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Trabectedin(トラベクテジン)とドキソルビシンPEG修飾化リポゾーム製剤の併用は再発卵巣癌の進行をわずかに遅らせる

キャンサーコンサルタンツ

試験中の薬剤Trabectedin(トラベクテジン)とPLDの併用により再発卵巣癌患者女性で無増悪生存期間(PFS)が1.5カ月延長した。全生存率についての最終的な情報はまだ得られていない。これらの結果は最近Journal of Clinical Oncologyで発表された。[1]

 

米国では卵巣癌は婦人科癌の主な死亡原因であり、毎年約22,000人の女性が卵巣癌と診断されている。ほとんどの卵巣癌患者はプラチナ製剤ベースの化学療法に当初反応を示すが、多くの患者でいずれは癌が再発する。プラチナ製剤ベースの化学療法後に再発する卵巣癌患者はプラチナ感受性(最後の治療から6カ月以上経過後に再発/進行)、プラチナ抵抗性(最後の治療から6カ月以内に再発/進行)、またはプラチナ不応性(治療中に再発/進行)があるとみなされる。再発疾患治療後の転帰は不良であり、研究者らは新しい治療手法を探り続けている。

 

Trabectedinは海産化合物に由来する被験薬であり、副溝と呼ばれるDNA領域に結合する。この結合は細胞複製を抑制し、細胞の自己破壊を引き起こす。

 

このランダム化第3相試験で、研究者らは過去にプラチナ製剤ベースの化学療法を受けた672人の再発卵巣癌患者に対し、TrabectedinとPLDの併用投与とPLD単剤投与の安全性および有効性を比較評価した。TrabectedinとPLD(30 mg/m2)を3週間ごとに併用する群とPLD(50 mg/m2)を4週間ごとに単独投与する群に患者を無作為に割り付けた。

 

無増悪生存期間は併用群の患者で7.3カ月、PLD投与群の患者で5.8カ月であった。プラチナ感受性患者群では無増悪生存期間はTrabectedinとPLDの併用で9.2カ月、PLD単剤投与で7.5カ月であった。プラチナ抵抗性患者ではTrabectedinの追加による無増悪生存期間の向上はみられなかった。

 

併用群の患者ではPLD単剤投与群と比較して、より多く好中球減少症(17%対42%)、高ビリルビン血症(5%対15%)、死亡には至らないうっ血性心不全関連疾患(患者1人対患者6人)がみられた。単剤投与群では手足症候群が、より頻繁にみられたが、これは単剤投与群におけるPLDの高い投与量が原因と考えられる。

 

PLD単剤と比較して、TrabectedinとPLDを併用することにより再発卵巣癌患者の無増悪生存期間が延長すると研究者らは結論した。この利益を受けるのはプラチナ感受性の患者に限られると考えられる。TrabectedinとPLDの併用はこれらの患者にとって新たな治療の選択肢となり得るが、「プラチナ製剤ベースでの再治療は現状で実行性のある選択肢であることには変わりはない」と研究者らは指摘している。

 

参考文献:
[1] Monk BJ, Herzog TJ, Kaye SB, et al. Trabectedin Plus Pegylated Liposomal Doxorubicin in Recurrent Ovarian Cancer. Journal of Clinical Oncology. 2010; 28: 3107-3114.

 


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翻訳上田佐知子

監修辻村信一 (獣医学/農学博士、メディカルライター)

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