乳がん研究における注目すべき進歩が明らかにー2015年乳がんシンポジウム/米国臨床腫瘍学会(ASCO) | 海外がん医療情報リファレンス

乳がん研究における注目すべき進歩が明らかにー2015年乳がんシンポジウム/米国臨床腫瘍学会(ASCO)

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乳がん研究における注目すべき進歩が明らかにー2015年乳がんシンポジウム/米国臨床腫瘍学会(ASCO)

米国臨床腫瘍学会(ASCO) プレスリリース

 

2015年乳がんシンポジウムで発表される2つの注目すべき研究の概要が閲覧可能となる。

 

今回のシンポジウムは、2007年から毎年開催された乳がんシンポジウムの最終年となる。本シンポジウムは乳がん治療に対する集学的アプローチに焦点を当てた教育の必要性に応えて始められたが、他の乳がんの会議がこの考え方を採用してきている。現在、ASCOは専門教育のまだ満たされていない大いに必要性のある分野での新たな機会に焦点を当てている。

 

2015年9月25~27日にサンフランシスコ・マリオット・マーキス(カリフォルニア州サンフランシスコ)で開催される最後のシンポジウムの2つの研究がBCS in Brief(BCS要約)として明らかにされた。

  • 非浸潤性乳管がんの再発率:乳房温存手術による治療を受けた2996人の患者の30年にわたる分析(要約32)
  • T1-2N0M0トリプルネガティブ乳がんを有する高齢女性の腫瘤摘除後の術後放射線療法に関連する転帰:SEER分析(要約39)

 

非浸潤性乳管がんの再発率:乳房温存手術による治療を受けた2996人の患者の30年にわたる分析(要約32)

 

ASCOの見解

「過去30年間にわたり、治療後の乳がん再発リスクの低下には、実質的な進展がみられます」とASCOの専門家Harold J. Burstein医学博士(FASCO)は述べた。「本研究は、集学的治療が管理および検出での進歩と組み合わされ、DCIS(非浸潤性乳管がん)を有する女性に明らかな変化をもたらしていることを示しています」。

 

新たな後ろ向き分析により1978年から2010年の間に治療を受けたDCISを有する女性の局所再発率が調査された。研究者らは、ニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(ニューヨーク州)で乳房温存手術(腫瘤摘除)を受けた2996人の女性の前向き研究で集められたデータデータベースを評価した。

  • 近年(1999~2010年)に治療を受けたDCIS患者は以前(1978~1998年)に治療を受けた患者よりも癌の再発リスクが40%低かった。
  • 具体的には、5年間の再発率は、これらの2つの期間にわたって13.6%から6.6%に低下した。
  • 研究者らが再発に影響することが知られている要因(スクリーニングの増加、術後療法の利用の増加、より広い切除範囲など)を対象に照査した際、この大幅な低下は依然として明らかであった。
  •  30年にわたる再発率の低下は、放射線治療を受けなかった女性に限定されていた。
  •  著者らは、再発率の低下はマンモグラフィの質だけでなく、より詳細な病理学的評価の進歩に起因する可能性があることを示唆している。

 

T1-2N0M0トリプルネガティブ乳がんを有する高齢女性の腫瘤摘除後の術後放射線療法に関連する転帰:SEER分析(要約39)

 

ASCOの見解

「本研究は、乳がんを有する高齢者患者の中には、術後放射線療法によりベネフィットを得る可能性があることを示唆していますが、治療決定の指針とするには、前向き研究が必要とされます」とASCOの専門家Harold J. Burstein医学博士(FASCO)は述べた。「高齢患者の治療法を選択する際に、われわれはベネフィットとリスクのバランスに特に注意する必要があります」。

 

術後放射線療法は、ホルモン療法を受け、エストロゲン受容体陽性早期乳がんを有する高齢女性は除外される可能性がある。トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を有する高齢女性の治療の意思決定指針のデータは限られている。研究者らは、腫瘤摘除を受けた早期TNBCの高齢女性の生存に関し術後放射線療法の効果に関する後ろ向き解析を行った。

  • 2010~2011年に腫瘤摘除を受けたT1-2N0M0 TNBCを有する70歳以上の974人の女性が監視、疫学、最終結果(Surveillance, Epidemiology, and End Result:SEER)のデータベースにおいて特定された。
  • このうち662(68%)人は、術後放射線療法を受けた。
  • 診断から23カ月時点で、腫瘤摘除と放射線療法を受けた女性は、腫瘤摘除のみを受けた患者の85.6%と比較して、98.2%が生存していた。乳がんに関連した死亡は、腫瘤摘除と放射線治療群(1%)に比べて腫瘍摘出手術のみの群(6%)で高頻度であった。
  • 他の要因(年齢、腫瘍の大きさ、および他の治療の説明など)を考慮した際、術後放射線療法の利用は、総体として全死因および乳がんによる死亡の6倍の低下と関連していた。それでもなお、著者らは、術後放射線を受けた患者と受けなかった患者の間で観察された生存率の差は、術後化学療法の利用などの他の要因によって説明できる可能性があると述べている。
  • 早期TNBCの管理を定義するために、今後の前向き研究が必要とされる。

 

原文掲載日

翻訳渉里幸樹

監修原 文堅(乳がん/四国がんセンター)

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