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パルボシクリブ+フルベストラント併用が進行性ER陽性乳がんに有望

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パルボシクリブ+フルベストラント併用が進行性ER陽性乳がんに有望

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パルボシクリブ[palbociclib](イブランス)とフルベストラント(フェソロデックス)併用は、エストロゲン受容体(ER)陽性、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の転移性乳がん患者の無増悪生存期間を延長すると思われる。この知見は2015年度米国臨床腫瘍学会年次総会(5月29日~6月2日イリノイ州シカゴ)で発表され、New England Journal of Medicine誌に掲載された。

 

乳がんの大多数は、ホルモン受容体陽性である。これらのがんは、血中女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンの刺激により成長する。ホルモン受容体陽性乳がんの治療として、エストロゲン作用を抑制または阻害するホルモン療法を実施することが多い。

 

パルボシクリブは、ER陽性、HER2陰性の進行性乳がんの閉経後女性の治療を目的としてレトロゾール(フェマーラ)との併用が承認されている。キナーゼ阻害剤と呼ばれる薬剤の一つであるパルボシクリブは、酵素キナーゼの作用を阻害することにより奏効する。キナーゼは、細胞シグナル伝達、成長、分裂など多くの細胞機能に関連している。これらの酵素は、一部のがん細胞において強く作用しすぎる、あるいは高濃度で存在することがあり、それらを阻害すれば、がん細胞の成長抑制に役立つ可能性がある。

 

特に、パルボシクリブはサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4および6を阻害する。これらのキナーゼはER陽性乳がんの成長に関与している。PALOMA3試験として知られる今回の第3相臨床試験では、進行性ホルモン受容体陽性乳がん患者の治療を目的としたパルボシクリブのフルベストラントとの併用について検証した。フルベストラントはエストロゲン受容体拮抗薬として知られるホルモン療法の一種で、エストロゲン作用を阻害する。

 

PALOMA3試験の研究者らは、転移性ER陽性、HER2陰性の乳がん患者521人を試験の対象とした。患者全員にホルモン治療歴があり、その後がんが再発または増悪していた。

 

研究者らは患者を2群に分けた。第1群はパルボシクリブとフルベストラントの投与を受け、第2群はプラセボとフルベストラントの投与を受けた。閉経が近い(閉経期前、閉経周辺期)の患者はゴセレリン(ゾラデックス)の投与も受けた。ゴセレリンは、エストロゲン産生抑制を目的として、閉経期前および閉経周辺期の進行性乳がん女性患者の治療のために承認されている。

 

試験の結果、パルボシクリブは無増悪生存期間を2倍以上に延長すると思われる。キナーゼ阻害剤(パルボシクリブ)+フルベストラントの投与を受けた女性の無増悪生存期間の中央値が9.2カ月であったのに対して、プラセボ+フルベストラントの投与を受けた患者では3.8カ月であった。

 

副作用のためパルボシクリブによる治療の中止を余儀なくされた患者は、3%未満とごく少数であった。よくみられた副作用として、好中球減少症(好中球と称される免疫細胞数の減少)、白血球減少症(白血球数の減少)、貧血(赤血球数の減少)、血小板減少症(血小板数の減少)、疲労などがあった。

 

パルボシクリブ+フルベストラントの併用は、ホルモン療法後に疾患が増悪したER陽性、HER2陰性の転移性乳がん患者の無増悪生存期間を延長させる可能性があると思われる。これは、ホルモン療法が奏効しなかった患者にとって期待がもてる結果である。

 

参考文献:
Turner NC, Ro J, André F, et al. Palbociclib in Hormone-Receptor–Positive Advanced Breast Cancer. New England Journal of Medicine. June 1, 2015DOI: 10.1056/NEJMoa1505270.

 


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原文掲載日

翻訳太田奈津美

監修上野直人(乳癌、幹細胞移植・細胞療法/MDアンダーソンがんセンター)

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