乳腺腫瘤摘出後の放射線治療が高齢の早期乳癌患者に有効 | 海外がん医療情報リファレンス

乳腺腫瘤摘出後の放射線治療が高齢の早期乳癌患者に有効

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

乳腺腫瘤摘出後の放射線治療が高齢の早期乳癌患者に有効

キャンサーコンサルタンツ

Cancer誌のオンライン速報版で発表された研究結果によると、乳腺腫瘤摘出後の放射線治療が、高齢女性における治療後の乳房切除の必要性を抑える可能性がある。

 

米国では毎年20万人以上が乳癌と診断されるが、そのおよそ40%が65歳以上の女性である。そのため、こうした高齢集団に対する最適な治療法を定めることは重要である。

 

早期乳癌に対する外科手術には、乳房切除術や乳腺腫瘤摘出がある。乳房切除は乳房全体を取り除くが、乳腺腫瘤摘出は癌腫や一部の周囲組織を取り除く。乳腺腫瘤摘出後の放射線治療が、乳房内やその近傍における癌の再発リスクを低減させることが示されている。この治療法は若い女性によく使われるが、高齢女性に対しては、乳腺腫瘤摘出後にタモキシフェンやアロマターゼ阻害剤のようなエストロゲンを抑制あるいは阻止するホルモン療法を行うのが標準的である。研究者は、放射線照射が高齢女性に対して有効である可能性について研究を続けている。

 

NCCNガイドラインでは、高齢女性に乳腺腫瘤摘出後にホルモン療法を追加することを推奨しているが、それは、高齢女性では放射線治療とホルモン療法とで乳房切除率や生存率に違いがみられなかった、という研究結果に基づいている。しかしながら、乳房切除率について長期に追跡調査したデータはこれまでなかった。

 

この問題を評価するため、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者は、米国国立癌研究所のSurveillance Epidemiology and End ResultsSEER)登録で特定したメディケア患者のコホート研究を実施した。この研究には早期のエストロゲン陽性乳癌で乳腺腫瘤摘出を受けた70〜79歳の7403人のデータが含まれている。すべての患者が1992年から2002年までの間に診断され、2007年まで追跡された。全体で88%の女性が乳腺腫瘤摘出後に放射線治療を受けていた。

 

この結果から、放射線治療を受けた女性では、治療後10年以内の乳房切除率が低下することが示された。放射線治療を受けなかった女性の6.3%が乳腺腫瘤摘出後に乳房切除を受けていたが、放射線治療を受けた女性ではそれが3.2%であった。他の要因に関係なく、腫瘍悪性度の高い女性には放射線が有効であるようだった。しかしながら放射線が有効でない女性も一部存在し、彼らは年齢が75〜79歳で高悪性度腫瘍をもたない女性であった。

 

研究者は、多くの高齢初期乳癌女性において、乳腺腫瘤摘出後の放射線治療が治療後の乳房切除のリスクを低減させる、と結論付けている。

 

参考文献:
Albert JM, Pan IW, Shih YCT, et al. Effectiveness of radiation for prevention of mastectomy in older breast cancer patients treated with conservative surgery. Cancer. Published early online August 13, 2012. DOI: 10.1002/cncr.27457

 


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

原文掲載日

翻訳井上陽子

監修原野謙一(乳腺・婦人科癌/日本医科大学武蔵小杉病院)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他