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パゾパニブのFDA承認

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パゾパニブのFDA承認

原文 2009/10/29掲載 2013/07/03更新

商標名: VotrientTM

進行期軟部組織肉腫の治療薬として承認(2012/04/26)
進行型腎細胞癌の治療薬として承認(2009/10/19)

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がFull prescribing information(英文)が参照できます。

進行期軟部組織肉腫
米国食品医薬品局(FDA)は2012年4月26日、化学療法の治療歴がある進行期軟部組織肉腫(STS)の患者の治療薬としてパゾパニブ塩酸塩錠(商標名Votrient、グラクソ・スミスクライン社)を承認しました。脂肪肉腫や消化管間質腫瘍(GIST)を有する患者の治療薬としてのパゾパニブ塩酸塩の有効性は確立されていません。

本承認は、アントラサイクリンを含む化学療法の治療歴がある転移性のSTS患者を対象とした多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験に基づいています。

本臨床試験は患者369人を対象に行い、パゾパニブ塩酸塩を1日1回800 mg経口投与する群(N=246)とプラセボ群(N=123)に無作為に割り付けました。病勢が進行する、許容できない毒性が発現する、同意を撤回する、これらのいずれかが認められるまで治療薬の投与を続けました。患者の過半数は女性(59%)であり、年齢の中央値は55歳でした。患者のうち43%が平滑筋肉腫、10%が滑膜肉腫、47%が他の軟部組織肉腫でした。56%の患者に2種類以上の前治療歴がありました。パゾパニブ塩酸塩投与群では治療期間の中央値が4.5カ月であったのに対して、プラセボ投与群では1.9カ月でした。

パゾパニブ塩酸塩投与群の無増悪生存期間(PFS)は、プラセボ投与群に比して統計的に有意に延長しました(HR =0.35; 95 percent CI: 0.26, 0.48; p< 0.001,log-rank test)。PFSの中央値は、パゾパニブ塩酸塩投与群では4.6カ月であったのに対して、プラセボ投与群では1.6カ月でした。平滑筋肉腫(HR = 0.37; 95 percent CI: 0.23, 0.60)、滑膜肉腫(HR = 0.43; 95 percent CI: 0.19, 0.98)、および他の軟部組織肉腫(HR = 0.39; 95 percent CI: 0.25, 0.60)の3つの組織型集団別のPFSの改善については、集団全体におけるPFSの改善と一致していました。

客観的な奏効割合はパゾパニブ塩酸塩投与群では4%でしたが、プラセボ投与群では0例でした。試験計画書に記載された最終的な評価項目である全生存期間の中央値については、パゾパニブ塩酸塩投与群では12.6カ月であったのに対して、プラセボ投与群では10.7カ月でした(HR = 0.87; 95 percent CI: 0.67, 1.12)。

パゾパニブ塩酸塩投与群のSTS患者で最も高頻度の副作用(少なくとも患者の20%)は、疲労感、下痢、悪心、体重減少、高血圧、食欲減退、嘔吐、がん性疼痛、毛髪変色、筋骨格系の痛み、頭痛、味覚異常、呼吸困難、および皮膚色素脱失でした。その他の重大な副作用としては、肝機能障害、動脈および静脈の血栓症、出血、消化管穿孔および消化管瘻の形成、気胸、ならびに左心不全などがみられました。

パゾパニブ塩酸塩の推奨用量および用法は、空腹時(食事の1時間以上前または食後2時間以降に)1日1回800 mgとなっています。

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谷口 淳 訳
東 光久(血液癌・腫瘍内科領域担当/天理よろづ相談所病院)監修
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進行型腎細胞癌
2009年10月19日、米国食品医薬品局(FDA)は進行型腎細胞癌患者の治療についてパゾパニブの錠剤(VotrientTM、グラクソ・スミスクライン社製造)を承認しました。

パゾパニブの有効性と安全性は、国際多施設ランダム化二重盲検臨床試験で、パゾパニブとプラセボを比較して評価されました。全患者が最善の支持療法を受けました。臨床試験は前治療歴のない、またはサイトカインの前治療歴のある転移性腎細胞癌患者を対象に実施されました。ランダム化は活動尺度、腎摘除歴、サイトカインの前治療歴に従って階層化されました。

全435人の患者が2対1の割合でパゾパニブ投与群(290人)またはプラセボ投与群(145人)に無作為に割り付けされました。患者の人口統計は本試験の両群間でバランスが取られました。無進行生存期間(PFS)は本試験の主要評価項目でした。PFSの中央値は、パゾパニブ群が9.2カ月、プラセボ群は4.2カ月でした(HR=0.46、p値<0.001)。有効性は、前治療歴のない患者(HR=0.40)と、サイトカン治療の前治療歴のある患者(HR=0.54)の両群で確認されました。放射線学的進行が確認された後、プラセボ群の患者はパゾパニブの投与を受けることができました。

全生存期間の結果は未成熟です。患者の40%がデータ集計終了前に死亡しました。客観的奏功率はパゾパニブ群で30%、プラセボ群で3%でした。奏功期間の中央値は、13.5カ月でした。

患者の20%に発生し最も頻繁に報告された副作用は、下痢、高血圧、毛髪の変色、吐き気、食欲不振、嘔吐でした。両群で2%以上の差が生じたグレード3および4の副作用は、肝機能異常、下痢、高血圧、タンパク尿(尿中の過剰な血清タンパク)でした。パゾパニブ群ではQT延長(心臓機能の測定)が見られました。全患者の少なくとも10%に発生し、パゾパニブ群により頻繁に報告された検査所見異常は、トランスアミナーゼ上昇(肝酵素の上昇)、高血糖、白血球減少、高ビリルビン血、好中球減少、低リン症、血小板減少症、リンパ球減少症、低ナトリウム血症(低レベルの血中ナトリウム)、低マグネシウム血症(低レベルの血中マグネシウム)、低血糖症でした。脳血管障害(脳卒中)、胃癌、消化管出血、喀血、腸穿孔、心不全、心筋梗塞(心臓発作)、肝不全、肺炎を含む重篤有害事象による死亡はパゾパニブ群により頻繁に発生しました。肝機能異常は製品ラベルの囲み部分の警告に含まれており、また、2件の死亡例は肝不全に関連するものでした。

肝機能検査は最初の少なくとも4カ月間は4週間おきに、以降は定期的に監視すべきです。肝機能検査で異常値を示す患者に対するパゾパニブの推奨修正投与量は、製品の添付文書に記載されています。心電図および電解質は監視すべきです。

進行型腎細胞癌の治療に用いるパゾパニブの推奨投与量は1日1回、食間(少なくとも食前1時間前または食後2時間以降)に800mgです。

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横山加奈子 訳
九鬼 貴美(腎臓内科)監修
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この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。
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