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FDAが進行性メラノーマの治療にトラメチニブ+ダブラフェニブの併用療法を承認/FDAニュース

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FDAが進行性メラノーマの治療にトラメチニブ+ダブラフェニブの併用療法を承認/FDAニュース

FOR IMMEDIATE RELEASE: 2014年1月10日
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FDAが進行性メラノーマの治療にトラメチニブ+ダブラフェニブの併用療法を承認

2014年1月第2週、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能(外科的な摘出ができない)または転移性の(後期)進行メラノーマ患者の治療に、Mekinist(trametinib [トラメチニブ])とTafinlar(dabrafenib[ダブラフェニブ])の併用療法を承認した。

2013年5月、FDAはこれらの薬剤に対して、切除不能または転移性のメラノーマ患者の治療に単独での使用を承認していた。メラノーマは最も悪性度の高い皮膚癌であり、皮膚疾患による死亡原因の第1位である。米国国立癌研究所は、2013年には7万6690人の米国人がメラノーマと診断され、9480人がこの疾患で死亡したと推定した。

トラメチニブとダブラフェニブを併用する目的は、癌細胞増殖を促している同一の分子経路で異なる段階のシグナル伝達を阻害することである。これらの薬剤の併用療法剤としての適応は、BRAF V600EおよびV600Kと呼ばれる変異遺伝子を発現しているメラノーマの患者に特異的である。BRAFタンパク質は正常な細胞増殖の制御に関与するが、皮膚に発生したメラノーマの約半数でこのタンパク質に変異が認められる。

「トラメチニブとダブラフェニブはメラノーマの併用療法に対して初めて承認された薬剤です」とFDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は語った。「これらの薬剤の併用療法の開発は、メラノーマの生物学的経路の解明の進展に基づいています。今回の承認では、臨床開発に際して、併用による薬剤の研究を継続することの重要性が見て取れます」。

トラメチニブとダブラフェニブの併用における安全性と有効性は、BRAF V600EまたはV600K変異を有する切除不能または転移性のメラノーマ患者162人(ほとんどが未治療)を対象とした臨床試験で明らかにされた。参加者は、メラノーマが進行するか副作用が許容できなくなるまで、トラメチニブとダブラフェニブの併用、またはダブラフェニブ単独のいずれかの投与を受けた。

その結果、トラメチニブとダブラフェニブの併用投与群では、参加者の76%で癌の縮小または消失(客観的奏効)が認められ、平均で10.5カ月間継続した。一方、ダブラフェニブの単独投与群では、参加者の54%で客観的奏効が認められたが、その継続期間は平均で5.6カ月であった。現在、トラメチニブとダブラフェニブの併用で生存期間が延長するかどうかを判定するために臨床試験が進行中である。

トラメチニブとダブラフェニブの併用投与を受けた参加者で特に多く報告された副作用は、発熱、悪寒、疲労、発疹、悪心、嘔吐、下痢、腹部痛、末梢性浮腫(四肢の腫大)、咳嗽、頭痛、関節痛、寝汗、食欲不振、便秘、筋痛などであった。臨床試験期間中に、トラメチニブとダブラフェニブの併用投与群で発熱の発現頻度および重症度が悪化した。

重篤な副作用には、出血、血栓形成、心不全、皮膚障害、眼障害などがあった。ダブラフェニブの重篤な副作用のひとつである新たな皮膚扁平上皮癌の発生は、トラメチニブとの併用で減少した。このことは、標的とする分子経路におけるこれら2剤の生物学的作用と一致する。本臨床試験において、皮膚扁平上皮癌の発現率は、ダブラフェニブ単独投与群で19%であったのに対し併用投与群では7%であった。臨床的に重要な他の副作用には腎障害などがあった。

妊娠の可能性のある女性には、トラメチニブおよびダブラフェニブを使用することによって、発育中の胎児に先天異常を引き起こす可能性があることを説明する必要がある。また男性および女性に対し、両剤での治療による不妊症を引き起こす可能性ついても告知しなければならない。

FDAは迅速承認制度を適用して、トラメチニブとダブラフェニブの併用療法を承認している。この制度では、重篤な疾患治療のための薬剤が、患者の臨床的有益性を適切に予測し得る代替エンドポイントで有効性を示した場合に、FDAはその臨床データに基づき当該薬剤を承認することができる。この制度により、製薬会社が検証的臨床試験を実施中であっても、患者は有望な新薬での治療をより早く受けることが可能になる。トラメチニブおよびダブラフェニブには、ある重篤な病態の治療で、安全性または有効性を著しく改善させる作用が見られていたため、FDAはこれらの薬剤の併用療法の審査に優先審査制度も適用した。

トラメチニブおよびダブラフェニブは、リサーチ・トライアングル・パーク(ノースカロライナ州)に研究基盤を置くグラクソスミスクライン社が販売している。

詳しい情報については以下を参照のこと:

FDA: Office of Hematology and Oncology Products (血液腫瘍製品室)[原文]

FDA: Approved Drugs: Questions and Answers (承認薬:質問と回答)[原文]

NCI: Melanoma (メラノーマ)[原文]

CDC: Skin Cancer (皮膚癌)[原文]

******
緒方登志文 訳
金田澄子(薬学)監修
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原文

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