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終末期ケアの改善を研究者らが主張

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終末期ケアの改善を研究者らが主張

ダナファーバーがん研究所

 

本日発行のJAMA特別号に寄稿したダナファーバーがん研究所の3人の研究者は、末期患者がどのように、そしてどこで死を迎えるかについて、より大きな主導権を患者に与える政策と実際の運用について論証している。

 

終末期ケアについての家族の見解

ダナファーバーがん研究所スーザン・F・スミス女性がんセンターの公衆衛生学修士、研究者であり、婦人科腫瘍専門医であるAlexi Wright医師が行ったアウトカム研究では、進行肺がんと進行大腸がんで亡くなった高齢患者の家族を対象に、最愛の人への「優れた」終末期ケアと関連した要因は何か、聞き取り調査を実施した。

 

家族は以下のような場合、相対的に大きく、ケアが優れていると評価する傾向にあった。

 

・患者が、4日間以上ホスピスでのケアを受けた
(3日以下のホスピス・ケア、またはホスピスの利用なしとの比較)

・患者が、最期の30日間は集中治療室(ICU)に収容されなかった

・患者が、自宅やホスピス施設等の病院外の場所で死亡した

 

「私たちの研究結果は、アドバンスケア・プランニングの重要性を支持する力強い論拠となります」とWright医師は述べた。「患者が情報を持てば持つほど、死の近くにあって彼らの望む医療ケアを受けやすくなります。また、患者の死が、ケアの質に対する家族の感じ方に影響を及ぼします」。

 

Wright医師は、死が迫ってからではなく、早い段階から患者をホスピスに入院させ、最期の数週間、集中治療室への収容を避けるように努力すれば、終末期ケアの質が高くなるだろう、と報告した。

 

ホスピス利用の拡大

「メディケア(*米国の公的保険)患者をホスピスに入院させるのが難しいことが、ホスピスが十分に利用されない原因となっている」とダナファーバーがん研究所血液悪性腫瘍部会の腫瘍内科医であり、ポピュレーション・サイエンス・プログラム(Populations Sciences Program)のメンバーであるOreofe Odejide医師は述べた。

 

1982年に導入されたメディケア・ホスピス給付は、高齢者がホスピス・ケアを受けることを可能にしており、症状緩和、在宅ケア、介護者のサポートが提供されている。

 

しかし、ホスピス給付の規定のいくつかは、ホスピスが広く利用されることを妨げている、とOdejide医師はJAMAの「視点(Viewpoint)」欄で述べた。給付資格は余命6カ月以下の患者に限定され、給付は基礎疾患の治療を対象としていない。さらに、ホスピスにおいて患者の生活の質(QOL)を向上させうる治療があっても、日ごとの給付償還率が固定であることが原因で、多くのホスピスにとってこれらの治療を提供することが難しい。これらの規定は、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群などの血液がん患者の終末期ケアでとくに問題となっている、とOdejide医師は述べた。このような患者のホスピス利用率は、がん患者の中で最も低く、終末期での集中治療の割合が高い。

 

進行血液がん患者の苦痛や心痛は、赤血球輸血や血小板輸血などの処置で緩和することができる。しかし、大部分のホスピスでは、給付の償還についての規定により、このような治療を提供していない。

 

しかし、規定の変更が実現する可能性がある。2014年メディケアは、疾病に対して直接行うケア (disease-directed care)を患者が受けられる、実証プロジェクトを公表した。

 

「実証プロジェクトを行うホスピスの数は、30から141に拡大しており、今月から開始する。このような政策がいつまでも続くのであれば、医師がホスピスを推奨しやすく、また患者がホスピスでのケアを選択しやすくなるでしょう」とOdejide医師は述べた。

 

医師の助けによる死

医師幇助死(physician-assisted death)は多くの場合実際には行われないが、たとえ行われないとしても、合法的選択肢として末期患者が選択できるべきである、とダナファーバーがん研究所のサイコオンコロジー・緩和ケア科初代科長であるSusan Block医師と他の2人の著者は、「視点(Viewpoint)」論説欄に書いた。

 

終末期の患者は、「小さな自己防衛措置として」自らの身体と生をコントロールしたいと願っている、と著者らは書いている。このような患者は「バックアップ」プランがある場合、心の平和を得ることができる、と彼らは付け加えている。

 

「医師が医師幇助死を要求する患者を診察し、協力することに前向きである場合、より開かれて合法的なプロセスの下で、患者は多くの利益を感じることができる」と著者らは述べた。

 

オレゴン州では18年前から医師幇助死が合法であり(実際には500人の末期患者に1人の割合でのみ行われる)、5つの州で死を早める自己投与薬の提供が合法である。このようなケースで医師の役割が過度に強調されるのを避けるため、「死を早める」という用語を使用することが、批判的な意味合いが弱くなり望ましい、と著者らは提案している。

原文掲載日

翻訳中島 節

監修吉松由貴(呼吸器内科/淀川キリスト教病院)

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