Entrectinibが、さまざまな進行または転移性固形がんに効果がある可能性―STARTRK-2試験経過報告/米国がん学会(AACR) | 海外がん医療情報リファレンス

Entrectinibが、さまざまな進行または転移性固形がんに効果がある可能性―STARTRK-2試験経過報告/米国がん学会(AACR)

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Entrectinibが、さまざまな進行または転移性固形がんに効果がある可能性―STARTRK-2試験経過報告/米国がん学会(AACR)

米国がん学会(AACR) プレスリリース

2016年4月16~20日開催の米国がん学会(AACR)年次総会で発表された2件の第1相臨床試験の結果を合わせて考えると、Trk、ROS1またはALK標的治療の治療歴のない、NTRK1/2/3、 ROS1または ALK遺伝子変異を有するさまざまなタイプのがん患者に対して、TrkA/B/C、ROS1およびALKのようなタンパク質を標的とした試験中の抗がん剤entrectinib[エントレクチニブ]の安全性、忍容性、臨床活動性の徴候が示された。

「NTRK1/2/3、ROS1およびALK遺伝子が関与する融合と呼ばれる変異が、さまざまなタイプのがんで検出されています。こうした融合により、これらの遺伝子によりコードされるTrkA/B/C、ROS1およびALKタンパクの活性が活発になるため、がん細胞の増殖、生存が促進されます」と、ニューヨークのスローンケタリング記念がんセンターにおいて、Developmental Therapeutics Clinic and the Thoracic Oncology Serviceの主治医補佐であり、STARTRK-1 およびSTARTRK-2の臨床試験責任医師を務めるAlexander Drilon医師は述べた。

「われわれのデータから、TrkA/B/C、ROS1およびALKの強力な経口阻害薬であるエントレクチニブが、NTRK1/2/3、ROS1またはALK遺伝子融合を有する種々の進行または転移性固形腫瘍患者に対して迅速かつ長期にわたり反応したことが示されています」とDrilon医師は続けて述べた。「こうした早期の結果が、より大規模な患者コホートで確認できるかを判断するべく、STARTRK-2と呼ばれる第2相臨床試験が継続中です」。

2015年9月、2件の第1相臨床試験であるSTARTRK-1およびALKA-372-001の初期結果が報告され、エントレクチニブの第2相試験の推奨用量として600mg、1日1回、経口投与が設定された。さらに、これらの2試験からのデータによると、第2相の適格者として定義されている以下の基準を満たした18人で72%の奏効率が示された:腫瘍におけるNTRK1/2/3、ROS1またはALK遺伝子融合が存在すること、TrkA/B/C、ROS1またはALK標的治療ならびに第2相の推奨用量以上の治療の治療歴がないこと。

研究者らは、現在、第2相の適格基準を満たした追加の患者に関するデータを更新するとともに、こうした患者の安全性データを更新し、報告している。11カ月の経過観察期間(中央値)後、反応のあった13人のうち11人が試験を継続中であり、うち1人は、ROS1遺伝子融合を有する非小細胞性肺がん(NSCLC)であったが、2年を超えて、完全奏効が維持されている。

反応のあった残りの12人は、エントレクチニブにより部分奏効を示した。こうした反応は、NTRK1/2/3遺伝子融合のあるNSCLC、大腸がんおよび唾液腺の乳腺相似分泌がん、ROS1遺伝子融合のあるNSCLC、ALK遺伝子融合のあるNSCLCおよび大腸がんなどのさまざまなタイプのがん患者でみられた。

Drilon医師の説明によると、研究者らに特に希望を与えたのは、脳転移を有する、NTRK1遺伝子融合のあるNSCLC患者1人が、全体では部分奏効を示したが、脳転移に対しては完全奏効を示したことだった。「これは注目に値することです。なぜなら、脳というのは、NSCLCの転移として比較的一般的な部位であり、他の治療では脳転移に対して同様の効果を上げることができないからです」。

「NTRK1/2/3遺伝子融合は、ある種のがんではまれにしかみられませんが、多くのがんでは一般的なものです。中間結果では、こうした遺伝子変異を持つ腫瘍がエントレクチニブに極めて感受性が高い可能性があることが示されました」。Drilon医師は付け加える。「われわれは、この結果をより多くの患者で検証する必要があります。しかし、患者とその担当医は、こうした遺伝子融合が患者の腫瘍に存在するか否かを判断するために包括的な遺伝子プロファイリングをもっと考慮に入れるべきです。もしこうした遺伝子融合があるのなら、エントレクチニブのようなTrk阻害薬による治療が大いに意義のある効果を上げる可能性が高いということです」。

本研究はIgnyta社により資金提供を受けている。Drilon医師は、Ignyta社から渡航費用や宿泊費用の補助、謝礼金を受け取っており、Ignyta社の広報としての役割も果たしている。

 

原文掲載日

翻訳原信田みを

監修東海林洋子(薬学博士)

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