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膵臓癌が2030年までに米国での癌関連死の第2位になると予測

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膵臓癌が2030年までに米国での癌関連死の第2位になると予測

米国がん学会(AACR)

米国では2030年までに、膵臓癌および肝臓癌が、依然として癌による死亡の第1位である肺癌に続き、それぞれ死亡原因の2位と3位になるとの分析結果が米国癌学会(AACR)誌に発表された。

 

カリフォルニア州マンハッタンビーチの膵臓癌アクションネットワークの研究に基づいた予測では、2030年に癌と診断される上位3位は乳癌、前立腺癌および肺癌である。現在4位である大腸癌は甲状腺癌に置き換わり、メラノーマおよび子宮癌がそれぞれ5位と6位になると予測される。肺癌は癌による死亡原因の引き続き第1位であるが、膵臓癌および肝臓癌が、乳癌、前立腺癌および大腸癌を抜き去り、それぞれ死亡原因の2位と3位になると予測される。

 

「膵臓癌と肝臓癌の死亡率予測は驚くべきものです」と、膵臓癌アクションネットワークの科学・医学部門の副代表、経営学修士のLynn Matrisian博士は述べた。「この研究は、科学研究や臨床研究の団体だけではなく、さらに幅広い集団の関心と認識を高め、膵臓癌との戦いを前進させるための呼びかけです」。

 

研究者たちは、癌の発生率と死亡率を次の二つの重要な因子を考慮して予測した。
第一番目の要因は、ベビーブーム世代の高齢化と、癌発生率や死亡率が高い一部のマイノリティ集団の増加である。第二番目の要因は、スクリーニングや予防法が向上したことと、喫煙率やウイルス感染率による影響で、癌の年間発生率と年間死亡率の平均値が変化したためである。

 

大腸癌の発生率が減少するのはスクリーニングの進歩に起因し、甲状腺癌の発生率が増加するのは診断可能な患者が増えることと関連しており、死亡患者数が増えているわけではないとMatrisian博士は説明した。

 

「全般的に米国の癌による死亡率は年々減少しており勇気づけられます。また、いくつかの主要な癌による死亡患者数にはそれと同じ傾向があり、減少しています」とMatrisian博士は述べた。「科学研究および臨床研究の団体は、他の癌種の知見からの成功事例を用いて膵臓癌や肝臓癌に立ち向かい、患者へより良い結果を提供するべきです」。

 

歴史的にみて、膵臓癌はまだ研究段階であり研究のための十分な財源がない、とMatrisian氏は説明した。
膵臓は腹部の深い場所にあり、画像診断で捉えるのが困難である。さらに、膵臓腫瘍の周囲を密集した間質組織が取り囲み内部にも浸潤し、薬剤の到達を妨げていると考えられる。このことは、膵臓腫瘍が病期の初期に転移することを示唆するデータによって事態をより複雑にする。

 

「膵臓癌アクションネットワークは、癌の治癒のために、研究や患者サポート、団体立ち上げと支援活動を通じてこの疾患と戦う包括的なアプローチをしています」とMatrisian氏は付け加えた。「2020年までには膵臓癌の生存率を2倍に増やすよう力を注ぐ中で、当ネットワークは、早期診断と、より良い治療の進歩、そして生存率を向上させるために、認知度を高め、民間研究の資金を増やし、公的機関の専門研究を支援する取り組みを強化させていきます」。

 

本研究は膵臓癌アクションネットワークによる資金援助を受けている。Matrisian氏は利益相反はないと申告している。

 

原文掲載日

翻訳滝坂 美咲

監修辻村信一 (獣医学・農学博士、メディカルライター/メディア総合研究所)

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