈内投与を行われましたが事前に定められた毒性により、投与間隔の延長および用量を減らすことがあります。対照群に用いられる薬剤としては、ビノレルビン(26%)、ゲムシタビン(18%)、カペシタビン(18%)、タキサン(16%)、アントラサイクリン(9%)、その他化学療法(10%)、ホルモン療法(3%)でした。

患者の背景およびベースライン時特性は治療群間で同様であり、年齢の中央値は55歳で範囲は27歳から85歳でした。患者の64%は、北米、西欧、オーストラリア、25%は東欧、ロシア、11%が南米および南アフリカで組み入れられました。患者の91%は、ベースライン時の全身状態の指標 (ECOG performance status)は、0または1でした。腫瘍の予後特性には、エストロゲン受容体(ER)状態(陽性:67%、陰性:28%)、プロゲステロン受容体(PR)状態(陽性:49%、陰性:39%)、HER2/neu受容体状態(陽性:16%、陰性:74%)、トリプルネガティブ状態(ER、PR、HER2/neu:19%)、内臓疾患のある人(82%)、骨疾患のある人(61%)、転移部位数(2箇所以上:50%)があります。これらの特性は、Eribulin投与群および対照群で同様であり、患者は両群とも、化学療法レジメンの前治療歴の中央値が4でした。

OSの統計学的に有意な延長が、Eribulinの投与群で観察されました。OSの中央値は、Eribulin投与群で13.1カ月(95%CI:11.8~14.3)であるのに対して、対照群では10.6カ月(95%CI:9.3~12.5)でした[HR 0.809(95%CI:0.660~0.991)、p=0.041]。Eribulin投与患者を、RECIST基準(固形癌治療効果判定基準)で評価した奏効率は、11%(95%CI:8.6%~14.3%)および効果持続期間の中央値は4.2カ月でした(95%CI:3.8~5.0カ月)。

Eribulin投与による高頻度に観察された副作用(少なくとも患者の25%)は、好中球減少症、貧血、無気力/疲労感、脱毛症、末梢神経障害、嘔気、便秘でした。Eribulin投与によるグレード3以上で高頻度に観察される副作用(5%以上)は、好中球減少症(57%)、無気力/疲労感(10%)、および末梢神経障害(8%)でした。この中で、重篤な副作用と高頻度に報告されたのは、発熱性好中球減少症(4%)および好中球減少症(2%)でした。Eribulinの投与中止に至った毒性で、最も高頻度なものは、末梢神経障害でした(5%)。

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舛田理恵 訳
原 文堅(化学療法科/四国がんセンター)監修
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この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

 

 

 

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