テムシロリムスのFDA承認 | 海外がん医療情報リファレンス

テムシロリムスのFDA承認

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

テムシロリムスのFDA承認

商標名:Torisel™

腎臓癌で承認(2007/05/30)

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がFull prescribing information(英文)で参照できます。

2007年5月30日、米国食品医薬品局(FDA)は、進行性腎細胞癌(RCC)の治療にテムシロリムス(Torisel™、Wyeth社)を承認しました。

過去に治療を受けておらず、6つの予後不良因子のうち3つ以上を持つ、進行性腎細胞癌患者を対象にした、第3相多施設国際ランダム化非盲検臨床試験の第2回中間解析によって、有効性と安全性が実証されました。6つの予後不良因子には、診断からランダム化まで1年未満、カルノフスキーのPSが60または70、正常下限未満の血中ヘモグロビン値、10mg/dLを超える補正血清カルシウム値、正常上限の1.5倍の血清乳酸脱水素酵素値や、2つ以上の転移臓器が挙げられました。

626人の患者が、インターフェロンアルファ(interferonalfa)(IFN)のみ(n=207)、テムシロリムス25mgのみ(n=209)、またはテムシロリムス(15 mg)とIFNの併用(n= 210)の3つの治療群のいずれかに、無作為に割り付けられました。患者は腎摘出術歴と地理的地域によって分類されました。70%が65歳未満で、69%が男性でした。テムシロリムスは、疾患の進行または許容できない毒性の出現まで、週1回30〜60分静脈内に注入されました。抗ヒスタミン剤の前投薬(例えば、ジフェンヒドラミン(diphenhydramine))が、推奨されました(プロトコルの概要を参照してください)。

テムシロリムス単剤では、IFNと比べて、全生存期間(OS)において、統計学的に有意な延長に関連していました(hazard ratio 0.73 [95%CI:0.58〜0.92] P=0.0078)。全生存期間中央値は、テムシロリムス治療群が10.9カ月で、IFN治療群が7.3カ月でした。無増悪生存期間(PFS)は、副次的評価項目であり、無増悪生存期間中央値は、テムシロリムス治療群が5.5カ月で、IFN治療群が3.1カ月でした[hazard ratio0.66(95%CI:0.53〜0.81)]。テムシロリムス15 mgとIFNの組み合わせでは、IFNのみと比較して、全生存期間の有意な延長は得られず、むしろ複数の副作用の増加と関連していました。

30%を超える頻度で発生した最も多くみられる副作用は発疹、無力症、粘膜炎、悪心、浮腫、食欲不振でした。30%以上の頻度で発生した最も多くみられる臨床検査値異常は、貧血、高血糖、高脂血症、高トリグリセリド血症、血清アルカリホスファターゼ上昇、血清クレアチニン上昇、リンパ球減少、低リン血症、血小板減少、血清アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)上昇、および白血球減少でした。

重度の副作用(グレード3または4)は、無力症、呼吸困難、発疹、痛みでした。テムシロリムスに関するまれな重度の副作用の中には、間質性肺疾患、腸穿孔、急性腎不全が含まれていました。重度の臨床検査値異常(グレード3または4)は、高トリグリセリド血症、貧血、低リン血症、高血糖症、リンパ球減少、好中球減少でした。

この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

原文掲載日

翻訳伊藤 実花

監修野長瀬祥兼(研修医/社会保険紀南病院)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  2. 2光免疫療法:近赤外線でがん細胞が死滅
  3. 3非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  4. 4COX-2阻害薬と抗PD1免疫療法薬併用でIDO1発...
  5. 5BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  6. 6若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  7. 7コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  8. 8がん治療の悪心・嘔吐管理に関するASCOガイドライン...
  9. 9ペムブロリズマブ、欧州にて局所進行・転移性尿路上皮が...
  10. 10CDK4/6阻害薬に耐性を示す乳がんが複数出現

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他