すべての症候性真性赤血球増加症/多血症患者は、ルキソリチニブで症状緩和の可能性がある

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真性赤血球増加症/多血症(PV)患者は、倦怠感、掻痒(そうよう)感、寝汗、骨痛、発熱、意図しない体重減少などを特徴とする重い症状を経験し、生活の質が低下するものの、家族や医療介護者から正しく理解されていないことが多い。最近まで、PV患者の治療選択肢は瀉血とヒドロキシ尿素(HU)投与に限られていた。しかし、JAK2 阻害剤ルキソリチニブ(ジャカビ)の開発と承認により、多くの患者にみられるこれらの症状が効果的に軽減された。

ルキソリチニブは主として、これらの消耗性症状のうち3種類以上を有する重症PV患者の症状緩和に使用されてきた。今週、米国血液学会で発表された国際共同研究では、PVに伴う症状の多くは、臨床的特徴(HU使用歴、瀉血処置、脾腫)の数に関わらず常に重症であることが示された[1]。すなわち、HU使用歴、瀉血処置、脾腫の有無に関係なく、PV患者が苦しんでいる症状は相当なものであることが明らかになった。

PV患者におけるルキソリチニブ(JAK2 阻害剤INCB018424)の有効性と安全性を、最善の支持療法と比較した第3相前向きランダム化試験(RESPONSE)では、少なくとも3種類の消耗性症状を有するPV患者の症状をルキソリチニブが効果的に軽減し、ヘマトクリット値も抑えることがすでに示されている[2]。今回の研究は、1~2種類のみ症状を有するPV患者においてもルキソリチニブは症状を軽減する可能性があることを示唆している。

今回の研究では、研究施設や民間施設、政府医療機関に定期的に通院しており、特徴的な症状で苦しんでいるPV患者1,334人を国際的に集めた。患者の人口動態、検査データ、HU使用歴、瀉血実施の必要、脾腫の有無は徹底的に評価された。

研究によれば、PVの各特徴の存在は、それなりに重い症状とそれぞれ関連しており、他の特徴が加わると、それにつれて症状の重症度が増すことが明らかになった。以上の結果から、上記3種類の特徴が一つでもあるPV患者は、より積極的な治療により症状が緩和される可能性があるため、症状を抑える目的でルキソリチニブを使用することについて医師と話し合うべきである。

参考文献:
1. Geyer H, Scherber R, Kosiorek H, et al. Symptomatic profiles of patients with polycythemia vera: Implications of inadequately controlled disease. Journal of Clinical Oncology. Published online before print November 23, 2015, doi:10.1200/JCO.2015.62.9337
2. Vannucchi A, Kiladjian J, Grieshammer M, et al. Ruxolitinib versus standard therapy for the treatment of polycythemia vera. The New England Journal of Medicine. 2015; 372:426-435. January 29, 2015DOI: 10.1056/NEJMoa1409002


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翻訳担当者 廣瀬千代加

監修 野崎健司(血液内科/住友病院)

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