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パクリタキセル単独またはベバシズマブとの併用療法へのオナルツズマブ追加投与は、トリプルネガティブ乳がんに有用性を示さず

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パクリタキセル単独またはベバシズマブとの併用療法へのオナルツズマブ追加投与は、トリプルネガティブ乳がんに有用性を示さず

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パクリタキセル(タキソール)単独療法またはベバシズマブ(アバスチン)との併用療法への分子標的薬オナルツズマブ[onartuzumab]の追加投与は、転移性トリプルネガティブ乳がん患者の病状抑制や生存改善に効果を示さなかったと思われる。これらの知見はAnnals of Oncology誌で発表された。

 

乳がんの多くはホルモン受容体陽性であり、がん細胞が女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンの刺激を受けて増殖する。その他の乳がんはHER2(ヒト上皮成長因子受容体 2)陽性と呼ばれ、細胞の複製および増殖に関わる生物学的経路であるHER2が過剰発現していることを意味する。

 

一方、エストロゲンやプロゲステロンの刺激を受けても増殖せず、HER2(HER2陰性)の過剰発現がみられない乳がんはトリプルネガティブ乳がんと呼ばれる。トリプルネガティブ乳がんは他の乳がんと比べてより悪性度が強い傾向にあり、ホルモン受容体またはHER2を標的とした分子標的療法は無効であることから、治療法の選択肢が少ない。

 

このようにトリプルネガティブ乳がんは治療法の選択肢が限られていることから、有効な治療法の探究は非常に重要な研究領域である。今回の研究で、研究者らはトリプルネガティブ乳がん患者に対する治療として治験薬オナルツズマブ+化学療法剤パクリタキセル、またはオナルツズマブ+パクリタキセル+分子標的薬ベバシズマブ併用療法を検討した。オナルツズマブは、トリプルネガティブ乳がんの増殖および転移に関わるタンパク質であるMETを阻害するようにデザインされた分子標的薬である。

 

第2相臨床試験で、研究者らは転移性トリプルネガティブ乳がん患者に対するオナルツズマブ+パクリタキセル療法にベバシズマブ併用有無の効果を検討した。その臨床試験には185人の女性患者が参加し、3群に振り分けられた。その内訳として、60人にオナルツズマブ+プラセボ+週1回のパクリタキセル、63人にオナルツズマブ+ベバシズマブ+パクリタキセル、62人にプラセボ+ベバシズマブ+パクリタキセルを投与した。

 

研究者らは3つの治療群間での無増悪生存期間を比較することに焦点を置いた。また、全生存期間、部分奏効および完全奏効、さらに安全性も評価した。

 

オナルツズマブの追加投与は、患者に効果を表さないようであった。オナルツズマブ+ベバシズマブ+パクリタキセルの3剤併用療法を受けた患者では無増悪生存期間が延長しなかった。さらにオナルツズマブ+週1回のパクリタキセル(ベバシズマブ非投与)併用療法群は、オナルツズマブ+ベバシズマブ+パクリタキセルの3剤併用療法と比較して悪化、または進行するリスクが高まった。ベバシズマブを投与した患者(オナルツズマブ+パクリタキセル併用またはパクリタキセルのみ併用)は、部分奏効および完全奏効が高かった。オナルツズマブ+パクリタキセル+ベバシズマブ併用、およびオナルツズマブ+パクリタキセル併用は、ベバシズマブ+パクリタキセル(オナルツズマブ非投与)併用療法群よりも全生存期間中央値が短かった。

 

研究者らは試験に参加した患者の88%にはタンパク質METを発現する腫瘍がないこともみつけた。オナルツズマブはMETを標的としていることから、試験に参加した患者の無増悪生存期間が延長されなかった理由が説明できる。

 

安全性については、研究者らは末梢性浮腫(体液が多くの場合、下肢に溜まって腫れること)の発症率を評価した。オナルツズマブを投与された患者(パクリタキセルとの併用またはベバシズマブ+パクリタキセルとの併用)は、末梢性浮腫の発症率がオナルツズマブ非投与のベバシズマブ+パクリタキセル併用療法群と比較して高かった。

 

これらの知見に基づき、パクリタキセル単独療法またはベバシズマブ+パクリタキセル併用療法へのオナルツズマブ追加投与は、METを発現しないトリプルネガティブ乳がん患者の生存期間を延長しないと思われる。さらに、オナルツズマブの追加投与は末梢性浮腫のリスクも高めると思われた。

 


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原文掲載日

翻訳石川寛和

監修原 文堅(乳がん/四国がんセンター)

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