エピルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセルのdose-dense化学療法がリンパ節転移陽性乳がんの生存を改善 | 海外がん医療情報リファレンス

エピルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセルのdose-dense化学療法がリンパ節転移陽性乳がんの生存を改善

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エピルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセルのdose-dense化学療法がリンパ節転移陽性乳がんの生存を改善

キャンサーコンサルタンツ

エピルビシン(ファルモルビシン)、シクロホスファミド(エンドキサン)、パクリタキセル(タキソール)のdose-dense(短い間隔で投与する)術後化学療法を受けた早期リンパ節転移陽性乳がん患者において、無病生存が改善した可能性がある。これらの知見はLancet誌電子版で発表された。

 

リンパ節転移陽性乳がんとは、乳房のがん細胞が腋窩リンパ節で発見されたがんのことである。乳がんを手術で切除したにもかかわらず、リンパ節にがん細胞が存在するということは、がんが再発したり転移したりする可能性が高いということである。がん転移のリスクを減少させるため、早期リンパ節転移陽性乳がん患者は手術後の追加治療(術後薬物療法)を受けることが多い。

 

イタリアの研究者らは最近、早期リンパ節転移陽性乳がんへの術後薬物療法としてエピルビシン+シクロホスファミド+パクリタキセル3剤へのフルオロウラシル追加を評価する第3相臨床試験を実施した。彼らはまた、3剤併用レジメンにフルオロウラシルを追加する療法と追加しない療法双方について、dose-denseスケジュールと標準スケジュールとで比較した。

 

2003~2006年の間、研究者らは手術可能な早期リンパ節転移陽性乳がん患者2,091人を試験参加者として登録した。試験参加者は18~70歳であった。研究者らは、試験参加者を下記のグループに分けた。

・一方のグループの患者には、フルオロウラシル+3剤(エピルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル)による化学療法、またはフルオロウラシル追加なしの3剤による化学療法を2週間ごとのdose-denseスケジュールで実施した。

・他方のグループの患者には、上記2種類の化学療法の1種類を(dose-denseではなく)標準スケジュールの3週間ごとに実施した。

 

研究者らは、2種類の投与スケジュール(2週間ごと、3週間ごと)と2種類の化学療法(エピルビシン+シクロホスファミド+パクリタキセル3剤へのフルオロウラシル追加あり、追加なし)を比較して、それぞれの無病生存を判定した。

観察期間の中央値は7年であった。以下、各治療計画の患者数は、報告時点において無病状態で生存していた人数である。

・フルオロウラシル追加なしで3剤(エピルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル)を3週間ごとに投与した患者545人のうち140人(26%)。

・フルオロウラシル+3剤(エピルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル)を3週間ごとに投与した患者544人のうち157人(29%)。

・フルオロウラシル追加なしで3剤(エピルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル)を2週間ごとに投与した患者502人のうち111人(22%)。

・フルオロウラシル+3剤(エピルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル)を2週間ごとに投与した患者500人のうち113人(23%)。

 

5年生存率は、dose-denseで良好であった。2週ごと投与(dose-dense)では無病生存率が81%であったのに対し、3週ごと投与(標準治療)では76%であった。全生存率はdose-denseで94%、標準治療で89%であり、dose-denseで良好であった。

 

化学療法の違い(エピルビシン+シクロホスファミド+パクリタキセル3剤へのフルオロウラシル追加の有無)による転帰の差はみられなかった。5年経過時点で、無病生存率は、フルオロウラシルなしの治療で79%だったのに対し、フルオロウラシルありの治療では78%であった。全生存率は、フルオロウラシルなしが91%だったのに対し、フルオロウラシルありは92%であった。

 

2週間ごとのdose-dense療法を受けた患者は、いくつかの副作用(貧血、肝合併症、筋肉痛)の発生率が上昇する傾向にあったが、好中球減少症(感染症予防に役立つ白血球の一種である好中球数の減少)の発生率は低下した(監訳者注:dose-denseではG-CSF投与を受けている)。フルオロウラシルの追加によっても、好中球減少症、発熱、悪心、嘔吐などの副作用の発生率が上昇した。

 

これらの知見は、早期リンパ節転移陽性乳がん患者がdose-denseの術後化学療法を受けることで無病生存が改善される可能性を示唆している。しかし、エピルビシン+シクロホスファミド+パクリタキセル3剤による術後薬物療法にフルオロウラシルを追加しても、これらの患者の無病生存は改善されないと思われる。

 

参考文献:
Del Mastro L, De Placido S, Bruzzi P, et al. Fluorouracil and Dose-Dense Chemotherapy in Adjuvant Treatment of Patients with Early-Stage Breast Cancer: an Open-Label, 2?×?2 Factorial, Randomised Phase 3 Trial. The Lancet [early online publication]. March 1, 2015.

 


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原文掲載日

翻訳太田奈津美

監修下村昭彦(腫瘍内科/国立がん研究センター)

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