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ASCO2016ハイライト演題―がん研究、および患者ケアの進歩に焦点

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ASCO2016ハイライト演題―がん研究、および患者ケアの進歩に焦点

米国臨床腫瘍学会(ASCO)

米国臨床腫瘍学会(ASCO)は、本日、2016年ASCO年次総会の公式報道向けプログラムを発表した。注目演題では、従来の治療をさらに患者に有益にする新規アプローチに加え、高精度医療(precision medicine:プレシジョン・メディシン)と免疫療法における進展に焦点を当てる。

 

6月3~7日にシカゴで開催される今年のASCO年次総会は、世界中から30,000人もの腫瘍専門家が参集する。2016年の年次総会のテーマは「叡智の集結:患者中心ケア・研究の未来」とし、さまざまな専門分野、がん腫、治療アプローチそしてビッグデータ技術の知識の融合が本領域の発展に必須であることを強調している。

 

ASCO年次総会では5,200以上の抄録が採用され、その大半は5月18日(水)、東部標準時間午後5:00(EDT)にabstracts.asco.orgで公開される。その中から特に重要な5つの抄録に注目するため、メディア向け公表禁止制限付き記者会見が先行して行われる。プレナリーの抄録を含むLate-Breaking Abstracts(最新演題の抄録、LBA)は、年次総会期間を通じてサイト上に公開される。

 

公表禁止制限付き記者会見―5月18日(水)、正午12:00(EDT)

本記者会見では年次総会で発表される研究トピックの分野を象徴するような演題に焦点を当てる。これらの演題は5月18日午後5:00(EDT)に公表が解禁される。

  • 転移性結腸直腸がん患者の転帰は発症部位が結腸の右側と左側で異なるかを分析した試験(抄録番号 3504)
  • PD-1阻害免疫療法剤pembrolizumab[ペムブロリズマブ]で治療した進行黒色腫(メラノーマ)患者を対象とした第1相大規模試験での3年生存率の結果(抄録番号 9503)
  • 第1相臨床試験における個別化治療戦略によるアウトカムを評価した大規模解析(抄録番号 11520)
  • 進行がん患者の緩和ケアの早期調整が家族介護者に有用かを評価した第3相ランダム化試験(抄録番号 10131)
  • 多発性骨髄腫に対して、標準的なupfront自家幹細胞移植と新規薬剤ボルテゾミブによる治療を比較した第3相試験(抄録番号 8000)

 

年次総会でサイト上に発表される研究

ASCOは毎日プレスカンファレンスを主催して、以下の研究領域における重要な進展に注目する。

 

従来の治療への新規アプローチに関する記者会見―6月3日(金)、午後1:00~2:00(中部夏時間、CDT)

この記者会見で発表される演題は午後1:00(CDT)に公表が解禁される。

  • HER-2陽性転移性乳がん女性におけるトラスツズマブのバイオシミラー(Myl-1401O)とトラスツズマブの安全性と有効性を比較した第3相試験(抄録番号 LBA503)
  • 希少悪性脳腫瘍である未分化神経膠芽腫患者における、テモゾロミドによる補助化学療法の第3相試験からの早期生存データ(抄録番号 LBA2000)
  • 従来の化学療法イリノテカンの代謝産物を含む、抗体薬物複合体IMMU-132の転移性トリプルネガティブ乳がんに対する治療を評価した第2相試験の結果(抄録番号 LBA509) 
  • 卵巣がんに対する術前補助化学療法および外科手術後の腹腔内化学療法(患者の腹部に投与する化学療法)と静脈内化学療法を比較した第2相ランダム化試験(抄録番号 LBA5503) 
  • 膵がん手術後の補助化学療法におけるゲムシタビンおよびカペシタビン併用療法とゲムシタビン単剤療法を比較した第3相試験からの知見(抄録番号 LBA4006)

 

高精度医療(Precision Medicine)に関する記者会見―6月4日(土)、午前8:00~9:00(CDT)

この記者会見で発表される演題は午前6:30(CDT)に公表が解禁される。

  • 進行がん患者15,000人から採取した血中循環腫瘍DNA(リキッドバイオプシー)の次世代シークエンシングの結果を、旧来の組織バイオプシーと比較した結果(抄録番号 LBA11501) 
  • 標準治療がない進行した治癒不能固形がんにおいて、選択標的治療を分子異常に適合させた第2相アンブレラ・バスケット試験からの知見(抄録番号 LBA11511)
  • 乳がんのゲノミクス科学研究を加速させるために生体試料と臨床データを集積する患者向けイニシアチブ(抄録番号 LBA1519)

 

プレナリーセッションの記者会見―6月5日(日)、午前8:00~9:00(CDT)

ASCOプレナリーセッションは最高の科学的功績を有し、患者ケアに多大な潜在的インパクトをもたらすと思われる演題を特集する。この記者会見で発表される演題は午前6:30(CDT)に公表が解禁される。

  • 早期ステージのホルモン受容体陽性乳がんの閉経女性を対象に、アロマターゼ阻害療法の10年までの延長治療について調査した第3相プラセボ対照試験(抄録番号 LBA1)。同試験で患者が報告したQOL(生活の質)アウトカムに関連する抄録からのデータ(抄録番号 LBA506)も本記者会見で発表される。 
  • 成人で最も多くみられる悪性脳腫瘍である神経膠芽腫の高齢患者に対して、テモゾロミドを短期間放射線療法に加えた第3相試験の結果(抄録番号 LBA2)
  • 高リスク神経芽腫の小児に対する地固め療法としての自家幹細胞移植について、連続2回(タンデム)と1回とを比較した第3相試験(抄録番号 LBA3) 
  • 再発または難治性の多発性骨髄種の治療として新規免疫療法daratumumab[ダラツムマブ]をボルテゾミブとデキサメタゾンに上乗せした第3相試験からの知見(抄録番号 LBA4)

 

免疫療法および腫瘍標的に関する記者会見―6月5日(日)、午前10:30~11:30(CDT)

この記者会見で発表される演題は午前6:30(CDT)に公表が解禁される。

  • 標準治療不忍容の、進行した膀胱がん患者の初回治療としてのPD-L1阻害薬atezolizumab[アテゾリズマブ]を検討した第2相試験の結果(抄録番号 LBA4500)
  • 進行した胃および胃食道接合部がんの初期治療として、画期的新薬(ファーストインクラス)抗claundin18.2抗体を化学療法と併用した第2相ランダム化試験(抄録番号 LBA4001)
  • 再発または難治性の小細胞肺がんの治療として、新規分子標的薬(抗DLL3抗体)と毒素との化合物である抗体薬物複合体rovalpituzumab tesirine[ロバルピツズマブ テシリン]の安全性と有効性を検討した第1/2相試験(抄録番号 LBA8505)

 

患者ケアの質および利用の改善に関する記者会見―6月6日(月)、午前8:00~9:00(CDT)

この記者会見で発表される演題は午前6:30(CDT)に公表が解禁される。

  • モバイルデバイスで利用しやすい、症状観察のためのウェブアプリケーションは肺がん患者の生存率を改善するかを調査した第3相試験(抄録番号 LBA9006)
  • 65歳未満の患者を対象とした、死亡前30日間に実施する積極的な医療ケアおよびホスピス利用に関する大規模解析(抄録番号 LBA10033)
  • BRCA変異を有する若年乳がんサバイバー間での乳がんおよび卵巣がんのリスク低減手術の実施における人種的な不均衡についての調査(抄録番号 LBA1504)
  • 世界中のがん治療薬価格に関する分析(抄録番号 LBA6500)

原文掲載日

翻訳大澤朋子

監修野長瀬祥兼(腫瘍内科/近畿大学医学部附属病院)

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