胃癌に対する術後補助化学放射線療法の有用性

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治癒的胃切除を受けた患者では術後補助化学放射線療法により持続的で高い効果が得られることが試験後の長期経過の結果により明らかとなったとJournal of Clinical Oncology誌[1]で発表された。

胃癌は胃にできる癌である。米国では胃癌の発生率は相対的に低いが、世界的にみると胃癌は癌による死亡原因の二番目に多い。胃癌の発生率は韓国、中国、台湾や日本などのアジア諸国では極めて高い。胃癌の一般的な治療法は癌の外科的切除であり、その後、化学療法が単独または放射線療法と組み合わされて行われる。

2001年、Intergroup 0116試験により治癒的胃癌切除後の補助化学放射線療法(RCT)の有用性が示された[2]。現在、経過観察期間中央値は10年を超えており、研究者らは治療が失敗したパターンや二次性悪性腫瘍などを含む最新のデータを発表した。

このランダム化第3相試験には患者559人が登録され、282人はRCT群、277人は経過観察群に割り付けられた。患者の局所再発リスクはいずれも中等度であり、原発巣はT3以上またはリンパ節転移陽性、あるいはその両方の胃癌であった。

経過観察期間中央値が10年を超えた最新の情報によると、術後RCTにより全生存率と無再発生存率は改善を示した。全再発率と局所再発率はRCTを行った患者群のほうがかなり低かった。びまん性組織像のある患者では顕著な治療効果は認められなかったが、これ以外の患者サブグループのほとんどで治療による高い有用性を認めた。二次性悪性腫瘍を認めたのはRCT群では21人、対照群では8人であった。

研究者らは、術後補助RCTにより、持続的で高い効果が得られると結論づけている。RCTに毒性はあるにしても容認できるものであり、治癒的胃切除を受ける患者においては、今後も標準的治療であり続けるであろうと述べている。

参考文献:
[1] Smalley SR, Benedetti JK, Haller DG, et al. Updated analysis of SWOG-directed Intergroup Study 0116: A phase III trial of adjuvant radiochemotherapy versus observation after curative gastric cancer resection. Journal of Clinical Oncology. 2012; 30(19): 2327-2333.

[2] Macdonald JS, Smalley SR, Benedetti J, et al. Chemoradiotherapy after surgery compared with surgery alone for adenocarcinoma of the stomach or gastroesophageal junction. New England Journal of Medicine. 2001; 345: 725-730.


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翻訳担当者 小縣正幸

監修 畑 啓昭(消化器外科/京都医療センター)

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