早期トリプルネガティブ乳がんの初期治療でイニパリブ+ゲムシタビン+カルボプラチンの併用が有効 | 海外がん医療情報リファレンス

早期トリプルネガティブ乳がんの初期治療でイニパリブ+ゲムシタビン+カルボプラチンの併用が有効

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早期トリプルネガティブ乳がんの初期治療でイニパリブ+ゲムシタビン+カルボプラチンの併用が有効

キャンサーコンサルタンツ

イニパリブ[iniparib]+ゲムシタビン(ジェムザール)+カルボプラチンの併用は、BRCA1/2変異を有する早期トリプルネガティブ乳がん患者の初期治療に有効なようだ。さらに研究者らは、BRCA変異がない患者で、上記併用療法が奏効する可能性の高い患者を同定する方法も発見している。これらの所見はJournal of Clinical Oncology誌で発表された。

 

エストロゲン、プロゲステロン曝露により増殖刺激を受けず、HER2(ヒト上皮成長因子受容体)が陰性の乳がんをトリプルネガティブ乳がんと定義する。トリプルネガティブ乳がんは他の乳がんよりも侵襲性が強い傾向にあり、治療の選択肢が少ない。

 

研究者らはこのほど、早期トリプルネガティブ乳がん患者に対するイニパリブ+ゲムシタビン+カルボプラチンの有効性と安全性を評価する研究を実施した。患者の約四分の一(24%)は、検査でBRCA1/2陽性の判定を受けていた。研究者らはBRCA変異の有無に関わらず、治療併用がもっとも奏効する可能性が高い患者を予測する方法も検討した。

 

本研究には80人の患者が参加した。患者にはネオアジュバント療法(術前化学療法)としてイニパリブ+ゲムシタビン+カルボプラチンを投与した。治療プロセスの第一段階として、主要治療前に腫瘍を小さくすることを目的とする治療である。患者には21日ごとに6サイクル、薬剤3種を投与した。

 

研究に参加した80名の患者のうち、36%に“病理学的完全奏効”がみられると研究者らは考えた。これは、胸や脇の下(腋窩)に侵襲がんがみられないことを意味する。BRCA変異を有する患者は治療に奏効する可能性がもっとも高かった。

 

研究者らは研究に用いた治療に対する腫瘍の反応を検知するため、相同組み換え欠損(HRD)とヘテロ接合性の消失(LOH)と呼ばれる反応を調べるテストも行った。HRD-LOHスコアは、治療によるDNA損傷をがん細胞が修復不可能であること、つまり、使用した薬剤に対するがんの感受性を示すものである。

 

本研究では、HRD-LOHスコアは治療により腫瘍が縮小した“反応者”とみなされる患者で高かった。HRD-LOHスコアはBRCA変異の有無に関わらず腫瘍反応を予測すると考えられた。つまり、BRCA変異のない患者のうち、HRD-LOHスコアが高い患者ほど併用治療が奏効する傾向にあったということだ。結果として、HRD-LOHスコアは、BRCA変異の有無に関わらず、イニパリブ+ゲムシタビン+カルボプラチンの併用治療が奏効する可能性がもっとも高い患者を医師が選ぶのに役立つと思われる。

 

これらの所見によれば、イニパリブ+ゲムシタビン+カルボプラチンの初期併用治療は早期のBRCA陽性トリプルネガティブ乳がん患者に有効なようである。また、HRD-LOHスコアが高い患者ほど奏効する傾向にあった。研究者らは、こうした所見を裏づけるために、さらなる研究が必要だと結論づけた。

 

参考文献:
Telli ML, Jensen KC, Vinayak S, et al. Phase II Study of Gemcitabine, Carboplatin, and Iniparib as Neoadjuvant Therapy for Triple-Negative and BRCA1/2 Mutation-Associated Breast Cancer with Assessment of a Tumor-Based Measure of Genomic Instability: PrECOG 0105. Journal of Clinical Oncology. 2015 April 6. pii: JCO.2014.57.0085.

 


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原文掲載日

翻訳宮本満里

監修林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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