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ナブパクリタキセル+ゲムシタビンの併用により転移膵臓癌患者の生存率が改善

キャンサーコンサルタンツ

New England Journal of Medicine誌に掲載された試験結果によると、ナブパクリタキセル(アブラキサン)+ゲムシタビン(ジェムザール)の併用療法は、未治療の転移膵臓癌患者の全生存期間および無増悪生存期間を改善した。

 

膵臓癌は、最も難治な癌の一つであり、米国では、毎年およそ43,000人が膵臓癌と診断され、37,000人近くが死亡している。この癌は進行した病期において診断されることが多く、進行癌の治療は困難を極める。

 

ゲムシタビンは、ここしばらくの間、標準的な化学療法の薬剤として進行膵臓癌の治療に使用されている。ナブパクリタキセルは、抗癌剤として広く使われているパクリタキセル(タキソール)の新しい製剤である。ナブパクリタキセルは、パクリタキセルとヒトタンパク質であるアルブミンを結合させ微粒子化したものである。この形態により薬剤を癌細胞に直接送達しやすくし、副作用を軽減する。

 

この臨床試験は、転移膵臓癌の患者861人を対象とし、患者を無作為にナブパクリタキセル+ゲムシタビンの併用療法群とゲムシタビンの単独療法群に割り付けた。この試験の主要評価項目は、全生存期間とした。試験結果は、ナブパクリタキセル+ゲムシタビンの併用療法を受けた患者の全生存期間の中央値が8.5カ月であったのに対し、ゲムシタビン単独療法の患者では、6.7カ月であった。

 

さらに、ナブパクリタキセルにより、1年生存率が59%上昇し、1年経過した時点で、患者の生存率は35%、対してゲムシタビン単独の患者は22%であった。このことから、ナブパクリタキセルは長期生存率を改善するとみられた。ナブパクリタキセルにより、2年生存率が倍増した。2年経過した時点で、患者の生存率は9%であったのに対し、ゲムシタビン単独の患者は4%であった。

 

ナブパクリタキセルは無増悪生存期間の中央値も改善した。ナブパクリタキセル+ゲムシタビンの併用療法を受けた患者は、病気が進行するまでの期間が5.5カ月であったが、ゲムシタビン単独療法の患者では、3.7カ月であった。全奏効率(腫瘍に縮小がみられた患者)は、ナブパクリタキセル+ゲムシタビン併用療法では23%に対して、ゲムシタビン単独療法では7%であった。

 

ナブパクリタキセルは忍容性が良好であったが、末梢神経障害(手足の指のしびれ)の事例が、ゲムシタビンより有意に高かった(17% vs. 1%以下)。これにより、患者の8%がナブパクリタキセルを中止し、10%が投与量を減量した。さらに、より多くのナブパクリタキセル群の患者に好中球減少症(38% vs. 27%)および疲労(17% vs. 7%)がみられた。

 

研究者は、ナブパクリタキセルおよびゲムシタビンの併用療法は、転移膵臓癌の患者の全生存期間、無増悪生存期間および奏効率を有意に改善したが、末梢神経障害および骨髄抑制の発生率は上昇したと結論づけた。

 

参考文献:
Von Hoff DD, Ervin T, Arena FP, et al. Increased survival in pancreatic cancer with nab-paclitaxel plus gemcitabine. New England Journal of Medicine. 2013; 369(18): 1691-703.

 


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翻訳林 さやか

監修畑 啓昭(消化器外科/京都医療センター)

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