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ASCO年次集会の演題発表

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ASCO年次集会の演題発表

米国臨床腫瘍学会(ASCO)

連絡先:
Susie Tappouni
571-483-1355
Susie.Tappouni@asco.org
@susietappouni

 

バージニア州アレキサンドリア発―米国臨床腫瘍学会(ASCO)は本日の記者会見において、ASCO第48回年次集会に先立ちabstract.asco.orgでオンライン公募された4,500を超える演題要約のなかから、注目される5例の研究演題をとりあげた。

 

総会で発表される最新・その他の主要な研究演題は、イリノイ州シカゴのMcCormick Placeで2012年6月1日~5日に開催される年次集会の現地記者会見において発表される予定である。「Collaborating to Conquer Cancer(癌撲滅のために協力しあおう)」をテーマに掲げる年次集会は、世界中から約30,000人の癌専門家を集めると見込まれている。

 

「近代腫瘍学の時代も50年近くが経ち、研究投資の成果がはっきりと見えてきています」ASCO 会長のMichael Link医師は述べる。「ASCO年次集会で発表される予定の研究結果は、癌に対する進捗の最新章の一部です。今日の研究により、癌の遺伝子的弱点を特定して利用し、癌の増殖を阻止して、時には根絶する精度の高い医薬品の進歩が示されています。また,患者の癌治療における短期、長期的な副作用を低減する貴重な新規手段や情報を与えてくれる研究もあります。

 

本日の記者会見でとりあげられた演題は以下のとおり。

  • 高増殖性の小児癌に対するクリゾチニブの早期臨床試験において、高い、長期にわたる奏効が得られた:ALK 遺伝子異常を標的とする経口製剤クリゾチニブ(ザーコリ)の第1相臨床試験において、ALK遺伝子異常により通常引き起こされる癌である神経芽細胞腫、未分化大細胞リンパ腫、炎症性筋線維芽細胞腫瘍に罹患した小児患者で癌の増殖が停止し、場合によっては癌の兆候がすべて消失したことが報告される。
  • BRAF 遺伝子変異陽性の進行性黒色腫に対し、2種の分子標的経口薬の併用が有望:早期臨床試験の結果により、試験中の2種の分子標的薬-BRAF 阻害剤dabrafenib とMEK 阻害剤trametinib-の併用により癌が退縮し、現行の標準療法であるBRAFを標的としたvemurafenib(ベムラフェニブ、商品名ゼルボラフ)単独投与と比較して皮膚への副作用が小さいことが示された。
  • 化学療法による重篤な嘔気の治療に、抗精神病薬の効果が認められる:第3相試験により、抗精神病薬であるolanzapine(オランザピン、商品名ジプレキサ)が、化学療法に突発性の悪心・嘔吐に対して標準療法よりも高い効果を示した。この結果は、通常の予防的処置を受けてもこの副作用をおこす患者に対する,これまで対処できなかった重要な状況への取り組みとなる。
  • 早期、悪性度の高い前立腺癌において、標準ホルモン療法へのabiraterone併用で癌が消滅した患者が認められた:第2相ランダム化臨床試験において、6カ月間のネオアジュバント(術前)治療に、分子標的薬abiraterone (Zytiga)とホルモン療法を併用したところ,限局的高リスク前立腺癌(前立腺内に拡大しし、さらに拡大する可能性が高い癌)に罹患した患者の3分の1で癌が消失、またはほぼ消失した。Abirateroneは現在、進行前立腺癌に対して,化学療法後の使用が承認されている。
  • 一般的な化学療法剤の遅発性障害に関して、医師へのより広い教育,コミュニケーションのニーズが調査により浮き彫りに:大規模調査により、かかりつけ医の多くや一部の癌専門医は、最も高頻度でみられる2種の癌である乳癌、結腸直腸癌治療に広く使用されている4種の化学療法剤の主な長期副作用を十分に認識していないことが明らかになった。

 

年次集会のメディア向け情報センターはこちら

  • 記者、患者向けの追加情報:ASCOのCancerProgress.Net(http://www.cancerprogress.net/)は、最も一般的な癌のうち14種に関する進歩を詳細、双方向的な時系列で提供しています。このサイトでは、わかりやすい対話型の画面で癌の生存率、死亡率、発生率の図表を、ダウンロードできる年表、解説集やその他の資料とともに提供しています。
  • 賞に輝くASCOの患者向けウェブサイトCancer.Net(http://www.cancer.net/)は、120種を超える癌について癌専門医に認められた総合的な情報や、癌治療・副作用管理・癌診断への対処に関する専門的情報を提供しています。今年、Cancer.Netは患者支援10周年を迎えます。2002年にサイトが開設された際は、癌を22種のセクションに分けて掲載していました。今もCancer.Netは患者や家族、患者の友人にタイムリーで信頼できる情報を届けるための内容、デザイン、双方向性において先導的なウェブサイトであり続けています。

 

癌専門医が認める米国臨床腫瘍学会の癌情報ウェブサイトCancer.Netからの関連リンク:

 

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2012年ASCO 年次集会のニュース企画チーム向け発表はこちら

 

原文掲載日

翻訳石岡優子

監修廣田裕(呼吸器外科/とみます外科プライマリーケアクリニック)

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