ASCOのQOPI®データ分析の結果、癌治療の質の向上における評価成績は大幅に向上 | 海外がん医療情報リファレンス

ASCOのQOPI®データ分析の結果、癌治療の質の向上における評価成績は大幅に向上

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

ASCOのQOPI®データ分析の結果、癌治療の質の向上における評価成績は大幅に向上

米国臨床腫瘍学会(ASCO)

速報:
連絡先:
Aaron Tallent
571-483-1371
aaron.tallent@asco.org

本ニュースダイジェストの内容:
2013年3月11日、Journal of Clinical Oncology誌(電子版)で公表された研究要約。米国臨床腫瘍学会のQuality Oncology Practice Initiative(QOPI®:癌診療の質向上イニシアチブ)に参加している156の腫瘍外来診療所からの自己報告データを分析した結果、4年間の品質腫瘍・癌治療の品質に関する所定の評価基準において有意な改善が見られた。

 

全体的に、参加診療所の平均正規化評点は2006年から2010年の間で71%から85%に上昇した。特に、新たな臨床診療標準の導入に関連する評価基準で大幅に改善した。

 

ASCO会長Sandra M. Swain医師(FACP)の見解引用。
米国臨床腫瘍学会のQuality Oncology Practice Initiative(QOPI®:品質腫瘍診療の品質イニシアチブ)に参加した腫瘍外来診療所からの自己報告データを分析した結果、4年間の腫瘍治療に関する品質評価基準の中でも特に新規臨床診療の導入について有意な改善が見られた。本研究は、2013年3月11日、Journal of Clinical Oncology誌(電子版)で公表された。

 

QOPIは、全国的かつ自主的な品質自己評価改善プログラムであり、腫瘍外来診療所はその診療内容を推奨ガイドラインと比較することができる。QOPIへの参加は、2006年のプログラム開始以来、着実に増加しており、これまでに800以上の診療所が登録している。

 

研究者が156の腫瘍診療所から得たデータを分析した結果、平均正規化評点は2006年から2010年の間で71%から85%に上昇した。データをさらに検証した結果、以下の傾向が見られた:

 

診療所が好成績を収めた高品質基準は多項目に及ぶ: たとえば、乳癌、直腸結腸癌、非小細胞肺癌に対する術後(補助)化学療法を推奨通りに行っている参加診療所の割合は一貫して高かった(90%以上)。補助療法は、延命効果があることが証明されており、上述の癌患者に対する治療法となっていることが多い。


新規臨床診療の導入の増加
: 新規臨床診療(新ガイドラインまたは臨床エビデンスに基づく)に関する評価基準の平均点は、全体として4年間で5%から69%へ上昇した。上記の新規臨床診療としては、転移性大腸癌患者の治療に対する反応を予測する腫瘍分子マーカーの遺伝子検査(抗EGFR療法実施前のKRAS遺伝子変化)、直腸結腸癌手術後の適切なリンパ節検査、特定の化学療法レジメンが実施される際の嘔吐抑制剤アプレピタントの使用などがある。


特定の評価基準において改善の余地がある
: 禁煙や妊孕性維持カウンセリング(不妊となる可能性のある治療を受ける患者向け)を評価する基準に関しては、改善が見られなかった。こうした基準の評点は、高いものでも禁煙カウンセリングの34%、最低が妊孕性維持相談の6%であった。

 

筆頭筆者Michael N. Neuss医師(Vanderbilt-Ingram Cancer Center医務部長、QOPI運営グループ長)は、今回の結果から、腫瘍専門医たちが数多くの中心的治療分野で一貫して高レベルの診療を行っており、新たな標準検査や治療法を日々の診療にすばやく取り入れていることを示していることが分かる」と言う。「また、今回のデータから、QOPIのような品質基準判定プログラムの参加が、臨床診察基準に則した実質的改善につながっていることが分かった」。

 

QOPIは、春と秋の年2回、データ回収を行っている。今回の分析に含まれる156の診療所は、2回以上のデータ回収に参加し、1回の回収につき30人分以上の患者カルテに基づくデータを報告している。評点(品質基準の順守率)は、7部門の品質基準(QOPIモジュールのこと。コア基準、症状/毒性管理、終末期ケア、非ホジキンリンパ腫、乳癌、直腸結腸癌、非小細胞肺癌の7部門)について算出され、合計150項目以上の判定基準が含まれる。


ASCO
の見解
ASCO会長Sandra M. Swain医師FACP
「今回の結果から言えることだが、QOPIのような品質評価プログラムへの参加によって、癌患者たちに『自分は質の高い治療を受けている』という安心感を与えているはずである。米国では600以上の診療所がすでにQOPIに参加しており、その理由の一つとして、各診療所で行っているケアを評価するための系統的プロセス、多様な品質基準の蔵書、収集ツール、信頼できる情報をQOPIが提供していることが挙げられる。さらにQOPIは、所定のQOPI基準で実績を示しており、質と安全なケアに関する認定基準を満たしている診療所を認可するQOPI認定の入り口でもある」。

 

QOPIの詳細は、qopi.asco.orgへ。

論文全文をご覧になるには、こちらをクリックしてください。
Journal of Clinical Oncology誌は米国臨床腫瘍学会(ASCO)のピアレビュー学会誌であり、3か月ごとに発行されている。ASCOは、癌患者のケアに携わる医師で構成される世界最高水準の専門学会である。

 

すべての記事報道について、JOURNAL OF CLINICAL ONCOLOGY誌への帰属を明記すること。

 

米国臨床腫瘍学会(ASCO)について
ASCOは、癌患者のケアに携わる医師で構成される世界最高水準の専門家組織です。会員数3万人以上のASCOは、学会、教育プログラム、論文審査のある学術誌を通して癌治療の向上に取り組んでいます。ASCOを支援する提携組織Conquer Cancer Foundationは、癌患者の命に明らかな変化をもたらす画期的な研究やプログラムに資金を供給しています。ASCOの情報については、サイトwww.asco.orgをご覧ください。 患者向け癌情報は、www.cancer.netで閲覧できます。

 

原文掲載日

翻訳山田登志子

監修林 正樹(血液・腫瘍内科/敬愛会中頭病院)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  2. 2光免疫療法:近赤外線でがん細胞が死滅
  3. 3非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  4. 4COX-2阻害薬と抗PD1免疫療法薬併用でIDO1発...
  5. 5BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  6. 6若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  7. 7コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  8. 8がん治療の悪心・嘔吐管理に関するASCOガイドライン...
  9. 9ペムブロリズマブ、欧州にて局所進行・転移性尿路上皮が...
  10. 10CDK4/6阻害薬に耐性を示す乳がんが複数出現

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他