肺癌CT検診の役割についての系統的共同レビューおよび臨床ガイドラインに関する米国臨床腫瘍学会(ASCO)および米国胸部専門医学会(ACCP)の声明(米国胸部学会推奨) | 海外がん医療情報リファレンス

肺癌CT検診の役割についての系統的共同レビューおよび臨床ガイドラインに関する米国臨床腫瘍学会(ASCO)および米国胸部専門医学会(ACCP)の声明(米国胸部学会推奨)

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肺癌CT検診の役割についての系統的共同レビューおよび臨床ガイドラインに関する米国臨床腫瘍学会(ASCO)および米国胸部専門医学会(ACCP)の声明(米国胸部学会推奨)

米国臨床腫瘍学会(ASCO)

以下は、肺癌CT検診の有益性と有害性:系統的レビュー(Benefits and Harms of CT Screening for Lung Cancer: A Systematic Review)および、それに基づく診療ガイドライン「肺癌CT検診の役割:米国胸部専門医学会(ACCP)および米国臨床腫瘍学会(ASCO)による勧告(The Role of CT Screening for Lung Cancer: Recommendations from the American College of Chest Physicians (ACCP) and the American Society for Clinical Oncology (ASCO))を取りまとめた専門家委員会委員長Peter B. Bach, MD, MAPPによる声明である。このガイドライン勧告と系統的レビューguideline recommendations and systematic reviewは、2012年5月20日(日)、Journal of the Medical Association 誌に掲載された。

 

本ガイドライン勧告は、肺癌検診に関するあらゆる研究成果より得られたエビデンスの系統的レビューに基づいている。このレビューは、ACCP、ASCO、米国癌協会(American Cancer Society)、米国総合癌ネットワーク(National Comprehensive Cancer Network)による共同作業で、米国胸部学会の意見を取り入れながら進められた。レビューは、ACCPとASCOが作成する診療ガイドラインの基礎となるもので、米国胸部学会の推奨を受けている。

 

本ガイドライン勧告は、喫煙者または元喫煙者である高リスク者の肺癌CT検診に関するもので、その具体的内容は以下のとおりである。

  • 55歳から74歳までの喫煙者および元喫煙者のうち、喫煙歴が1日1箱30年相当以上であり、現在も継続して喫煙しているか、過去15年以内に禁煙した人に対しては、胸部X線による検診を年1回受ける、あるいは何も検診を受けないより、低線量CTによる検診を年1回受けることを勧める。ただし、全米肺検診試験(National Lung Screening Trial)参加者に提供される総合的ケアと同水準のケアを提供できる場合に限る。(エビデンスのグレード2B(Grade of evidence 2B)、すなわち「中程度の質の研究データに基づく弱い推奨」)
  • 喫煙歴が1日1箱30年相当未満の人、55歳未満または74歳以上の人、15年以上前に禁煙した人、重度の併存疾患のために治癒の可能性のある治療を受けられない人、余命が限られた人に対しては、CT検診を受けるべきではないと勧告する。(エビデンスのグレード2C (Grade of evidence 2C)、すなわち「質の低い研究データに基づく弱い推奨」)

 

ASCOでは、喫煙者や元喫煙者がCT検診を受けるべきか判断できるように、What to Know: ASCO/ACCP Guideline on CT Screening for Lung Cancer(知っておくべきこと:肺癌CT検診に関するASCO/ACCPガイドライン)を発行し、ASCOの受賞歴のある患者情報サイトCancer.Netで公開している。ACCPは、肺癌リスクrisk for lung cancerや潜在的な診断potential diagnosisについて患者に分かりやすく説明する教育ガイドも発行した。肺癌治療や癌検診における進歩に関する情報は、CancerProgress.Netで閲覧することができる。

 

「CT検診は適切に利用すれば、一部の喫煙者および元喫煙者の肺癌死亡者数を減らす可能性があることが分かったが、そのリスクや、入念に実施した試験と同様の効果が臨床現場でも現れるかどうかについて未解決の問題は多い。我々は現時点で分かっている情報を集収した。本ガイドラインと、その基礎であるエビデンスを検討するよう医師、患者、政策立案者に働きかける。

 

これは、適切な利用と設備が整って初めて有益性を十分に実現できる技術である。各患者の経歴を記録する登録簿を作成することにより、マンモグラフィ検診と同様に、検診受診者に対する有益性を最大限に引き出し、有害性を最小限にできる質の高い測定システムを開発できるであろうと結論付ける。

 

利用可能なエビデンスの系統的レビューに参加していただいたアメリカ癌協会(American Cancer Society)、 全米癌総合ネットワーク (the National Comprehensive Cancer Network)、米国胸部学会に感謝の意を表する。今年、16万人以上の米国人が肺癌で死亡すると予測される中、この技術は肺癌の検出、治療において重要な手段となるはずである。」

 

米国胸部専門医学界(ACCP)について
ACCPは、米国をはじめ世界100か国以上の国々において肺疾患、救命医療、睡眠医学の各分野で患者のケアに携わる会員18,400人で構成されます。ACCPの使命は、教育、コミュニケーション、研究を通して胸部疾患の予防、診断、治療を推進することです。ACCPに関する詳しい情報は、ACCPサイトwww.chestnet.orgをご覧いただくか、Facebook またはTwitterでフォローしてください。

 

米国臨床腫瘍学会(ASCO)について
ASCOは、癌患者のケアに携わる医師で構成される世界トップレベルの専門家組織です。会員数3万人以上のASCOは、学会、教育プログラム、論文審査のある学術誌を通して癌治療の向上に取り組んでいます。ASCOを支援する提携組織Conquer Cancer Foundationは、癌患者の命に明らかな変化をもたらす画期的な研究やプログラムに資金を供給しています。ASCOの情報については、サイトwww.asco.orgをご覧ください。 患者向け癌情報は、www.cancer.netで閲覧できます。

原文掲載日

翻訳山田登志子

監修大渕俊朗(呼吸器・乳腺内分泌・小児外科/福岡大学医学部)

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